孤思庵の仏像ブログ

少し深くの 仏像愛好のブログ続けてます、オフ会に集ってます、貴方も如何?

観音の里の祈りとくらし展Ⅱ-びわ湖・長浜のホトケたち- について

7/9【緊急連絡】

前回の「仏像愛好の集」に於きまして、「観音の里の祈りとくらし展Ⅱ」の 「仏像愛好の集」グループ鑑賞会は 7月 9日(土) & 7月 30日(土)の2回の設定 の決議がなされましたので、その旨を 広報しました。

呼応され、どなたかが行かれるとの 1件の連絡でもあれば集合時刻に 行こうと思ってましたが・・・、他事の投稿などの傍らにて、すでに行かれたとの3件の情報は察知できましたものの・・・、
ところが、両日に出席に関しては、未だに 誰からも 、ここへのコメントや私信での 連絡が届いて居ません。

本日午後は荒天との天気予報でもありますし、7月 30日(土)の「仏像愛好の集」グループ鑑賞会は 7月 30日(土)の2回目の設定もあります事ですので、 孤思庵は このような条件のもと、2回もの同展の鑑賞はつらくなりましたので、本日9日の 「観音の里の祈りとくらし展Ⅱ」の 「仏像愛好の集」グループ鑑賞会には、私 孤思庵は欠席させて頂きます。

本日に参集をされます方々が いらっしやれば、急遽の変更を悪しからず、ご了解お願いします。


「観音の里の祈りとくらし展Ⅱ」の 「仏像愛好の集」グループ鑑賞会は 
2回の設定 しました。7月 9日(土) & 7月 30日(土) の両日です。 
ご都合の宜しいほうに 参集ください。勿論両日 共の参集も歓迎です。
集合は共に  1000am に 藝大美術館入り口です。
観音の里の祈りとくらし展Ⅱ-びわ湖・長浜のホトケたち-


会期:2016年7月5日(火)- 8月7日(日)
午前10時 - 午後5時(金曜日は午後8時まで)
入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日(ただし、7月18日は開館)、7月19日
会場:東京藝術大学大学美術館 本館 展示室3、4
観覧料:一般1,200円                                                
 




「仏像愛好の集」のメンバーのMさんから 芸大で開催中の「観音の里の祈りとくらし展」について、
寄稿がありました。 以下に掲載いたします。



 
 
観音の里の祈りとくらし展Ⅱ-びわ湖・長浜のホトケたち- について
 
展覧会に先立ち、手持ちの資料で出品作について調べたので報告します。
彫刻のうち、国指定重要文化財12件で、このうち平安初期(9-10世紀)が4件、平安後期(11-12世紀)が5件、鎌倉時代3件。
注目すべきものは平安初期の黒田観音寺千手観音、来現寺聖観音高月町西野薬師堂充満寺薬師如来鎌倉時代の建保4年銘洞寿院聖観音
 
黒田観音寺の千手観音は一八臂、頭上面がないので准胝観音とも言われるが、頭上面がない千手観音もあるとのこと(この7月から京都国立博物館で公開される京丹後市縁城寺の千手観音像がその例)。下半身の表現には京都広隆寺不空羂索観音、同じく長浜市の赤後寺千手観音(前回の展覧会に出品)と共通するものがある。(下記参考文献の①②⑤)
 
来現寺の聖観音2006年の東博特別展「仏像 一木にこめられた祈り」に出品されている。内刳りを背板や底板でふさいでいるが、この空洞は人為的な刳りというよりも、もともと用材にあったウロと考えられ、由緒のある木を使ったと想定される。(下記参考文献の①②⑥)
 
充満寺の薬師如来は来迎印を結ぶが、両手先は後補であり延暦寺根本薬師像の姿を伝える像と考えられる。なお、今回の展示では同じく西野薬師堂にある十一面観音(重文)は出品されていない。(下記参考文献の①②)
 
洞寿院の聖観音は鎌倉初期建保4年の銘を持つが、両手先までを一材で作る素朴な技法や細部にノミ痕を残す大まかな表現に地方作としての特徴が顕著である。なお、同じく余呉町の源昌寺にはこの像より製作年が1年早い薬師如来が存在し、背面に直接造像銘を墨書する点や一木造りの技法も似ているが、作風や銘の書風に共通点はないとのこと。(以前から表情が似ていると感じていたが、両像とも眼の墨描・彩色は後補ということであり、あるいは後世の同時期に補修を受けたものかもしれない。)(下記参考文献の③④)
 
