孤思庵の仏像ブログ

少し深くの 仏像愛好のブログ続けてます、オフ会に集ってます、貴方も如何?

Takさんの投稿 「東博「東寺展」初日に行ってきました。」

Takさんから、 東博「東寺展」初日に行かれての投稿が有りました。

今日(3月26日・火)、平日の朝ということで電車は混雑を見込み、また所要時間が
余計にかかることから早めに自宅を出発し、8時30分過ぎには上野駅に、8時40分過ぎ
には東博正門に到着しました。上野公園の桜樹はこの数日で急激に開花したようで、
すでにグランドシートが敷かれているのが眼に入り、この様子では夕方にはほとんど
の樹木が満開に近くなるのではないかと思いました。東博はすでに4,50人ほどの拝
観客が開門を待っていました。私は9時30分の開門まで、どなたか集いの会の方が見
えるかと、気を付けて周囲を探していましたが残念。もっと開幕時は拝観客が多く展
覧会に来られるのかと思いきや、予想外に入場客が少なめだったように感じました。

  東寺展サイト:  
https://toji2019.jp/ 

東博・東寺展案内:  
https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1938 



ひとりで特別優待券で入場し、会場の最初は「後七日御修法」についての関係展示で
した。最初から不勉強のことで反省です。「灌頂院」の御修法時の様子を知ることが
出来るように、両界曼荼羅を懸けた伝法灌頂の場を設けています。入り口近くの「御
請来目録」とその隣の「風信帖」の展示(両書とも意外とこじんまりとした書)のと
ころで、御請来目録の請来の経典などを記した個所で書簡が最後まで開かれておら
ず、「理趣経」の文字が眼に入りませんでした。もう少し書簡を巻き広げていただけ
れば、という気になりました。そのようなことを感じているときに話しかけられた同
年配の男性に、感想などをお互いに話しているうちに、その先の会場までずっと2人
で話しながら拝観して廻ることになりました。最初は古文書や密教法具、大判の「真
言七祖像」の軸物や大きな火焔が目立つ「五大尊像」、迫力のある画面の彩色の多様
で目に付く「十二天像」など、展示室を圧倒するような雰囲気です。先の部屋に進む
と、眼の前に天井近くまでかかる彩色の鮮やかな現存最古の「両界曼荼羅図」(西院
曼荼羅)それでいて曼荼羅の各所に眼をやれば細かな意匠の文様と彩色に眼を奪われ
ます。そして灌頂用の「山水屏風」(せんずいびょうぶ)(六曲一隻)、「十二天
風」(六曲一双)も色とりどりに画面を賑わせて彩色が鮮やかに残る綺麗な灌頂用の
屏風です。その後はいくつもの各種曼荼羅図や「北辰神像」(妙見菩薩像)の鮮やか
で明瞭な彩色と寮感あふれる体躯が立派な額装(以前は軸装だった?)です。死して
「仁王経五万所尊図」は驚きで、「不空」訳の儀軌をベースにした五万の諸尊を東西
南北の方位ごとにグループ化して描いた白描図像、その各尊はよくぞここまで細かな
墨線で書き上げていると思うほどの精緻な尊像が書き並べられています。圧巻です。
宝物館に展示されている「天蓋」も久し振りに拝観しました。八葉蓮華の内区と華鬘
などの荘厳と共に衣をたなびかせて飛びまわる菩薩像がまだ克明に残存する、もとは
西院御影堂不動明王像の天蓋だったそうです。そして素朴な稚拙な造りの、奇怪でも
ありひょうきんでもある「十二天面」、「八部衆面」。「女神坐像」はよく写真など
で見かける像だが重量感のある体躯のしっかりした像だったので驚きでした。そして
「兜跋毘沙門天立像」は元羅城門楼上安置の像だったことが「東宝記」で知られてい
ます。金鎖甲や海老籠手が特徴的な姿で、像が立つ足元には地天女が両手で毘沙門天
像を支え持ち上げ、尼藍婆毘藍婆が左右に顔をのぞかせます。失われていた左手上
の宝塔が昨年新しく備えられました。



