孤思庵の仏像ブログ

少し深くの 仏像愛好のブログ続けてます、オフ会に集ってます、貴方も如何?

Takさんから NHK番組「探検バクモン・極上・奈良国立博物館…」

【追記】 この放送は 9月1日16:25~ NHK総合TVで再放送されます!


仏像愛好の集in東博 の参集メンバーのTakさんから テレビ番組で奈良国立博物館を 取り上げた番組を観たとの Eメールが届きました。

皆さんにも読んでもらおうと思い、Takさんの了承を得て ここに掲載します。
以下 Takさんのメール文章です。


 (序文省略)

先ほど、NHK総合TVで、「探検バクモン・極上・奈良国立博物館の秘宝・仏像胎内に秘密の祈り」という番組が、放送されていました。
 
「仕事がうまくいかない、身体や心が限界だ、悩めるあなたに行ってほしい極上のオアシスがある」、「仏、仏、仏、祈れ!ならば救われん」
スゴイ言葉で始まった番組ですが、行った先は、奈良国立博物館でした。
 
普段、奈良国立博物館内で、我々が入っていけない、舞台裏を紹介していました。文化財の保管庫の収納庫には、多くの収蔵品が眠っていて、ひとつひとつが信仰の証として伝えて来たものでした。現在は、国宝・66件、重文・435件、合計で4000件近くの文化財を保管・展示しているそうです。
廃仏毀釈の嵐が吹いた明治初期に集められた、明治時代に財を成した事業家、野田一族(野田吉兵衛)の「野田コレクション」という、篤志家の収蔵品を紹介していました。野田吉兵衛氏は、私が知る限り、大阪の事業家で、綿糸貿易業や、関西方面の鉄道事業、三和銀行などの金融業など、幅広い事業を手掛けた一方、多くの文化財の保護を目的に蒐集したあと、博物館に寄贈した、ということを聞いたことがあります。後で、少し調べてみることにします。
 
法隆寺薬師寺に観る様な、欠損した塑像の顔部や衣の一部など、また、木彫像の椀部(千手観音の脇手)や、手首から先の縵網相をはっきり残した手掌部などや、いっぱい並んだ千体地蔵の木片から、当時の人々の一途な願いが込められているようなものを、大きくクローズアップして、紹介されていました。塑像片は、手袋でなく、直接手で扱うこととが好ましい、ということを知りました。
 
 また、レントゲン室では、1300年以上前に造られた、金銅仏の観音菩薩立像を機械にかけて、身体全体に金と銅が詰まっている様子がよく判りました。最近、調査報告があり、専門誌で発表された、鎌倉時代清凉寺式の釈迦如来立像の、撮影現場に入り込み、頭部に仏舎利の陰影が、はっきりと映し出されている様子を、紹介していました。
 
 修理所では、春日大社から預かった太鼓(だだいこ)を、4年がかりで、修復を行なっている様子を紹介し、その大きな太鼓の内側に、100年前の修理の際の修理者として、「岡倉覚三=岡倉天心」の墨書がはっきりと映し出されていました。岡倉天心などが始めた、「日本美術院」の初期に手がけた修理の跡が分かり、こののち現在まで、文化財の修復が地道に、着実に進められている歴史を感じました。
 
 番組では、そのあと休館日に、奈良国立博物館開設120年記念の「白鳳展」の会場に、カメラが入り、上席研究員・岩田茂樹氏の案内で、薬師寺の東院堂・聖観音立像を紹介して、奈良博専属写真家の佐々木香輔氏の仏像の撮影風景を、間近から取材して、細部にわたる写真ならではの、描写力を映し出していました。たとえば、観音像の口唇の左右のひげ、眼球に赤色の彫りの縁取り、額中央の髪際の小さいほつれ毛など、当事者でなくては知りえない、細部に注意を配った観察分析などです。
崇高で神々しい姿を、それらを造る工人の努力の跡を、写真を通して、伝えられたらな、と思いながら撮影しているそうです。それらの努力が、明治初期からの、奈良博の保館する写真38万枚の歴史だと、思います。
展覧会場で、聖観音像の撮影にも、拝観者の目線での、最適な照明の工夫など、いろいろに位置を変えて、確認しながら最適な照明条件を作り出している様子を、見せてくれています。寺院内とは違った、博物館ならではの仏様の魅せ方、見せ方を探求しています。特に、月光菩薩像では、像の背後まで廻って、背中の造り、腰の動きなど、正面からでは分らない変化を知り、昔の造仏師や携わった多くの人々の、思いが、美しい姿に表されて、今に伝わっているのです。
東塔相輪では、持統天皇が病気になった際に、天武天皇が、妻の病気平癒を願って、建てられたことを知ることが出来、現在の我々の行っている供養と変わらない気持ちを、持っていることが分かります。
 月光菩薩の前には、展覧会の最中でも、寺院内と同じように、毎朝欠かさず、薬師寺のお坊様が、読経のために訪ねて来ています。お坊様は「お寺としては、仏様は祈りの対象なので、自然に手を合わせて、おこなっているだけのことです」との一言を残されていました。その言葉、声が、静かな館内に、ジンワリと響いて、消えていった気がしました。私は、こうしたお坊様の所為は、展覧会が開幕した当日、あるいは前日に、行なっているくらいに考えていたので、毎日ということが、仏様とお坊様の間の、我々には眼に見えない、約束された世界であると、改めて知らされました。
 昔からの、我々の祖先が営々と伝えてきた、文化・美術・精神が、こうして現在でも維持され、後世に伝えていく営みと努力が、にぎやかな展覧会の裏側で、静かに行われている、ことに厳粛な気分になりました。


以上でした。



的確に番組をよく把握、文章化され、早々翌朝には届いたEメール、そのフットワークに 遅筆の小生には驚きでした。

私も昨夜ブログに夢中になってました最中、仏像仲間から「やってるョ!NHK総合」とのCメールが入り」その番組を見る事が出来ました。

訪問者 案内者が お笑いコンビの「爆笑問題」でしたので、気負わずに楽に観れました。Takさんも書かれてますが太鼓の内側に、100年前の修理の墨書、「岡倉覚三=岡倉天心」の墨書がはっきりと映し出されていました。番組ではスルーしてましたが 私は岡倉覚三の左隣に「新納」の墨書を観て、小躍りしました。 嬉しくて「新納の墨書気付いた?」とCメールをくれた仏像友に電話してしまいました。11時過ぎてましたか?昔の固定電話でははばかられる時刻の電話だしたが・・携帯って、こんな時に便利ですね! その前のCメールも有功でした。

最近まで「新納忠之介」を知らなかったのですが、天心と共に覚えるべき人物と最近の番組で教えられました。最近まで「新納忠之介」を知らなかったのカミングアウトです!

読書とは違った勉強のツールに番組もです。今後は相談して、我々趣味の番組を広報するネットワークもしたく思いました。集のメンバーさん 同か良い番組を見つけましたらお知らせください、ここで広報したく思います。


最後に、Takさん、この度は早々に 懇切な記事有難うございました。引き換え ここへのUP迄に時間をかけてしまい申し訳ありませんでした!