孤思庵の仏像ブログ

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金沢文庫運慶展の出品情報  (by Mさん)

以下、「仏像愛好の集」のメンバーのMさん寄りの投稿です。


           金沢文庫運慶展の出品情報
 
今発売中の小学館発行サライの別冊付録「運慶完全カタログ」P51金沢文庫運慶展の出品情報が出ていました。文庫のHPを見てもまだ情報がなくて、数ヶ月前に出たパンフレットに書かれていた滝山寺梵天と光明院大威徳明王しか分かっていなかったのですが、今回のサライの情報により、ある程度出品内容が見えてきました。
 
それによると、絵画作品で頬焼け阿弥陀縁起、鎌倉市十二所光触寺の阿弥陀三尊が出るとあります。瀬谷さんが最近提唱している「霊験仏」と運慶の関連ということであり、この2点が出るのはある意味当然と言えます。また、横須賀市曹源寺の十二神将が全数並ぶそうなので、先日私が美術史分科会で配布した資料(奥健夫MUSEUM論文や吾妻鏡の関連記事、胎内銘文など)を持参してこの十二神将を見ると、「巳神の形は源実朝が成人した時の理想像」ということがよく理解できるかと思います。
 
出品作のことで最も注目したのは「宗慶、実慶、快慶作品が出る」と書いてあったことです。宗慶としては埼玉保寧寺の阿弥陀三尊と個人蔵の不動明王童子像の両方が出ることを期待しています。実慶についても桑原薬師堂(現函南ほとけの里)の阿弥陀三尊と修禅寺大日如来の両方が出ることを期待していますが、大日如来秘仏なので無理でしょうか。快慶については東国の作品ということなので、広島の耕三寺の宝冠阿弥陀伊豆山権現の二菩薩(伊豆山浜生協会)、栃木地蔵院の観音・勢至などが考えられますが、奈良博の快慶展に出ていたのでご覧になった方も多いと思います。快慶展に行かれなかった方はご期待ください。なお、宗慶の個人蔵不動明王については、1年ぐらい前に集いの会で静岡瑞林寺地蔵、保寧寺阿弥陀三尊、桑原薬師堂阿弥陀三尊と修禅寺大日如来の説明をした時に資料を配布していますのでご覧ください。
 
あの狭い金沢文庫2階の展示室では滝山寺梵天、光明院大威徳明王、光触寺阿弥陀三尊、曹源寺十二神将12体、宗慶・実慶・快慶から各12件、瀬戸神社の舞楽2面、頬焼け阿弥陀縁起が並ぶとほぼ一杯だと思います。あとは大威徳明王の納入品や古文書数点といったところでしょうか。これでほぼ全体像が見えてきました。
 
【以上、Mさんからの投稿文でした。】