孤思庵の仏像ブログ

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【改8/6】 一字金輪曼荼羅図を読み解こうと・・・、ギブアップ→宿題やりました。


 出光美術館の祈りのかたち ─仏教美術入門 の第2章神秘なる修法の世界──密教美術  No46の出品に一字金輪曼荼羅図 絹本着色 江戸時代 がありました。 奈良博の(重文)一字金輪曼荼羅 平安時代にそっくりの図柄の作品でした。


 参考画像 (重文)一字金輪曼荼羅 平安時代 奈良博蔵
http://www.narahaku.go.jp/collection/947-0.html ←左クリックすると 参考画像 (重文)一字金輪曼荼羅 平安時代 奈良博蔵 が出ます。



別尊曼荼羅の一つと思われますが、知らない曼荼羅図でしたので、勉強してみます。

一字金輪曼荼羅:息災(そくさい)などを目的に行われた一字金輪法(いちじきんりんほう)と呼ばれる密教 修法の本尊画像。
悪毒鬼神の害を除き、息災・安産などをこの尊に祈る。」とある。
ボロン :一字金輪を表す種子である。「ボロン」という言葉:仏教用語で、悪いものをはらい、清浄する、という意味や、祈願成就などを意味します。

仏頂尊:梵名ブッドーシュニーシャ [buddhoSNiiSa ]、あるいは単にウシュニーシャ  [uSNiiSa])は、仏教、特に密教で信仰される 仏の一種。 如来の肉髻(頭頂部にある盛り上がり)を独立した仏として神格化したもの

一字金輪仏頂梵名エーカークシャローシュニーシャチャクラ  (ekākṣaroṣṇīṣacakra ])は仏頂尊の一尊。梵名ブッドーシュニーシャ (बुद्धोष्णीष [buddhoSNiiSa ]、あるいは単にウシュニーシャ उष्णीष [uSNiiSa])は、仏教、特に密教で信仰される 仏の一種。 如来の肉髻(頭頂部にある盛り上がり)を独立した仏として神格化したもの
一字金輪仏頂尊:五仏頂尊の一。密教でボロンの一字を真言とし、金輪を持つ仏頂尊。その徳は広大無辺で諸尊にすぐれる。釈迦金輪と大日金輪との別がある。悪毒鬼神の害を除き、息災・安産などをこの尊に祈る。」とある。

(金輪の訳: 転輪聖王には金輪王、銀輪王、銅輪王、鉄輪王の4種類がある。)

転輪聖王は各種の宝と徳性を持つと言う。
  • 輪宝(チャッカラタナ cakkaratana):四方に転がり、王に大地を平定させる。武器破壊    理想的な王である転輪聖王の無限の統治権のシンボルであった  
  • 象宝(ハッティラタナ hatthiratana):空をも飛ぶ純白の
  •                        象:慈悲を象徴
  • 馬宝(アッサラタナ assaratana):空をも飛ぶ純白の
  • 珠宝(マニラタナ maniratana):発する光明が1由旬にも達する宝石。

  • 女宝(イッティラタナ itthiratana):美貌と芳香を持つ従順かつ貞節な王妃。女性の異能

  • 居士宝(ガハパティラタナ gahapatiratana):国を支える財力ある市民。分身を多く生み出す能力
  • 将軍宝(パリナーヤカラタナ parinayakaratana):賢明さ、有能さ、練達を備えた智将。
以上の7つを七宝と言う。



教説では,諸仏諸菩薩はすべて大日如来から出生した理智体であり,森羅万象は すべて如来の遍法界身であると説いている。大日如来には智徳の面を現示した金剛界 大日如来(と、理徳の面を現示した胎蔵生大日如来とがある。)

 金剛界 大日如来】:智徳の面を現示した金剛界 大日如来 その一字真言(種字は) वं(vaṃ)バン この金剛界 大日如来仏頂尊が 一字金輪仏頂と思われます。
(因みに 【胎蔵生 大日如来】:理徳の面を現示した胎蔵生大日如来、その一字真言(種字は अ(a) ア)


