孤思庵の仏像ブログ

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「若狭・多田寺の名宝」図録文中の「施転文」との語彙

仏像愛好仲間が龍谷ミュージアム 企画展「若狭・多田寺の名宝」に行ってきて、その図録を購入し熟読されている。敬意です。
 
その図録の仏像解説の文中に「施転文」とあって、調べたが判らないと彼から質問を受けた。彼も辞書やネット検索で調べたが、ブログ文中に散見されるも、その「施転文」の用語解説は出てこないという。
私も「施転文」とは知らない、 文章の前後関係より推察尚と読めば、「衣紋の中に数箇所見られる・・・云々」があり、翻波式衣文と並ぶ平安前期の納衣のひだ、衣紋の特徴の一つである渦(うず)の形の模様「渦紋(かもん)」に思い当たった。渦紋の別称に「旋転紋」があるのも思い出した。
 
「施転文」と「旋転紋」並べて似れば「施転」と「旋転」良く似ている。「旋転」では辞典に出ないが「旋転」ならば、くるくる回ること、回すこと と出る。紋が一般的だが文とすることもしばしばある。、
 
よって図録文中の「施転文」は「旋転紋」に理解して間違いなさそうだ。
 
「施転文」との語彙も在るのかも知れないが、一般的でない。「旋転紋」・「渦紋」で願いたい。
 
質問を受けたその場でも「渦紋」の事と思うとお応えしたが、ちょいと調べて、益々の確信を得たので斯様にお答えします。
 
勿論「施転文」それは幾つかのブログにも、この図録にも使用されているので、その語彙も在るのだろう、そして「旋転紋」・「渦紋」に似るも、もしかして、そこには相違が在って、使い分けているのかもしれない、この辺が確固たる師を持たない悲しさだ。
 
そして「旋転紋」・「渦紋」の見られる仏像としては室生寺 釈迦如来坐像や 神護寺 薬師如来立像が高名だ、その仏像衣文の「旋転紋」・「渦紋」を説明の為、その「渦紋」映像をネット検索で貼付したいので、探すも そのアップ映像はヒットできなかった。
 
一番参考になるものとして、室生寺 釈迦如来坐像の模刻像の正面映像がヒットした。部分アップのテクを私は持たず、それが不可能だったので像全体を貼付する。像中央の最下段、結跏趺坐の左足首の下方の渦巻き紋をご覧頂きたい。
 
 
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