鳳凰堂に於ける 菩薩の安坐・立像 と 飛天の胡跪・長跪の意味の違い
02月10日に「鳳凰堂阿弥陀光背と その飛天に付いて勉強」との日記を書きました。
そこで、「飛天の座り方と雲中供養菩薩の座り方」ついて述べました。
飛天は、長跪(両ひざを並べて地につけ、上半身を直立させる礼法)または胡跪(こき:右膝を地につけ左膝を立ててひざまずく礼法)とし、 一方の雲中供養菩薩が安坐(あぐら)や立像を伴うことと区別されている。
私は自分でそう寄稿していながら、その意味に気付かずにスルーしてしまっていました。
安坐=あぐら というので気付きませんでスルーしましたが、安坐を改めて調べましたら、いわゆる半跏形式同様に結跏の上の足を足を前に外して座ることでして、いわゆる安坐形式と半跏形式ともに結跏していたものが立とうとする時の途中の姿勢なのです。前提が結跏趺坐と云うことになり、それは仏菩薩像の坐方でして、眷属従者にはふさわしくないのです。
また、全跏坐=結跏趺坐は如来の座り方で、半跏坐は菩薩の坐り方、という分け方もあります。雲中供養菩薩はまさしく菩薩ですので、仏菩薩の姿勢の安坐と立像はふさわしいのです。
一方の飛天の長跪と胡跪を調べましたら、胡跪とは長者に対するインドの礼法であり、右膝を地に付け、左膝を立てて、臀を上げて身体を端正にすること。なお、両膝を地に付けて腰を伸ばす方法は、長跪という。と在りました。
胡跪と長跪はまさしく従者の坐法で長者(此処鳳凰堂では阿弥陀如来)に対し、いつでも立ち居振る舞い出来るようにスタンバイしている事です。
ですから天部の飛天にはふさわしい坐法で、菩薩の位、見識=気位(きぐらい)には似合わないのです。
画像で見て安坐と胡跪とは殆ど似ているように見えましたので重要と気付かずスルーしてしまいました。
こうして鳳凰堂内に同居します壁にいる雲中供養菩薩と後輩にいる飛天とには格差があるのです。皆さん雲中供養菩薩と飛天は似ていますが区別してください!
ですので、雲中供養菩薩に輪光背が付き、飛天のその場所は天衣が疑似で添えられているのです。
鳳凰堂では雲中供養菩薩像が彩色で、飛天が漆箔で金色となっていますが、本来は逆にしたいですね。 真金色の光背の中に居る飛天ですので致し方ないですね。
画像を添付したかったのですが、只今PCセッティング不良で叶いません残念です。以前の日記に添付の画像をご参照いただきたいです。