孤思庵の仏像ブログ

少し深くの 仏像愛好のブログ続けてます、オフ会に集ってます、貴方も如何?

経典による仏教入門 「空とは何かー般若心経」を受講①

【コラム】
この映像は、歴史の教科書に載る「蒙古襲来絵詞」です。歴史の視覚的史料として、この貴重な作品が重要文化財に指定されて居ないのを御存じですか?ある講座でそれが話題になりました。 
私も知らなかったのですが、この作品は明治時代に皇室が個人から御買上げ、現在は「三の丸尚蔵館」に所蔵。
 
有形文化財でありながら国宝・重要文化財の指定対象とされていないものに、皇室関係品がある。御物(ぎょぶつ、皇室の私有品)および宮内庁書陵部、★三の丸尚蔵館★、京都事務所、正倉院事務所)管理の文化財文化財保護法による国宝、重要文化財、史跡、特別史跡等の指定の対象外となっている。これらを国宝等の指定対象外とするということは文化財保護法に明文規定があるわけではなく、第二次世界大戦以前からの慣例となっている。したがって正倉院宝物、桂離宮修学院離宮などは国宝の指定対象となっていない。例外は正倉院の建物で、「古都奈良の文化財」の世界遺産登録を期に1997年(平成9年)に「正倉院正倉 1棟」として国宝に指定されている。これは世界遺産登録の前提条件として登録物件が所在国の法律により文化財として保護を受けていることが求められるため、例外的措置として指定されたものであった。
 
【本文】 
経典による仏教入門の5回目として「空とは何かー般若心経」を受講してきました。受講仲間と共に、受講直後にファミレスで2時間程の復習をしましたが、仏教辞典などの参考書籍の携帯もなく、ネット検索もできない環境でしたので、不完全でした。帰宅後に配布資料を基に、調べて分かったことをも加えて、ここに書いてみます。
 
受講の報告ですので、本来「だそうです」とか「とありました」と付け加えるべきですが、此処ではそれを省略します。
 
≪1.  初めに≫
 
『般若心経』は、護国経典の金光明経と共に我が国でも古来より護持されています。
 
『心経』漢字仏教圏・チベット仏教圏(cf チベット仏教は、根本説一切有部の厳格な戒律に基づく出家制度から、大乗顕教の諸哲学や、金剛乗密教までをも広く包含する総合仏教である。漢訳経典に依拠する北伝仏教と並んで、現存する大乗仏教の二大系統をなす。
チベットでは、7世紀から14世紀にかけてインドから直接に仏教を取り入れた。そのため、サンスクリット語の原典からチベット語へ、原文をできるだけ意訳せず、そのままチベット語に置き換える形の逐語訳で経典を翻訳したため、チベット語の経典は仏教研究において非常に重要な位置を占める。)の広範囲に弘通れ、護持されています。
 
『心経』その人気の理由は、呪術的性格・観音信仰・263文字の容易性に読誦や写経に向いている・般若(大乗仏教の空)の思想が簡潔に説かれている。などであります。
 
呪術的性格:『大慈恩寺三蔵奉仕伝』(cf 大慈恩寺 中国西安 郊外にある三蔵法師玄奘ゆかりの寺)は玄奘の伝記で孤独な旅の様子を記している。「大唐西域記」より私日記的。
「上に飛ぶ鳥なく、下に走る獣なし。また 水草なし。このとき影を顧みるに唯一のみ・・・・」の莫賀延磧(ばくがえんせき:ゴビ砂漠)の件に記された。「沙河(莫賀延磧の古称)のあたりに至り、諸々の悪鬼が怪奇な姿で自分の周りを前後するのに出会った。観音を念じても去らせることはできなかったが、この経を誦すると、声を発してみな散ってしまった。危険にあって救われたのは、実にこれ(心経読誦)によるものである」
此処で興味はこの場面は玄奘が心経の漢文翻訳をする前のことであるからして、ここで読誦された「心経」は有名となる玄奘訳でありえない、さすれば鳩摩羅什訳「心経」であったのでしょうか?
 
 
現存する般若心経の遺作に隅寺心経があります。隅寺とは海龍王寺のことで、(光明皇后の皇后宮(藤原不比等の邸宅跡)の北東隅に建てられたことから隅寺・すみでら の別称がある。)其処に残る『千巻心経』(弘法大師も渡唐の無事を祈願して般若心経一千巻を当寺に納経していて、遺 巻が弘法大師筆と書かれた箱に納められていたことがわかっています。
ただし隅寺心経の他の解説 には、海竜王寺に伝え られた多数の般若心経のこと。民間に散佚して世に空海筆と称するが,空海とは無関係 である。奈良時代におそらく朝廷の日課心経会(しんぎようえ)の料として書写したもの・・・ と もあります。http://www.kyohaku.go.jp/jp/dictio/data/shoseki/images/hannya02_l.jpg
 
 
般若経典のうち262文字の、玄奘訳『大般若波羅蜜多経』(663年)が著名で、今日では「心経」と云えば、それが流布していますが、それ以前に漢訳された代表的なものには『八千頌(じゅ)般若経』(紀元前後 - 1世紀)が在り、大乗仏教初期に編纂され後の仏教発展の基礎とな文字(ったと考えられている。(cf  韻文文体一種、4字句から成り,8シラブル( syllable=音節)×4行の32音節(字)で押韻する。仏典においても仏の徳を賛美する韻文。)
 
 
次≪2, 「心経」の成立≫は【経典による仏教入門「空とは何かー般若心経」を受講② に続きます。】