孤思庵の仏像ブログ

少し深くの 仏像愛好のブログ続けてます、オフ会に集ってます、貴方も如何?

10/10 仏像愛好の集の Takさんからの投稿です。

仏像愛好の集の Takさんからの投稿です。 おかえりなさい、3日間の入院はいかがでしたか?  」孤思庵

西日本豪雨の大被害に遭われた方々には、お見舞い申し上げます。

7月度の集いの会は楽しみにしていたにも関わらず、急に欠席せざるを得ず、皆様には誠にご迷惑をおかけしました。お陰様で特に問題もなく帰ってまいりました。今
後食生活に気を付けます。

またまた、仏さまとは縁のない話しになりましたが、報告します。



●最近録画していたTV番組を、夜通しかけてまとめて観ました。

①「にっぽんトレッキング100・南アルプス縦走」(7月4日・BS103)

②「にっぽんトレッキング100・熊野・神秘の森を歩く」(7月4日・BS103)

③「祈りの原風景を見つめて・世界文化遺産神宿る島”宗像・沖ノ島と関連遺産群」(7月5日・BS103)

④「あなたも絶対行きたくなる!日本・最強の城」(6月30日・NHK総合

⑤「日曜美術館・よみがえった国宝・名古屋城本丸御殿」(7月8日・ETV): 

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http://www.nhk.or.jp/nichibi-blog/400/301166.html >
http://www.nhk.or.jp/nichibi-blog/400/301166.html   
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http://www4.nhk.or.jp/nichibi/2/ > http://www4.nhk.or.jp/nichibi/2/  





●TV番組から私の録画予約しているものをご紹介します。あまり仏さまを中心にした編輯ではないので、関心のない方はスルーしてください。(ETVの番
組は除く)

  「美の巨人たち」:  <
http://www.tv-tokyo.co.jp/kyojin/ >
http://www.tv-tokyo.co.jp/kyojin/ 

・7月7日(土)22:00~22:30(京都・三十三間堂):

美の巨人たち・放送900回記念シリーズ」(TV東京・7CH)⇒既に放送・録画済み。下記参照。

・7月14日(土)22:00~22:30(京都・醍醐寺三宝院・建築・庭園):

美の巨人たち・放送900回記念シリーズ」(TV東京・7CH)

 ・7月14日(土)18:00~18:30(並河靖之・七宝焼き・超絶技巧):

美の巨人たち・放送900回記念シリーズ」(BSジャパン

・7月28日(土)22:00~22:30(京都・三千院・建築・庭園・仏像):

美の巨人たち・放送900回記念シリーズ」(TV東京・7CH) 



●上記の「美の巨人たち」7日(土)放送録画を今しがた再生して観てみて、あまり理解していなかった「白銀比」(はくぎんひ)について専門家の説明で分かり易い
ものになっていました。昔の学識ある人々は、素人の私などとは眼の付け所がちがうのだということがよく判りました。三十三間堂は、くり返しの美、光の明暗の美、空
間の美、無限性・永遠性の美として捉えられることを知りました。人々が綺麗に安定感のある美しさとして感じるデザイン、工芸品にはよく知られている「黄金比」とい
う西洋の法則・規格があることは有名で知っていましたが、昔からの日本の工芸品や建築物などにも法則・規格があることを思い知りました。A4版用紙・印刷物など
の紙の規格(相似)は西洋(ドイツ)からの移入だと思っていましたが、実は日本でも昔から使われていた「白銀比」(大和比)と同じだったのです。白銀比は、建造
物に正方形を用いる木造建築から始まったとされ、丸太を伐採し、断面が正方形の角材を切り出すのは無駄を出さないように、円に内接する長方形の面積を最大にす
る形が正方形である、と言うことでしょう。その「白銀比」という名前や概要は知っていたものの、事例として白銀比で造られているのが三十三間堂だということは知り
ませんでした。千体千手観音像の壇から廊下、屋根構えまでいくつもの白銀比によって構成された建物だそうです。他にも法隆寺金堂や五重塔や諸仏画なども同じ考えか
ら造られているということです。説明を受けて初めて納得しました。当時の制作者(願主から実際に施工する工人、監修する監督者まで)がこのような知識を自然に「知
恵」として持ち合わせていたのでしょうか?建築についても学ばなければならないことが多いと痛感しました。チコちゃんに「ボーっと生きてんじゃねえよ!」と怒られ
そうです。一応後白河法皇平清盛院政時代の歴史状況や末法思想、浄土思想にも触れて解説されており、簡潔に解り易くまとまった番組でした。



