孤思庵の仏像ブログ

少し深くの 仏像愛好のブログ続けてます、オフ会に集ってます、貴方も如何?

2回目 於東博 仏像観賞勉強会【6】

2011年07月12日11:29
前回予告で、これで最終としなければ成らぬところなのですがまた終われませんでした。分割で書き続けますので最終回とは成りませんでした。

ようやく嬉しい反応がありました。ある方より今号が待ちきれずに。質問が来てしまいました。 渡海文殊の獅子を曳くのは「うでんおう」or「うてんおう」に興味をもたれてでした。というよりは、興味を引くために、前回は わざと、「すわ瓜生先生の間違とおもいました。」で終わりました。案の定、ファンが食いついてきました。その方が、お待ちかねなので・・・では、早速に続きをはじめます。

前回は「◎文殊菩薩騎獅像および侍者立像」の途中で中断しています。必ず続きとしてお読み下さい。この回は前回の打ち消しになります面白いですよ・・・

求道の菩薩であります善財童子の物語は広く知られる割に、渡海文殊のもとの文殊五尊については殆んど語られていません。

唐代の中国五台山の文殊信仰と深く関わっているようですが、出展は不詳、仏陀波利三蔵とは、北インド出身の密教僧で、『仏頂尊勝陀羅尼経を翻訳した人として知られています。また大聖老人は、五台山に文殊菩薩を求めた仏陀波利に対してその経典を中国に伝えるよう説いた文殊菩薩の化現した老人として表現されています。仏陀波利は、五台山で大聖老人と出会ったのち、再びインドに戻り、この経の原典を得て長安に至り、その漢訳を完成させたといいます。

そして問題の「于てん王」です。多く「優填王」と紹介され、釈尊の大外護者であったウダヤナ(ウデーナ)王のことです。優填王に対する当時の信仰が、脇侍像に組み込まれていったのではないかと考えられます。

一方の「于てん王」学芸員は漢字を書いて示されましたが、もうあやふやですので。ネットで調べてみましたら。のテンは門構に眞を結合させた字らしいです。

于てん:ホータン王国ガンダーラ語:コータンナ )はシルクロードの一つ西域南道沿いにあった仏教王国。

確か学芸員は「于てん」は今のトルキスタンといったと思うのですが??ネットで調べてもホータン=トルキスタン とは出てこないのです。しかしホータン トルキスタン と同時にして検索すると何やら出てきます、両者は無関係ではないのかも知れませんが、私にはもう お手上げです!


東博のこれ以外では、皆「優填王」なのです。ですので瓜生先生、誤謬、「優填王」は「于てん王」の誤りとは言い切れなくなってしまいました。

良く古文書や銘文などに同一人物が 異なる漢字で表記されることが有りますが、それとは別問題と思います。

「うてん」「うでん」1字の濁点のみですから、たいした事ではないかとも思いますが、渡海文殊も優填王も仏像ファンにはそこそこ周知の事項です。それに東京国立博物館学芸員が混同は誤りであると断言しているのです。仏像オタクにっとっては大問題です。

為にウェブで「優填王」と「于てん王」に言及しているのを探したが、見つけられませんでした。

ところが翌日に、もしやと引いた「ウダヤナ - Wikipedia」で見つけてしまったのです、執念ですね!

漢字では「優填」もしくは「于デン (デンは前述の門+眞の1字)」(ともに、うでんと読む)、また「優陀延(うだえん)」と音写する。釈迦在世中の仏教を保護した王として知られる。なお『増一阿含経』五王品には、波斯匿王・毘沙王・優填王・悪生王・優陀延王の5人の王名が挙げられており、優填王と優陀延王は別人ともされる。『四分律』【先日講義で習ったばかりです、次の機会に書かせてもらいます)には優陀延王は拘セン(目+炎)弥国(コーサンビー)の王とする。とあるではないですか・・・ここでは 
ウダヤナは漢字では「優填」もしくは「于デン (デンは前述の門+眞の1字)」(ともに、うでんと読む)、と音写する。つまり同一といっている。

大騒ぎしましたがやはり優陀延王は別人とする説も有りますが「優填」と「于デン (デンは前述の門+眞の1字)」は同一王との見方があるのです。

学芸員の言い方「混同されるが間違い」が問題でした。同一王との見方があるのです。すっかり振り廻されました。しかし機会に 優填王の知らなかった逸話も見ることが出来勉強に成りました。


文殊菩薩騎獅像の侍者について、盛り上がり過ぎてしまいました。遅まきながら当展示の「◎文殊菩薩騎獅像および侍者立像」簡単に解説しますと、獅子の首剥ぎ面に墨初の銘文と体部内の納入文書から運慶の孫、康円の文永10年の作としれ、興福寺勧学院本尊であったこともわかりました。彼の遺作は小型のそれが多く、作風は正統の継承がみられる一方。表情や身振りに誇張と説明的描写が目立つと言わます。
この像は当時の装飾彩色のままで、補修がなく、また非常によく彩色、截金(きりがね)が残るは特筆に当たりましょう。

【続く】