孤思庵の仏像ブログ

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2回目 於東博 仏像観賞勉強会【7】・完

 2011年07月12日11:32
 
【続き】

渡海文殊を整理してみます。その構成の文殊五尊は、五台山文殊ともいわれます。五台山は文殊菩薩の聖地とされる「清涼山」と比定して信仰された場所です。

西方から雲に乗って海を渡り、五台山に向かうとされましたところの五台山信仰、それが発展伝播し、我が国に於いては、海を渡り日本に向かう(今回の勉強まで、私も何処へ向かい旅するのか知りませんでした)と変容されたのだと思います。その五台山信仰は中国で天台宗を中心に盛んになりましたし、また我が国でも幾つもの渡海文殊群像が造られてます。

先ず思い浮かぶは安倍の文殊院、快慶作の巨像で、みごとです。西大寺も有名です「兎の目」の善財童子が可愛いです。他にもあまたあると存じます。きっと、貴方のお気に入りの善財童子もお有りのことでしょう。


纏めです。


少し反省なのですが、好奇心、知識欲のなせる業とは申せ、立場もわきまえず、学芸員に一番質問してしまったのは私でした。

ボランティアガイドさん達の為の説明勉強会、その最後に質疑応答がありまして、その時ボランティアガイドから出ました質問をご紹介します。

若い女性ボランティアガイドが「なぜ十一面観音は十一面なのですか?」と・・・学芸員は答えに窮しました。「衆生を多くの衆生を観る為に多くの顔を、また十一の数は菩薩修行の52段階中、の最後の階位近くの十地を表し、最上部の仏面は仏果・到達目標のを現すとされる・・・」と私が助け舟的発言をしてしまいました。しかし、そのあと後 まずかったかと反省もしました。

次にまた可笑しい質問も出ました。また若い女性ボランティアガイドが「詳しい観覧者から、仏の白毫は良性肉腫だと聞きましが・・・」と、すると今度は学芸員「それは毛です。白毫の毫の字には毛という字がはいってます」と、正解なので、今度は私は黙ってました。でも、心の中で「毫とは細い毛の意で、読んで字の白毫は通り白い細い毛でして、仏の三十二相の一つに白毫相というありて、眉間に右巻きの白毛があり、また光明を放つのです。伸びると一丈五尺ある。仏画の白毫を見れば渦で描かれるので納得されると思う・・・」と、つぶやいてました。自意識が強く恥ずかしいです。一種の妄語です、無明です、懺悔します。


今回はボランティアガイドの為の勉強会にもぐりこんで、良い思いをしました。日頃 東博に於いてボランティアガイドさんには質問できても、なかなか学芸員には質問が出来ません。これからも、何とかボランティアガイドの為の勉強会を嗅ぎ付けまして、同様の拝聴の栄を浴したいと存じます。出来れば皆さもも勉強の為、同席して見ませんか?

この有志観賞勉強会も回が重ねられればと切望します。そして、も少し多く集まって頂けるようなれたらと希望します。

そう、それから来年の東京国立博物館彫刻担当ボランティアガイド募集時には、応募、パスして、堂々と質問できる立場になりたいと思います。


11号室(彫刻)室の只今、通常展示展示中の仏像類について ご案内してきました。今回 私の一番は秋篠寺の十一面観音立像(平安前期・一木造り)でした。機会があれば是非にその脚部の衣文襞の写実といいますか、木彫に現れました乾漆風表現を御覧下さい。素晴らしく思います。

通常展示は3ヶ月ごとに展示替えを行います。写真撮影も制限つきですが可能なものも多く有ります。年間パスポートを購入すれば、何回でも無料で観賞が出来ます。11号室の他にも特別陳列で仏像は良く展示されます。古仏ですが法隆寺宝物館も有ります、時々、後援会も有ります。

どうか東京国立博物館はなかなかなのです。もっとご利用なられますことを お推めして、終わりにします。



長期にわたり、ご愛読頂き有難うございました。いくらか私の仏像のみかた 楽しみ方がご紹介できたかと存じます。終わりに際し、もっと持論をとも思いますが、また長文に成り、字数制限に引っ掛かりそうですので、また別の機会にでも・・・

誠に有難うございました。

【完】