孤思庵の仏像ブログ

少し深くの 仏像愛好のブログ続けてます、オフ会に集ってます、貴方も如何?

「復曲能 “大般若”」

たまに 能を見ますが・・・、そんなに好きとは言えずなのです。そんな私が、 昨晩 Eテレ 「古典芸能への招待」で

古典芸能への招待「四世梅若実 芸の魅力」

の後半 「復曲能“大般若”」
不詳:作詞
不詳:作曲
(シテ)梅若 実、(ツレ)鈴木 啓吾、(ツレ)川口 晃平、(ツレ)坂 真太郎、(ツレ)松山 隆之、(ワキ)宝生 欣哉、(アイ)茂山 茂、(アイ)島田 洋海、(アイ)丸石 やすし、(後見)梅若 長左衛門、(後見)梅若 紀彰、(地謡)山崎 正道、(地謡)馬野 正基、(地謡)角当 直隆、(地謡)内藤 幸雄、(地謡)永島 充、(地謡)佐久間 二郎、(地謡)梅若 雄一郎、(地謡)山中 景晶
(1時間11分15秒)
国立能楽堂
         


http://www.umewaka.com/img/kako_hannya/hannya-2.jpg  ← 左クリック すると 画像がでます。

         中央  深沙大将     手前 玄奘三蔵       後  (二)天女      両端    (大小)二竜王

 後 シテ  深沙大将    茜ちゃんの近江の自然と文化財の紹介

を見ました。 復曲能との事で、馴染みはなく、目的持って見たのではないのですが、 チャンネル替えてましたなら、  狂言役者の 尺取り虫・百足・ミミズが出てきて 軽妙な始まりで・・・、見続けていました。

 唐の国の寺の   梁に居た、尺取り虫が、三蔵法師が天竺に般若心経を取りに行く話を聞いて、自分も尺を取りながら天竺に行きたいと思い立ち、 旅に出て、尺取り虫が流沙河に到着 行倒れていまして、 それを長虫 仲間の 百足とミミズが助けるとこでした。何故に 行倒れていたのかと 百足とミミズに尋ねられ、尺取り虫の申すに皮を渡っていたら、ものすごい勢いで疾走する何かに 飛ばされて、 川辺にうずくまっていたと答えます。 それを聞いた百足たちは それは我らが大王様 深沙大将 だと言い、百足はミミズにあなたは『毘沙門天』の券族とたたえられ、百足は深沙大将大般若経の守護神と説明します。 百足は、深沙大将の髑髏(どくろ)の瓔珞(ようらく)をこれまで超えられなかった三蔵法師等の髑髏と説明します。 そして、まず、二十五菩薩の飛天が現れ、玄奘の身を支えそして 次に 大小の二竜王が現れ、舞うに続き、 シテの深沙大将般若経を入れた笈󠄀を背に登場、 舞の後に、今回の玄奘三蔵をこれまでの三蔵を超える三蔵法師と認め 般若経に相応しき者と認め、般若経玄奘三蔵に手渡す。で終わる。 
そこの 地謡の文句の中に 大般若転読で、各巻の最初に唱え読む『大般若経波羅蜜多経 (巻第○○ )唐の玄奘三蔵 奉詔(ぶじょう』の 謡の文句に  大般若転読作法と同じ と驚きました。


一度の番組での鑑賞ですので、上の 説明に、不足・誤謬が多いかと存じますので、ネット検索でみつけました 下段の ウエブを御紹介しておきます。

ameblo.jp/manjirofanclub/entry-10785123607.html - キャッシュ


「大般若」のワキが玄奘三蔵
おおっとモリツネ師です。高僧らしく煌びやかな装束です。
国家安泰・万民救済の為の経典『大般若経』を求め天竺への旅に出ますが、急ぎ候ほどに、あっという間に難所の流沙河に到着します。

はて、この難所をどう越えようかと思案しているところに、深沙大王の化身である前シテの、いかにも怪しい男が登場します。
怪しい男は、この流沙河で玄奘は前世に七度命を落としている、仮に流沙河を超えられたとしてもその向こうには険しい惣嶺がそびえ立つ、それでも行くのかと問いかけます。
もちろん玄奘に迷いはなく、『大般若経』取経への熱い思いはゆるぎません。
その思いに感動した怪しい男は、自分は深沙大王の化身である、八度めの正直は叶うであろう、しばし待て、と言って中入りします。

ね、何となく「春日龍神」の前半に似てませんか?
こっちは渡天を止められるんじゃなくて、逆にアシストしてもらえるんだけど。

それで、前シテが中入りする時ってわりとあっさり入るんだけど、この曲では、大鼓&小鼓の怪しげな?(独特の)演奏が付いて、国立能楽堂の長い橋掛リを前シテがたっぷりと楽しませてくれます。

