孤思庵の仏像ブログ

少し深くの 仏像愛好のブログ続けてます、オフ会に集ってます、貴方も如何?

普賢菩薩 白象頭上の三化人について のブログに、  Takさんからメール

Takさんからの出光美術館「祈りのかたち 仏教美術入門」の投稿に触発し、小生も、普賢菩薩 白象頭上の三化人について のブログを書きましたら、 それに関してTakさんからメールを頂きました。図像学的に造詣の文章と思いますので、そのメール文の抜粋を以下に転載します。


展覧会では私もさして気にせず、あまり拝したことの無い画像だったのと、展示場所が2幅並んでいたので、比較し易かったことが幸いでした。少し丁寧に時間をかけたまでのことでした。そこで、今しがた帰宅してすぐに、手元の資料を調べてみました。と云っても12年前に東博で大倉集古館像を拝した直後に、京都・妙法院に出掛けて妙法院像を拝したことがあり、当時訪問したお寺で頂戴した①「妙法院三十三間堂」展覧会図録(H11年)と、②「MUSEUM574号(H13年)掲載の調査報告抜き刷りに田邊三郎助氏の論文を追加した、大倉集古館作成の小冊子(H16年改訂版)の2種の資料があるくらいですが…。

図録の①には、作品解説にも「三化人」については言及されておらず、②の小冊子資料には、「MUSEUM574号掲載の調査報告として、山本勉氏、浅見龍介氏、丸山士郎氏共著の克明な報告があり、その中に以下の文章があります。
『象座については、普賢菩薩騎象像の典拠となった「観普賢経」などの記述にしたがえば、また絵画遺品から推測すれば、ほかにもさらに多くの荘厳があった可能性がある。』として、『普賢菩薩像が白象の背に載せた蓮華座上に合掌して結跏趺坐する姿は、「法華経普賢菩薩勧発品や「観普賢経」の経説にしたがうものである。後者における描写は具体的で、普賢菩薩像造形化の主たる根拠となった。それによれば、普賢菩薩像の乗る象は六牙の白象で、足下に蓮華を生じ、虚空を踏んであゆみ、鼻には未敷蓮華をとる。また、象の頭の上には三化人があり、一人は金輪、一人は摩尼宝珠をとり、一人は金剛杵を振りかざすという。絵画遺品にはこの三化人を忠実にあらわすものと、これに代えて宝珠のみをあらわすものとがある。』とあります。
しかし、小冊子内に掲載された数葉の画像には、特段に象の頭上に何か荘厳に値するような置物や持物などを取り付けた造作があるようには感じられず、絵画では教義に忠実に描いているものを、彫像にては、省略しているのかといぶかしくなりました。それとも何か取り付けた跡がありながら、画像では描写されえない程のものなのでしょうか?後補で取り付け穴をふさいだのでしょうか?いろいろ思い巡ってしまいます。また、ブログ寄稿の際には記述しなかったのですが、昨日拝観した2幅の画像では、白象は四脚ともに各々蓮華台座に乗り、さらに雲乗の姿で、うち1幅は、像の後ろの雲が高く流れる急なスピード感のある動きの画調となっていました。そんなところにも2幅の違いがありました。彫像だけを拝していては分からないものを、仏画が典拠に忠実に再現されている、など合点がいくことが多いことを教えられました。こうした図像学的な知見も重要なところだという感じです。だから出光美術館の今回の展覧会は、「入門」展として、出展作品のみならず、画像入り解説が丁寧なのかもしれません。やはり、「快慶展」で知った「変相図」に於いての「阿弥陀三尊像」の「逆手」についても、「当麻曼荼羅図」の細かい画面構成をじっくりと観て、オペラグラス越しに仏さまの姿を確認出来たことで、過日学習したことを確認することが出来、これまでのような鑑賞しっぱなし、でなかったことだけでも収穫でした。
貴兄が常日頃指導されているように、同好の仲間が集って、多くの眼で観る、忌憚のない意見を発することの意味を今更ながら感じています。今回のことに懲りず、これからも些細なことでも他愛ないことでも構わずに、観賞体験レポートを投稿していくつもりです。貴兄のみならず、多くの会のメンバーからも、ご教授をいただきたいと願っています。
 
 
2017727日 2300 Tak
  
【以上Takさんから メール文の抜粋でした。】

Takさん 同様の関心を持ってもらい 嬉しいです。 仏像仏画の典拠に 経典が在るのですから、 その意味を知って、その作品の鑑賞が 深まるとの思いを この機会により深くしました。 貴兄の着目にも在りましたが、 どうやら見えてきました。白象頭上の三化人は 絵画のみに遺作が在りで、 彫刻仏像には少ないは すでに感じてましたが、 Takさんも述べられましたが、私も 彫刻仏像には、はなから 無かったのか? 欠失か? が疑問でした。

私も同感でして、三化人を有する作品が無いらしい事と、 また三化人が欠失の跡が残るものが無い事から、Takさんの仰せの通り、仏像では三化人を省略する傾向があったものと推測します。

 しかし 、三化人を 造作付加する事は、そんなに困難な事とは思いずらいです。なんで、仏像にては三化人を省略するのでしょうかね?



先の拙ブログ普賢菩薩騎象像の三化人」は、背のびし過ぎで、自身もまだ 良く咀嚼できていません。今少し勉強をして、編集機能をして、推敲 加筆を 随時重ねたく思います。
自身の勉強法のネット検索での 学習では、検索索できないワードが出て来ますと お手上げです。
聞けば『仏像愛好の集』のメンバーには 仏教辞典もお持ちで、尚且つ 法華経にもご関心の方もいらっしゃる由、何れの形でか御協力、御指南 頂きたいものです。
仏像のかたちの源典は 経典にあるのですから、 その方面での勉強もしたく思います。しかし、
経典の独学は難しそうですね!、其れより 皆さんに興味を持って貰えるかです、広くに その方向に興味は無理でしょうか? これからもその方向で、今少し宣伝させて頂きます。良しなに・・・、




自身は、まだ鑑賞していないのですが、

出光美術館「祈りのかたち 仏教美術入門」 を自身まだ訪問前ですが、Takさんの 評価もありましたので、 早くに行って 宣伝して 皆さんにも 言って頂き、 図像学的の興味を増して頂きたく 存じます。

先に触れましたが拙ブログ 「普賢菩薩騎象像の三化人」は、 これから推敲編集・加筆をします。 ご興味の方は、 改訂版を 再読お願いします。