また、下記ホームページに展示風景の写真が掲載されているので、ご覧ください。
 
参考文献
宇野茂樹 近江路の彫像 1974 雄山閣出版
②西川杏太郎 日本の美術No.224 近江路の仏像 1985 至文堂
③解説版 新指定重要文化財 彫刻 1981 毎日新聞社
④日本彫刻史基礎資料集成 鎌倉時代 造像銘記編3 2005 中央公論美術出版
⑤日本美術全集4 密教寺院から平等院へ 2014 小学館
⑥特別展仏像-一木にこめられた祈り-図録 2006 東京国立博物館


(追伸)①
Mです。本日7/6に芸大「観音の里の祈りとくらし展Ⅱ」に行ってきました。
感想は省略しますが、気づいた点をいくつか書きます。

まず、展示場所は2部屋だけですが、初めて見る作品が多く、資料を読みながら見ていたら結局5時間ぐらいかかりました。第1回目より充実していると思います。

黒田観音寺の千手観音は約40年ぶりの再会でしたが、今回は側面・背面と足元まで見られるのがよい。膝から下の部分が広隆寺の国宝 不空羂索観音に似ているというので、写真を持っていって比べました。その他感じたのは、耳上の巻き髪が左右で形が違うのは何故? 髻は鎌倉時代以降の宋風の造りで後補だが、金属製の宝冠も後補? これから見に行かれる方で何か分かりましたら教えてください。

洞寿院の聖観音、建保4年(1216)と言えば都作では運慶が光明院の大威徳明王を作った年です。地方の素朴な像とこれだけの差があるということを改めて実感しました。なお、洞寿院聖観音は壁に背中を向けて展示されているので、背面腰部の墨書銘は残念ながらよく見えません。(無理して覗きこめば少しは見えます。)
2016/7/6(水) 午後 11:24

(追伸)②
今回、事前準備で見逃していた重要作として、木之本浄信寺の行快作阿弥陀如来が出ていました。長浜市指定であり、出品作品リストには作者に関する情報がなかったので、気がつきませんでした。この像は最近、大津歴博の寺島氏を中心とする調査で見つかったもので、平成24年歴博特別展「阿弥陀さま―極楽浄土への誓い―」に出品されましたが、私は行っていないので、今回見られてよかったと思います。左足
に「法橋行□」の墨書銘があり、作風から行快作で間違いないと言われています。今日初めて見ましたが、旧玉桂寺(現浄土宗蔵)阿弥陀如来千本釈迦堂本尊釈迦如来と同じく、ややくせのある顔をした安阿弥様の像として、行快作で間違いないと思います。耳の形のうち、上脚がほぼ真直ぐ上を向く(快慶では斜め上を向く)という特徴もよく出ています。
2016/7/6(水) 午後 11:27

(追伸)③
また、この像は行快の法橋叙任期間から1216~1227年の作と考えられていますが、着衣形式(左右の襟にたるみが現れる)から、「快慶作では1211年以降かつ快慶没年の1227年以前(すなわち工房作でも快慶の目が行き届いていた時期)」にも適合しています。行快作でも法眼時代=快慶没後のものは襟のたるみも変化して左右とも同じくらいに大きくなります。これから行かれる集いの皆様は、この耳の上脚の角度と襟のたるみにも注意してご覧ください。削除
2016/7/6(水) 午後 11:28

削除
(追伸)④
顔アイコン
孤思庵さんが掲載してくれた写真のうち、木之本浄信寺の行快作阿弥陀如来だけ写真を開くことができないようなので、他のブログに出ていたものをご紹介します。ここには足枘の墨書銘の写真も出ているので好都合です。また、大(追伸)③歴博のホームページに大津市西教寺の行快作阿弥陀如来の足枘銘の写真があったので、合わせて紹介します。同じ「法橋」時代の銘なので比較すると浄信寺の方も行快と書いてあったのだろうということが分かります。

http://ameblo.jp/rallygrass/entry-11395092337.html
http://www.rekihaku.otsu.shiga.jp/news/1102.html削除
2016/7/7(木) 午後 5:33[ buo**iorn*1206 ]



【以上 Mさん からの投稿でした】 
 



「観音の里の祈りとくらし展Ⅱ」の 「仏像愛好の集」グループ鑑賞会は 2回の設定 しました。 
7月 9日(土) & 7月 30日(土) の両日です。 
ご都合の宜しいほうに 参集ください。勿論両日 共の参集も歓迎です。
集合は共に  1000am に 藝大美術館入り口です。

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黒田観音寺千手観音                          来現寺聖観音
     
 
 高月町西野薬師堂充満寺薬師如来       洞寿院聖観音

  

木之本浄信寺 行快作阿弥陀如来