「沖ノ島―神宿る海の正倉院―」撮影・藤原新也を見て(by biwa-10さん)
「仏像愛好の集」 のメンバー butさん から 投稿があったので ブログに掲載します。biwa-10
云うのが 正式の HN(ハンドルネーム) だそうですが、 メンバーには biwa-10さんて誰と思われる方が少なくないので、あえて此処での紹介は butさん にしておきます。
biwa-10さん=butさんです 宜しく!」孤思庵
biwa-10
「沖ノ島」は、福岡県の玄界灘に浮かぶ周囲4 kmほどの孤島です。4世紀頃より朝鮮半島(釜山)と日本(福岡県宗像市)を結ぶ重要な海路に位置していたことから、遣唐使が廃止される9世紀末まで、国家の危機に際し、その安寧と航海の安全を祈る祭祀が執り行われていたとのことです。祭祀には当時の最高級の品々が使われ、それら約8万点の神宝が国宝に指定されたことから、島は海の正倉院とも呼ばれています。
現在でも宗像大社の神職一人が、交代で島の社・沖津宮で祈りを捧げている神宿る場所で、人が自由に入ることができない禁忌の島とされています。「沖ノ島」は、世界遺産になっても私たちが立ち入ることはできない希な場所なのです。藤原新也氏は「人々はこの島の情景を写真でしか見ることができない。私はそれを伝えるために、祈りを込め、シャッターを押した。」と記しています。
会場に入ると、写真は大型パネルに引き伸ばされ、一枚一枚に藤原氏らしい明確なメッセージが付されています。水平線に浮かぶ孤高の島、断崖絶壁の島と上陸前の海中での禊、沖津宮に向かう参道と神職、新緑の草木、苔むした渡り石、鬱蒼とした木陰、沖津宮と屹立した聖なる巨岩、巨木と巨岩類など、神宿るといわれる島の本質に迫る写真の数々、その空気までも映し出し、どれをとっても強いパワーで見る者に迫ってきます。これが「島そのものがご神体」といわれる所以でしょうか。私はこのような場所が日本に存在していたことに驚嘆しつつ、いつの間にか「沖ノ島」に立ち入ったような、その聖なる空気までも体感しているかのような感覚に捕らわれていました。
【以上 biwa-10さん=butさん の投稿文です。】