孤思庵の仏像ブログ

少し深くの 仏像愛好のブログ続けてます、オフ会に集ってます、貴方も如何?

Mさん からの投稿  「東博の平常陳列」

仏像愛好の集 のメンバーの Mさんからの投稿です。

5/21東博の平常陳列に行ってきました。これは現在天正遣欧少年使節伊東マンショの肖像(ドメニコ・ティントレット作、有名なヴェネツィア派画家ヤコポ・ティントレットの息子)が展示されているので、この肖像画を見ることと、これに関する東大西洋美術史の小佐野先生の講演会「ヴェネツィア1585年」を聴講するために東博に行ったついでに仏像彫刻も見てきたので、現状を報告するものです。
 
今回1階の11室では東博所有の十一面観音(平安初期9世紀頃、一木造り)、菩薩像(鎌倉中期、寄木造り、玉眼、肥後定慶風)、天部像(鎌倉初期13世紀頃、四天王の一体か、重文)の3体が目新しいものでした。
 
この他では、栃木県光得寺厨子入り大日如来(推定運慶作)、四天王眷属像(康円作の2体)が久し振りの展示でした。光得寺大日如来の前でたまたま山本勉先生にお会いしたので、ご挨拶と先日の講演会での質問に対するお礼を言った後、上記十一面観音と菩薩像についてお伺いしました。(先生は学生の実習のために来館していたもの)
「十一面観音は顔面が最近の補作であり、本来は兵庫県中山寺の十一面観音のような独特の表情をしていたものと推定される(胴体部の作風から推定か?)」
「菩薩像は建長年間頃の作と推定。面部の矧ぎ目は耳前のこめかみのあたり。最近展示されることは少なかったが、(山本先生が)東博にいた頃には展示したことがある」とのことでした。
 
この他、2階の新収蔵品特別陳列で、12世紀頃の小さな菩薩像も見てきました。(写真はこのブログの5/18の記事参照)平安貴族好みの可愛い作品でした。
 
次回の集いの例会(6/4)では、これらの作品に関連する資料が何かあれば持って行きます。また、初心者の方のために光得寺大日如来や康円作四天王眷属像などの資料も持っていきますので、展示室でご紹介します。
 

以上 Ⅿさんからの投稿でした。







以下は孤思庵 【菩薩像C-314 の肥後定慶風 検証】

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                   菩薩立像 1躯 鎌倉時代・13世紀 C-314 




京都鞍馬寺聖観音菩薩立像(肥後貞慶)      大法恩寺 聖観音菩薩立像(肥後貞慶)