孤思庵の仏像ブログ

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2) 仏像の前段勉強 『図像学』 【菩薩】


仏像勉強の前段勉強 として ① 仏教・ 1) 図像学 ・【1】 美術史と分野別に数字のフォーム① 1)【1】と数字のフォームに分けて 分野別に同時進行で日記を書いています。


2) 仏像の前段勉強 『図像学』 【菩薩】


さて次は菩薩、その菩薩は菩提去った(ボダイ サッタ)の省略で、ボーディとは漢訳「菩提」であり、意味は「完全なる英知」 あるいは「悟り」の意味。 サッタとは音写漢訳の「薩タ」で意味は「生きている者」つまり衆生や有情と意訳された。

菩薩という用語が仏教成立以前から存在したか否かについての定説はないが、仏教で初めて菩薩という用語が用いられたのは釈迦の前世譚(ジャータカ)であり、釈迦が前世で辿りついた境地の意味だったとする説が有力です。


各菩薩の原名は殆どは男性名詞と思います。代表例の観音菩薩の原名は アヴァローキテーシュヴァラ・ボーディサットヴァ)は先述のごとくで男性名詞です。ですのでお髭が在るのを見ましても奇異には思わなくなりました。
そんなで、色々な見解が在るのでしょうが、私は 観世音菩薩は男性論をを支持します。



Avalokiteśvara Bodhisattva アヴァローキテーシュヴァラについても語源を調べましたら、観音菩薩は、アヴァ(遍く)+ロキタ」「(見る、見た)+イシバラ(自在者)という語の合成語との説が現在では優勢である。玄奘三蔵による訳「観自在菩薩」はそれを採用していることになる。


一方にAvalokiteśvara Bodhisattva アヴァローキテーシュヴァラの玄奘三蔵以降の新訳では観自在菩薩と訳しており、玄奘は「古く光世音、観世音、観世音自在などと漢訳しているのは、全てあやまりである」といっている。「観自在」とは、智慧をもって観照することにより自在の妙果を得たるを意味する。また衆生に総てを畏れざる無畏心を施す意で施無畏者、世を救済するので救世大士ともいう。


尚、前文中のイシバラ(自在者)、これはシヴァ神の別名です、依ってその后のパールヴァティーが(烏摩妃)が観音の起源と云う説もある


鳩摩羅什の旧訳では観世音菩薩と言い、当時の中国大陸での呼称も、観世音菩薩であった。これには、『観音経』(妙法蓮華経観世音菩薩普門品第二十五)の趣意を取って意訳したという説がある。また、中央アジアで発見された古いサンスクリット語の『法華経』では、アヴァローキテーシュヴァラ「avalokitasvara」(アヴァローキタ スヴァラ)となっており、これに沿えばアバロキタ avalokita(観) + スバラ svara(音)と解された。


尚、(聖)観音菩薩 アヴァローキテーシュヴァラ「avalokitasvara」(は男性名詞は前述に在りますが、但し例外として 唯一に准胝観音チュンディーcundii(清浄の意味)またはチュンダーCundaは、准胝とはその音訳であり、六観音」の中では唯一の女尊となる。 元々はヒンドゥー教の女神ドゥルガーが仏教に観音(如来)として取り入れられた姿であるとされる。

白衣観音パーンダラヴァーシニー( pandara vasini)は女性名詞は古くからインドで崇拝されていたとされ、仏教に取り入れられてからは阿弥陀如来の明妃となり[1]、観音菩薩の母とも仰がれて、女性に納得のいわれを持つ、又その後、観音菩薩の変化身の一尊として信仰されるようになった。


かような例外は在るものの前述の如く、観音菩薩は梵名のアヴァローキテーシュヴァラが男性名詞であること、華厳経に「勇猛なる男子(丈夫)、観世音菩薩」と書かれているや救世観音=救世大士であることから、本来男性であったと断言したいです。しかしながら、慈母観音 などという言葉から示されるように、俗に女性と見る向きが多い。これは、例えば地蔵菩薩が観音と同じ大悲闡提の一対として見る場合が多く、地蔵が男性の僧侶形の像容であるのに対し、観音は女性的な顔立ちの像容も多いことからそのように見る場合が多い。観音経では「婦女身得度者、即現婦女身而為説法」と、女性には女性に変身して説法するともあるため、次第に性別は無いものとして捉えられるようになった様です。また後代に至るともっと観音を女性と見る傾向が多くなった。これは中国における観音信仰の一大聖地である普陀落山(浙江省舟山群島)から東シナ海域や黄海にまで広まったことで、その航海安全を祈念する民俗信仰や道教の媽祖信仰などの女神と結び付いたためと考えられている。中国の三十三観音の物語には女性と捉える魚籃観音等があります。

したがって、法華経の「変成男子」を関連して、観音の性別を論じる向きもあるが、これとは無関係と云えましょう。





続く次回 3)は明王をします。