いくつかの曼荼羅図などの後に、第二会場はすべて講堂諸像と、観智院の安祥寺から
移設したという「五大虚空蔵菩薩像」です。「運慶展」や最近の展覧会の主流となっ
た四周を開放した360°グルリの展示です。観智院の諸尊は昨年公開日に出かけて院
内奥の仏間での拝観を経験していたのですが、やはり正面からだけの拝観だったの
で、今回は舐めるように拝観出来ました。「大日如来」を除く四如来は漆箔の鮮やか
な像ですが坐像で如来形ということで、変化に乏しく迫力や存在感が乏しい感じがし
ます。五菩薩のうち4体の菩薩像は堂々たる体躯で、1体ごとに離して安置展示されて
いるが、宝冠をはじめ荘厳が眼に付き存在感があります。やはり圧巻は「不動明王
像」を除く4体の明王像です。多面多臂像の特異な像態や奇怪な面相や表情は、他の
展示尊像と共に講堂内須弥壇上の込み合った各尊配置とは違って、像態をくまなく拝
観するにはもってこいでした。また、面相に特徴というか愛嬌も感じられる「持国天
立像」と「増長天立像」も迫力のある像態は相変わらずで、堂内での拝観とは違った
鑑賞のし易さが感じられました。目に大将の仏さまだけが入り、堂内の時のような混
雑した他の仏さまが邪魔になったり、一緒に眼に入ってしまう煩わしさが無いのが嬉
しいです。



最後の「帝釈天騎象像」は、1体だけ別に配置され、周囲を小広く場所を空けて、拝
観客がデジカメ、スマホでの撮影が可能になっていました。「兵馬俑展」や「大報恩
寺展」にも同じような趣向があったことを思い出しました。「フラッシュを焚かない
で!」という係員の注意にもかかわらず多くの拝観客が撮影時にフラッシュの光が瞬
き、係員が汗だくで対応しているのが気の毒でした。

帝釈天騎象像写真撮影可能:  
https://toji2019.jp/events/index.html#s0001 



開場入口付近でお会いして最後の撮影場所まで一緒に会場を巡った男性とは、しばら
く立ち話などをしながらゆっくりと巡り、気がついたら9時30分の入場から3時までの
長時間を同行拝観でした。その間ずっと彼と一緒に拝観して会場を回りました。彼は
展覧会に入る前にショップで帝釈天騎象像のミニチュアを購入して来たとのことでし
た。いままでもいろいろと買い求めて来たようです。帝釈天騎象像の写真撮影コー
ナーでお互いに撮影をひとしきりした後に分かれました。

私はその後、資料館・東寺展図書コーナーで参考文献の閲覧などをして、若干資料を
コピーしてから本館の11室、14室を巡りました。時間も閉館時に近かったせいかどこ
も入場者が少なくゆっくりと出来ました。15時の退場時には上野公園は「夜桜見物」
の客で混雑でした。



●「東寺展」関連の行事として、東博「東洋館ミュージアムシアター」で「東寺立体
曼荼羅空海祈りの形」とのタイトルで、VR鑑賞が出来ます。

ミュージアムシアターサイト:  
http://www.toppan-vr.jp/mt/showing/ 



2019年3月27日  AM1:00  Tak







saisaiさんも翌3/27に訪門、ショートメールを貰いました。それに拠りますと・・・、「まだ空いているようで、11時の入場はスムーズだったそうです。二日目が込み具合の目安になるらしいですから、同展混雑予測のご参考までに・・・、第一会場には仏像は少なく、第二会場は、仏像オンリーの陳列で見易かったと」のsaisaiさんの感想でした。
私宛にsaisaiさんより追伸が有りました。「東寺展の会場内の仏像で撮影オーケーが有ります。国宝帝釈天騎象像です。カメラでいっぱいでした。(人気だけの事あって帝釈天像は ) いい男ですねー。」と・・・、




同展の関連 事業を 下段に掲載しておきます。受付終了もあります、ご注意を!此処のコメントなどに同展訪問の予定をされて,ご一緒観覧を呼びかけても 良いのではと思います。ちなみに孤思案は、予定が詰まってまして・・・。4月の下旬の都合がよさそうです! 」 孤思庵

東博  特別展「国宝 東寺―空海と仏像曼荼羅」    関連事業


平成館 大講堂  2019年4月27日(土)   13:30~15:00*開場は13:00を予定   受付終了
平成館 大講堂  2019年5月11日(土)   13:30~15:00*開場は13:00を予定   申込受付中
平成館 大講堂  2019年4月10日(水)   11:00~12:00、14:00~15:00
*各回開場は開演の30分前を予定   当日受付