一字金輪仏】(いちじきんりんぶつ):、深い瞑想の境地に至った如来が説いた一字の真言ボロン(भ्रूं [bhrūṃ])を神格化したものである。


【金輪仏頂尊】:「五仏頂尊の一。密教でボロンの一字を真言とし、金輪を持つ仏頂尊。その徳は広大無辺で諸尊にすぐれる。なお、それに 釈迦金輪と大日金輪との別がある。
大日金輪の姿: 金剛界大日如来に同じ 智拳印を結ぶ坐像。
迦金輪の姿  : 釈迦定印の坐像  定印の掌に 法輪を持つ。


以上は 勉強の為に、ネット学習で コピペで 作りました。 これを基礎材料に上段の参考画像 の『一字金輪曼荼羅図』 を読み解いてみようと思います。




http://www.narahaku.go.jp/collection/947-0.html ←左クリックすると 参考画像 (重文)一字金輪曼荼羅 平安時代 奈良博蔵 が出ます。

一字金輪曼荼羅図』: 一字金輪曼荼羅では、転輪聖王が従えるという七つの宝(金輪、如意宝珠、女宝、馬宝、象宝、主蔵宝、主兵神宝)が、一字金輪仏頂と共に描かれる。

まず、中尊は先述の転輪聖王一字金輪仏頂で、それを取り囲むのが、一字金輪仏頂の持つ宝(能力か?)で、上の表現(従えるという七つの宝)から、それらは、転輪聖王の持つ各種の宝各種の宝か、従者と思われます。中央の大きな中尊が 一字金輪仏頂は間違いないと思います。その下の列の中央が輪宝(チャッカラタナ cakkaratana)その向かって左が珠宝(マニラタナ maniratana)と思います。次が 居士宝(ガハパティラタナ gahapatiratana) そして上に行き、向かって左の馬宝(アッサラタナ assaratana) 次の中央が象宝(ハッティラタナ hatthiratana) 次が女宝(イッティラタナ itthiratana) そして下に戻って 向かって右が 将軍宝(パリナーヤカラタナ parinayakaratana)最後(宝珠の向かって右隣)が 形からして胎蔵生の大日如来ではないかと想像してます。

美術館のキャプションでは 居士宝が主蔵宝、そして 将軍宝を主兵神宝 としていました。ネット検索したものの、それらは転輪聖王が所有していた輪宝、象宝、紺馬宝、神珠宝、玉女宝、主蔵臣宝、主兵臣宝などの七宝 の様だまでで、その意味解きにまでは至れませんでした。 

それぞれの、正体が知りたくて・・・、転輪聖王が持つ各種の宝と、美術館の一字金輪の宝の名前でもネット検索してみましたが、良きものがヒットしませんでした。


展示の一字金輪曼荼羅図の鑑賞時に、キャプションに在った、「主兵神宝ってなんだろね?」の私達の会話を聞きつけて、観客のお一人が 「主兵神宝は 大威徳明王の事」と教えてくれました。 その時は主兵神宝を知りませんでしたので、主兵神宝なる尊が存在ありて、その異名に 大威徳明王が在るのかと、 また大威徳明王の異名に主兵神宝のが在るのかと 思い、凄い博学の人だと尊敬しました、 今思いますに、主兵神(宝)は、転輪聖王の宝 の主兵神宝に当たります。 その良い呼び方の 相違・類似の具合から、 単に武装神 と言うだけではないのかとの思いに至りました。 さすれば、 「主兵神宝は 大威徳明王だ」と言い切った 観客は、単にその獣座が 牛だった事で、大威徳明王と云ったに過ぎないのかとの 疑念を持つように成ってきました。 
描かれて居る背景からして、一字金輪を鶴幕は、 眷属と云うより 持宝なのではと、今 考え始めましたた。一字金輪転輪聖王の持つ宝 それを 持つ力、能力かと 推測しますが、居間一つ確信が持てません。 

一字金輪の持つ七宝の 輪宝・象宝・馬宝・摩尼珠 はこれまでの仏像の持物 の知識で想像は難くありませんでしたが、 女宝、主蔵宝、主兵神宝 が解りませんでした。 女宝は転輪聖王の宝の解説で、美貌と芳香を持つ従順かつ貞節な王妃。と理解しました。主蔵宝は財宝を司る意味と在りましたので、財力と解釈しました。、主兵神宝 は兵を司る。と在りましたんで兵力と解釈出来ました。 つまり 発展の遺志、と機動力、と財力、伴侶に 良き友と部下が居ればと言う処でしょうか、 もっと乱暴に言うと、決意と行動力と金と女と味方 と云った ところでしょうか?!