そして後半、「西王母」登場と同じメロディーの笛に合わせてまず二人の「飛天」という天女が登場します。
おおっ、さすが観世流ゴージャス!と思いましたが、これには必然性があったのです。

二人の天女は、鮮やかな朱色の長絹をまとい、その下には鱗の摺箔に黒地に丸紋の縫箔。
長絹の紐は一人は萌黄色、もう一人はもっと濃いグリーン。
鬘帯なしで鬢の毛をふた筋(光明のシテ風)垂らし、背中で軽く一つに束ねた髪型。
ぴったりと息の合った舞を見せてくれました♪
まさに「西王母」の「孔雀鳳凰。迦陵頻伽。飛びめぐり声々に。」の歌詞を具現した感じ♪
でも長絹の下の装束の組み合わせを考えると、深沙大王の手下らしく、もしやハーピー?なんてことも想像しちゃいました。

舞が終わると二人はワキの玄奘三蔵の両脇に座ってワキを誘い、大小前に置かれた一畳台の前にワキを真ん中にして、三人が並びます。

あ、そうよそうよ。
これは二人の「飛天」が玄奘三蔵を抱えて飛び、流沙河を超え、惣嶺を超えてゆくところなのよ。
左右の「飛天」はその長い袖を翼のように翻します。
おお~、だから二人いるんだ~。一人じゃワキを抱えて飛べないもんね。にひひ

あっと言う間に流沙河&惣嶺を越えた玄奘三蔵は一度ワキ座に退避。
すると今度は二体の龍神が登場!
おおっ、さすが観世流ゴージャス!と思いましたが、これは「飛天」とバランスを取るためかな?
ははは、一体が「竹生島」の龍神で、もう一体が「春日龍神」の龍神ですね。

そしていよいよ後シテの、深沙大王が登場です。
白頭に、ひときわ大きな大龍戴をかぶり、面は梅若家伝来の鬼の面「眞蛇」だそうです。
宝生流では「真蛇」は「道成寺」の後シテが着けますね。
そして、髑髏瓔珞という七つのスカルがついたロングネックレス(本曲専用)を着けてます。
(七つのスカル=七度命を落とした玄奘しゃれこうべ

律義にも背中には笈(『大般若経』が入った本箱みたいなもの)を背負ってやってきます。
先ほどの龍神が、後見なみに深沙大王の背中から笈をおろし、経典の巻物を出して、ワキに捧げにゆきます。

タラリラッタラ~!
玄奘は巻物を手にいれた!
深沙大王は、経典の功徳を語り舞を舞って(働キ)玄奘を祝福した!
玄奘の経験値が200アップした!


と、ゲームのような展開でしたが、このへん「鞍馬天狗」を彷彿とさせる舞&謡です。
最後には、再びしもべの龍神が、今度は笈をもってワキに背負わせてあげます。

さあ、あとは帰国してこのありがたい『大般若経』を広める仕事がまっています。
どうやって帰るのかな~、と思っていたら、玄奘が正先にするするっと出てきました。

アレレレ、と思っていると、そのあとに龍神と飛天が続き、一列縦隊になりました。
EXILE?
すると、ワキのすぐ後ろの龍神くるりん、と回って目付柱の辺りで脇正面に向かって下ニ居、
つづいてその後ろの龍神がまたくるりん、と回ってワキ座の辺りで地謡に向かって下ニ居、
今度は飛天がくるりん、と回って最初の龍神の近くに立ち、
最後の飛天もくるりん、と回って二番目の龍神の近くに立ち…。
(これ、ソバダチの手、って呼ばれているそうです。)

おおお~、これはモーゼが紅海を割ったように、帰り道を一畳台の上の深沙大王が作ったのです。
玄奘はその道を通って、唐へと帰国します。
橋掛リで一度振り返って名残を惜しみますが、サクサク退場。

舞台の上の一同はワキを見送り、全員で一斉に下ニ居、します。
すなわち、流沙河の底に姿を消した、のであります。


以上 ameblo.jp/manjirofanclub/entry-10785123607.html - キャッシュ です。

いやはや、楽しい復刻能 「大般若」でした。
著名な大曲は見ようとすることもありましたが、 創作能や復刻能は これまであまりでしたが、 面白かったです。 能の戯曲の中に かなりの仏教譚  当時の人々の仏教の一般知識を 知り、 なかなか見られない 仏教演劇を楽しみました。能で仏教の勉強も面白いです。
御紹介の主眼でした 再放送の 予定を探しましたが・・・、 残念ながら、近日の再放送は無いようです。
見た放送がすでに、再放送だったのかもしれません。残念!
調べてましたら 復曲能 “大般若” の DVDの発売は有るようです。

雪の蝋燭能 大般若 [DVD]
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他にもDVD等が ありそうです。鑑賞希望の同志があれば・・・、  大きな図書館等で調べてみます。
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