孤思庵の仏像ブログ

少し深くの 仏像愛好のブログ続けてます、オフ会に集ってます、貴方も如何?

「【報告】仏像愛好の集い・・・」に【追記】8/11

編集するhttp://img.mixi.net/img/basic/icon/pub_level_001.gif
2012年08月11日14:30

思い出しましたので【報告】 8/5仏像愛好の集いin東博に追記いたします。

11室今回の展示の国宝は浄瑠璃寺の四天王から広目天が展示されています。この像は広目天なのに何ゆえ筆と経巻(経巻ではなく巻子)を持ってないのかとの発言が出ました。

先ず広目天の多くが持つのは、経巻ではなしにノート的な巻物・巻子と見るべきとの説明をさせて頂きました。次に四天王の持物などの儀軌は詳細でなくそれで尊別を見極められるのは、塔を持つ多聞天毘沙門天)だけでして、次に良く出てきますのが、筆と巻物を持つのは広目天とよく言われます。この方もその認識で、三鈷戟と羂索を持つ浄瑠璃寺広目天広目天とするを訝られたのだと思います。

何かあろうかとに佐和隆研の仏像図典を携帯してましたので その儀軌をお示し、筆と巻物以外の広目天もありを再認識して頂きました。

斯様に この集いでは発言していただき、その誤謬・瑕疵の我見らしきを顕在化し、それを改めるをもって、相互の見識の向上を致したく思います。誤謬を指摘側も極力論証の提示に努めるようにして行きましょう。

因みに、これまでは「多聞天以外の四天王は持物で鑑別は出来き無い」程度の認識でしたが、これを機会に勉強しましたら、広目天像の古様には筆と巻子の形態が多く、三叉戟と羂索(腰に手を置くだけで持物無しも)の形態は胎蔵生曼荼羅の中の広目天にありと事でした。

而して平安時代以降の広目天に多いかと思います。今回の浄瑠璃寺広目天平安時代の末ですから、そういうことに合致します。

大いにこの「集い」で、楽に仏像の見識を高めて行きましょう。