孤思庵の仏像ブログ

少し深くの 仏像愛好のブログ続けてます、オフ会に集ってます、貴方も如何?

(Takさんの投稿)






(メンバーのTakさんからの投稿)
●今日、「美術史学会」2016年全国大会のプログラムが発表されていましたが、今年の仏教美術関係は低調なようです。
 
『美術史學會」2016年 第69回全国大会
日時 : 2016527日(金)~29日(日) 10:0017:00
場所 : 筑波大学大学会館・つくば国際会議場 
 
 
今年は、西洋宗教絵画、建築が目立ったプログラムのようで、日本では中・近世の絵画、陶芸の発表があるものの、仏教彫刻関係がありません。それでも、幾つかは気になる研究発表もありそうです。
シンポジウム『礼拝空間―超越者と対峙する場の創造―』では、「仏教の礼拝空間-超越者との交感と美術―」というタイトルで、長岡龍作・教授の発表があります。発表要旨では、
平安時代の礼拝空間と美術を取り上げ、礼拝者の祈願、彼岸・此岸の世界観、期待される奇跡などに着目しながら、その意味と機能について考察してみたい。」と難解です。
 
 
東博の「「H28新指定国宝・重文展示」について、ご連絡します。
既に19日から始まっている展示ですが、ちょっと興味・関心を惹かれる展示品がありましたので、ご連絡・ご紹介します。
既知の方もいらっしゃるかもしれませんが、私としてはトピックでした。
 
本館8室展示の、「木造神像・5軀(80軀のうち) 平安~鎌倉時代1013世紀・大阪・泉穴師神社(いずみあなしじんじゃ)蔵」という追加指定になった彫像です。
 
展示は5軀ですが、今回指定になったのは、80軀が指定となっています。311日に泉穴師神社所蔵の80軀の神像群が、文化長文化審議会から「国指定重要文化財」として指定されたということです。もともと神社所蔵の神像のうち8軀は、明治32年(1899年)に旧国宝に指定され、昭和25年(1950年)に文化財保護法によって「重要文化財」に指定された経緯があります。今回は残りの72軀も含めて、合計80軀すべてが纏まって「重要文化財」に指定されたのです。「重要文化財を統合し、文化財を追加して重要文化財に」という表示になっています。神社には、まだ大阪府指定文化財3軀が今回の指定から漏れているようです。
構造は、ヒノキ材の一木造りで、像高50センチまでの小像です。追加指定されたのは、男神42軀、女神像30軀ともにほとんど坐像で、赤色や緑色を中心とした彩色文様がある程度良く残っており、顔に漆箔を施した像もあるということです。
 
大阪・泉大津市では、今回の新指定を記念して、市の市民講座を、716日(土)に地元で開催する予定だそうです。
 
 
 
 
このように、地方都市での文化財の指定は大きなニュースになるのです。他の地方の文化財の保存・管理にも力が入るものとなれば良い、と考えます。


 
  【付きましたコメント】

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①Takさん、泉穴師神社の神像については4/20付けの投稿「東博新指定重要文化財特別陳列の報告(Ⅿさん投稿)」で報告していますのでご覧ください。

今回の展示5軀のうち、女神1軀のみが明治の時の既指定品です。(今回の追加指定分の男神像とX線CT撮影により年輪が一致したということで展示されているようです。)
明治32年の指定品8軀については、毎日新聞社重要文化財5の写真を拡大したコピーがありますので、5/7の集いの時に持っていきます。

なお、展示品5軀については、彩色はよく残っていますが、私が見た限りでは金箔は見えませんでした。削除
2016/4/22(金) 午後 10:26[ buo**iorn*1206 ]


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②> buo**iorn*1206さんへ
ご連絡有難うございました。貴兄の投稿記事は拝読させてもらっていました。情報が重複したことについては、陳謝いたします。
私の寄稿した観点は、単に指定情報ではなく、国指定になった直後に、一神社の話しとして済ますのではなく、市役所としてこの機会を捉えて「市民講座」を企画し実施しようとしていることに注目したからです。他の指定地域でも同様な考えがあるかと思われますが、地元市民向けへの郷土の文化財の啓蒙活動として、率先して適時な適切な取り組みとしていることです。そのため7月の開催内容をご紹介した次第です。こうした市の取り組みが、私にとってのトピックスだったのです。削除
2016/4/23(土) 午前 2:03[ tak***** ]