先週の尊像別講義内容は
馬頭観音、
准胝観音、
文殊菩薩でした。順に補足させて頂きます。
【
馬頭観音】
講義内容は「頭上に馬の頭を置く観音様である。四面三目八臂の多彩な観音様である。多面多臂である。憤怒の面である。」とありました・・・
出席の女性聴衆から、「
馬頭観音は何故、象や獅子や牛では無しに馬の頭なのですか?」と質問がでましたました。
講師からは回答が出ません。・・・すると受講聴衆の一人の女性が「馬が草勢い良く草を食べるように、迷いや煩悩を食べつくす比喩の為といった意味」との答がでました。
転輪聖王の宝馬が駆け巡って四囲を威圧するような姿までは出ませんでしたが、だいぶ勉強されている方でして、とても頼もしいです。
さらに此処では、少し補足します。変化観音身の1つであり、
六観音の一つに数え入れられています。
衆生の無智・煩悩を排除し、諸悪を毀壊する菩薩です。
そのために(
明王の中の
孔雀明王が唯一、忿怒相ではなく菩薩相をしているのと正反対の感にて、)「
馬頭観音」は 観音として唯一、
怒髪天を衝き、牙を剥き出した忿怒の姿をとります。為に「馬頭
明王」と言う呼称もあり、そのために菩薩部ではなく
明王(みょうおう)部に分類されることも在ります。
また「馬頭」という名称から、
民間信仰では馬の守護仏としても祀られます。さらに馬のみならず、あらゆる畜生類を救う観音ともされ、
六観音としては
畜生道の担当の観音とされています。
像容は前述のような忿怒相で体色は赤、頭上に白馬頭を戴き、三面三目八臂(額に縦に一目を有する)とする像が多いです。一面二臂、一面四臂、三面二臂、
三面六臂、四面八臂の像容も存在します。立像が多いが、坐像も散見され、頭上に馬頭を戴き、胸前で馬の口を模した「馬口印」(馬頭印とも)いう印相を結びます。
胸の前で合掌したように見える特殊な印相でして、詳しく言いますと、親指,中指,小指を立て,人差し指と薬指を曲げて両掌を合わせるというものです(人差し指だけを立てて合わせ,他の指は曲げて組み合わせるという説もあります。
あまり見かける事の無い仏像ですが、 拝観・観賞で「
馬頭観音」を識別するときには参考になりそうですね。
なお石仏などの
馬頭観音では一面二臂の立像も多く、その場合は,普通の合掌していることが多いようです。持物は剣、斧、棒などを持ちます、剣は八本の腕のある像に多いです。また蓮華のつぼみを持つ例もあります。
現存の著明像を挙げます。木造立像、
福井県・馬居寺(まごじ)の木造坐像は
平安時代の後半にまで遡る作例である。福岡・
観世音寺の木造立像は高さ5メートルに及ぶ大作で、日本の
馬頭観音像の代表例と言える。京都・
浄瑠璃寺の木造立像は、
鎌倉時代の南都仏師らの手になる作例です。
近世以降は流通が盛んに成り、馬が移動や荷運びの手段として使われることが多くなり。街道筋にて馬の死に
馬頭観音が多く祀られ、その延長で、近代では動物供養塔としての意味合いが強動物関連の随所に「馬頭観世音」の文字だけ彫られたもなど多くが供養として祀られいます。
現代の日本においては競馬場やかつてのそれの付近に祀られていていることもあります。
この日記の作文に当たっては「
馬頭観音 -
Wikipedia」を参考にしました。
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【写真】
馬頭観音 石川県
羽咋市豊財院蔵
観世音寺蔵
浄瑠璃寺蔵