孤思庵の仏像ブログ

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Mさんの投稿 平成29年度の新指定国宝についての説明

Mさんの投稿  次回の仏像愛好の集にての 平成29年度の新指定国宝についての説明の予告

平成29年度の新指定国宝・重要文化財のうち、彫刻の国宝3件について次回集いで時間があれば説明を行いたいと思います。(奈良博快慶展の出品作説明を予定していますが、時間が許せば新国宝も20分程度で説明を考えています。)
 
深大寺の釈迦如来については、「深大寺学術調査報告書第一分冊」(昭和62年発行、彫刻解説水野敬三郎)という本のコピーを持っています。彫刻では釈迦堂本尊の釈迦如来の他、本堂本尊の宝冠阿弥陀如来坐像、深沙大王堂本尊の深沙大王像、慈恵大師堂本尊の慈恵大師像などを取り上げています。釈迦如来ガンマ線透過写真、型持ち痕の位置図、底部の写真を掲載し品質・構造を述べている他、伝来、保存状態、様式、図像などを解説しています。宝冠阿弥陀天台寺院の常行堂阿弥陀鎌倉時代前期の作。深沙大王は深沙大将のことで、鎌倉時代の作。深大寺の名は深沙大王から取られていて、元はこの像が深大寺の本尊であったと考えられるとのこと。国宝となった釈迦如来と合わせ、これらの2体も紹介します。なお、深大寺の釈迦は同寺ホームページを見ると東博の新指定文化財特別陳列に出ると書かれています(下記アドレス)。
 
法華寺維摩居士については、岩波書店の大和古寺大観第5巻(昭和53年発行)に水野敬三郎の解説が載っています。なお、法華寺のホームページを見ても東博の特別陳列に出るとは書かれていないので、出るかどうかは不明です(下記アドレス)。
 
大阪金剛寺大日如来・不動・降三世明王は大きな像なので、多分東博には出品されないと思いますが、京博・奈良博でいつでも見ることができるので、今回説明しておきたいと思います。金剛寺は現在金堂が修理中であり、平成30年完成予定です。その間大日如来不動明王は京博、降三世明王は奈良博に展示されています。大日如来は展示場所の天井が低いため、光背を外して展示されているので、金堂の修理が終わって、3体そろって寺へ戻ったら、拝観したいと思っています。大日如来については武笠朗「大阪・金剛寺金堂大日如来像考」(実践女子大学美学美術史学第20号)に詳細な論考がある他、山本勉 日本の美術374号「大日如来」(至文堂1997年)に簡単な紹介が載っていて、光得寺の推定運慶作大日如来と同様成身会三十七尊と獅子が現された貴重な作例です。(その三十七尊は光背に付けられていて、現状の京博では展示されていないので、寺へ戻った状態を見たいということです。また、金剛寺にはこの他2組の重文指定大日如来もあるので、それらも合わせて拝観したいと思っています。)不動明王降三世明王2010年に天福二年(1234)行快作の銘が発見されてから、まだ詳細な論考はありませんが、小学館日本美術全集「運慶・快慶と中世寺院」(山本勉責任編集)に大澤慶子の作品解説、銘文発見時のインターネットニュースに墨書銘の全文が載っているので、これらを使って説明します。
 
以上 Mさんからの 投稿でした。