孤思庵の仏像ブログ

少し深くの 仏像愛好のブログ続けてます、オフ会に集ってます、貴方も如何?

脇腹のくびれ線が好き! お腹の柔らかさが判ります・・・

2012年07月10日14:59
[東博仏像の集い、秋篠寺 十一面観音立像 観感前の日記]

「仏像愛好の集いin東博」の平常展示仏像観賞の続きです。


秋篠寺 十一面観音立像  平安時代・9世紀  奈良・秋篠寺

これは知るところでは、2006年秋の特別展「仏像 一木にこめられた祈り」に展示されていました。それからずっと東博にされ続けて居る様です。もしかしたらそれ以前からの寄託なのでしょうか?

通常展示に時々出てきています。先ずは白土が多く残る彩色像であります。六頭身ほどで太め気味、緩めた膝と、左足を少し前気味ではあるも、殆んど動きは無いほうです。

この像はお顔、人は異国風と言ったりで、とにかく受ける印象が特異なのです。

審美してみると造作が下方に集められていて、御でこが異常に広いです。かといって童顔とも違うのです。配置は童顔でも造作部品の目鼻が子供でなないのです。少し怖い顔のようにも・・・よく観ると他は皆丸みの造詣なのに頬が丸くなさそうです。眉は太く強い弧描き、瞼は厚くが、私には異国風とも言い切れない、とにかく独特な雰囲気の印象は受けるのですが・・・そう、言うなれば、多くの観音にある女性らしさが無いのです。厳しい顔に思えます。

先に皆丸みの造詣と言いましたが、顔の輪郭は前側はおもながのようで、奥の輪郭は円形なのです、その輪郭の丸さは優しさに繋がっていない。じはつの毛筋が丸く、その上は冠台に絞られ、柔らかさを表現してます。

一方上瞼は厚いもののその輪郭線に丸みが無く、一文字に直線に近い、口も一文字の引き締め、そこらが厳しく見えるのでしょう。

お顔も特徴的ですが、衣文の襞も特徴があります。上半身は条帛、天衣に主張は無いのですが、下半身は写実の主張が強く少し煩多の思われる。平安初期に写実はあまり言われないが、何処にも目指す写実傾向はあり、一見無関係そうな定朝様仏にも存在します。

この像の写実は一木造りでありながら、強いカッティングの様は見られず、衣皺の山に丸みがあり左足脛の無皺の表現と共に天平の乾漆像の弾力を見ます。

最も特徴的な背面の条帛と天衣がX状に交差、は代檀像の一木造り系であり、衣端のうねり、存在する渦文 裾の翻波衣文に平安初期を見るます。

先述の衣皺の山に丸み、天平の乾漆的弾力、茶杓文に奈良後期の様式が伺え、他の代檀像の一木造り像とは相違の古風を示す。典型的な代檀像との相違は彩色像であるたの系統の相違を示すのであろうか?

一方プロポーションの太さ、腹部のくびれの肥満表現に平安初期を感じます。 と両時代の混在を見ます。私には戸惑う所ですが、専門の見立てでは9世紀後半の平安前期の終わりごろに見ている。

9世紀後半、様式的には内繰り無しの一木造りで教科書通りです。尚、蓮弁と反花は鎌倉期の補作とのことです。

最後に前のも述べ、繰り返しに成りますが、左足脛の無皺の表現にモデリング的の感じ、お腹の左脇に横に走る窪みの溝にお腹の柔らかさを感じ、天平の風の写実、なのか鎌倉期寄りの写実なのか、解かりませんがリアリティを感じます。

一番 解かりやすい審美は写室です。そんな処がこの像の好きなsポイントです。

皆さんもあの仏像のあそこがたまらないと云うのがおありでしょう・・・・