14日の番組で「BSジャパン」放送の「並河靖之」は、先にご案内した(6/12付けメール、閑話休題その7・いくつかの展覧会の紹介・以下抜粋)の中で紹介し
た、京都の展覧会に関連した番組企画でしょう。天才作家の「超絶技巧」七宝焼の極意が披歴され、現代作家がチャレンジするそうで、関心も深まります。

 明治150年 京(みやこ)のさきがけ』展

・京都・清水三年坂美術館(清水寺近く)

・H30年5月26日(土)~8月19日(日) 10:00~17:00 月・火曜休館

・私のひいきの工芸家「並河靖之」の作品など明治初期の、京都の高度な技術工芸品の紹介は必見。

     <
http://www.sannenzaka-museum.co.jp/kikaku.html >
http://www.sannenzaka-museum.co.jp/kikaku.html 



●上記の日曜美術館名古屋城本丸御殿」の番組では、尾張徳川家の居城として居住された名城として名高い名古屋城ですが、戦時中に焼失した本丸御殿や障壁画の復
元に非常に長い時間を掛けた関係者の熱意を観ました。本丸御殿はつい最近(6月8日)に完成公開を迎えたということを知りました。徳川幕府の財力と技術の粋を究め
た豪華絢爛な「上洛殿」、「表書院」、「湯殿書院」などが復元・公開されたということです。現在眼に見える名古屋城本丸天守の足元にあった「本丸御殿」は、近世書
院造りの建築物で、映像で見る限りは優美な建物とともに内部の間取り、各々の部屋の障壁画、飾金具などや欄間などの彫物まで、精緻で大胆、豪華なもので当時の様
子を再現しているよです。幸いにも江戸時代の文献や戦前の写真、測量図などが残っており、また空襲直前に持ち出された障壁画も多くあり、復元には最大限それらの活
用が出来たことが、細部に亘るまで復元に資することが出来たとのことでした。旧来の工法や材料を採用し、技術の継承にまで配慮をしたそうです。その中で「御殿屋
根」について、「杮葺き」(こけらぶき)の製作工程を映像で説明していたのに驚きました。以前富士・瑞林寺での話しを思い出しました。やはり格式ある寺院仏閣のつ
くりなのだな、と感じました。また、障壁画の模写復元も見事です。多くの残存史料によって描かれた当時の様子を再現出来たそうで、接写画面で見ると精緻で絢爛豪
華で息をのむような模写になっています。その豪華さは、二条城本丸御殿に匹敵するものであったことが伺えます。欄間などは井波彫刻の彫り師の制作、京都絵師によ
る極彩色の色付けが施され、各部屋の障壁画は当初幕府の御用絵師「狩野探幽」などの狩野派絵師によって雄大・豪華な構成で纏められたものを再現しているそうで
す。画面では「対面所・上段の間」折上げ格天井の黒漆と金箔との妙もあり、また上洛殿障壁画は空間を充分に取った余白のバランスと、部分的に金砂子を散らしたきら
びやかさを抑えた淡い画面が、その上部の極彩色の彫刻欄間とが上下での対比として観られました。もっと多くの個所を細部まで紹介して、番組時間も延長して拡大
版の番組にして欲しかった気がしました。加藤純子東京芸大卒)さんの復元模写には、金箔の張り方ひとつにも、岩の上に積もる雪の表情ひとつにも、当時の絵師に入
魂し没入した気迫が感じられました。さすが「源氏物語絵巻」の復元模写を手掛けられた日本画家と感心しました。

すぐにでも出掛ければ、御殿内では真新しいヒノキの香りに包まれて拝観が出来るのでしょう。これまで、あまり名古屋へは脚を運ばず、京都方面に素通りしてい
た感がありましたが、名古屋城、特に本丸御殿と「徳川美術館」、「徳川庭園」、「蓬左文庫」などを組み合わせて出掛けてみようかと思います。特に徳川美術館尾張
徳川家の宝物・文書・什器等を維持管理している機関ですし、「徳川黎明会・徳川美術館」には名誉副館長として同級生が名を連ねているようですので、一度出掛けてみ
るのもアリかなと思いました。





2018年7月10日 AM1:00 Tak