以上の解釈と 一字金輪曼荼羅が、悪毒鬼神の害を除き、息災・安産などをこの尊に祈るを目的に行われた一字金輪法(いちじきんりんほう)と呼ばれる密教 修法の本尊画像。との解説に依り。この修法は、 厄除け、招福の為と分かって来ました。 
また居士宝が、主蔵宝と言い換えられる所、主兵神宝が将軍宝と言い換らえているところから、個々が深い尊名の図像学的意味合を持つ固有名詞的なものでは無く、その軍事能力を保有するすと云う事の一般名詞的なものと考えて良いと思いに至りいました。

展覧会のその場で解らなかったのですが、一緒に行かれた同志さん、こんなところで 宿題をやったといって良いでしょうか? 

皆さんも、展覧会等で解らなかった事は、其のままにせずに・・・、 この様に調べてみま結構面白いかもですよ!

諦め切れずに、なおも、しつこく調べてましたら・・・、下段が見つかりまして・・・、

重要文化財|一字金輪曼荼羅|奈良国立博物館


息災(そくさい)などを目的に行われた字一金輪法(いちじきんりんほう)と呼ばれる密教修法の本尊画像。本品は彩色本としては現存最古の作であり、麗しい色彩をたたえる平安仏画の優品として知られる。さらにその周囲には、転輪聖王が持つという七つの宝、すなわち輪宝・珠宝・女宝・馬宝・象宝・主蔵宝(財宝を司る)・主兵宝(兵を司る)を象徴する諸尊や器物とともに仏眼尊を廻らしている。このうち画面左上に配される馬宝は、蓮華座上に立つ有翼の白馬として描かれる。『起世因本経』や『世記経』などの諸経典によれば、馬宝は、神通力をもって虚空を飛行できる紺青色の馬であり、転輪聖王が試乗すると四海を翔け巡ったとされる。本品において翼を持つ姿に表されるのも、こうした記述を受けてのことだろう。ただし経典において身色が紺青とされる馬宝を白馬として描く点については、太陽神スーリヤが乗るという天翔る白馬の乗馬と同様の、古代インド以来の天馬イメージが投影されているのかもしれない。また王が飛翔する馬に試乗して国内外を巡るというモチーフは、聖徳太子が飛翔する甲斐の黒駒に乗って東国を巡ったという伝説にまで継承されていると考えられる。 を見つけました。

上の解説文を下敷きに一字金輪曼荼羅図の 図像学的説明に直してみますと、
息災(そくさい)などを目的に行われた一字金輪法(いちじきんりんほう)と呼ばれる密教修法の本尊一字金輪曼荼羅図です。一字金輪は古代インドの理想的帝王とされる転輪聖王になぞらえる仏像の尊格であり、梵字ボロンの一字を真言とすることからその名がある。一字金輪には、螺髪(らほつ)を表し輪宝を持つ釈迦金輪(しゃかきんりん)と、五智宝冠を被って智拳印(ちけんいん)を結ぶという金剛界大日如来と同じ姿の 大日金輪があるが、本曼荼羅は画面中央に七獅子座上に坐る大日金輪の姿を描いてます。 またその周囲には、転輪聖王が持つという七つの宝、すなわち輪宝・珠宝・女宝・馬宝・象宝・主蔵宝(財宝を司る)・主兵宝(兵を司る)を象徴する諸尊や器物を廻らし、その最後の輪宝にもとる手前には、胎蔵生の大日如来と同形の仏眼尊をている。
一字金輪曼荼羅図の画面左上に配される馬宝は、蓮華座上に立つ有翼の白馬として描かれる。『起世因本経』や『世記経』などの諸経典によれば、馬宝は、神通力をもって虚空を飛行できる紺青色の馬であり、転輪聖王が試乗すると四海を翔け巡ったとされる。本曼荼羅図においては 翼を持つ姿に表されるのも、こうした「四海を翔け巡った」との記述を受けてのことでしょう。

手間取って 結論が遅れてしまい 済みませんでした。