孤思庵の仏像ブログ

少し深くの 仏像愛好のブログ続けてます、オフ会に集ってます、貴方も如何?

18日企画の報告と 近々の お奨め

【追記】
失礼しました 、此処の下段のMさんからのコメントに在るように、19日 午前1時過ぎにMさんより、「さて、新指定重要文化財特別陳列ですが、私は岐阜長瀧寺の韋駄天像を見るために初日の4/21(火)09:30東博へ行きます。12時頃までいるつもりです。」とのEメール頂いておりました。 確認が遅れ済みませんでした。前回の日記のコメントを確認のみで、私信のEメール確認ををネグってこの日記を書いてしまいた。


18日は午前と午後に分けての、東京藝大 保存彫刻研究室の 定例研究報告発表展のグループ見学 と 東博特別展「インドの仏 仏教美術の源流」のグループ鑑賞会を行いました。途中参加早退を含め8名の参集が在りました。
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 午前の東京藝大 保存彫刻研究室の 今年の定例研究報告発表展は 質問には答えるてくれるも形式なのでしょうが、説明員も少人数で・・・前日のギャラリートーク会の下見が無かったらと心配になりました。前日下見が役立ち、拙いながらも少々展示の説明が少し出来ました。

それに付けても今年の定例研究報告発表展は 修理品、模作品現物が1階に展示、解説パネルが2階展示と別々に分かれてしまい、ただ眺めるだけにはっすっきりしていますが、内容理解吟味には不便でした。これまでの日中の席が用意された講演形式のそれが、今回は歩きながらのギャラリートークと成り、今年は大分端折られたように思います。

研究発表の中では、過去に東博所蔵C-20 木造菩薩立像 (善円に通ずる作品)の摸刻作者の小島久典氏が、続く東大寺中性院 弥勒菩薩立像の想定復元の研究をされ、ずば抜けて興味深かったです。研究発表でこの弥勒像の極めて複雑なその構造を知り、そして東博所蔵C-20 木造菩薩立像との類似やそれらの位置付け研究に感心しました。




午後の東博 特別展「インドの仏 仏教美術の源流」
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平成館修理中で、これまであまり馴染の深くない 表慶館での特別展で、その古風な建物での開催は今テーマにマッチしていたと思います。展示の中で数を占める石像はその堅牢性で、ガラスケースには納められていませんでした。堅牢なはずですのに近くで、展示リストを丸め指し示すと係員の注意が何度も飛んできまして、苦笑の連続でした。

今グループ鑑賞に お誘い文章にその中心は仏伝レリーフ石像と石仏像といって良いと思います、キャプションを読んでその物語の場面を理解しましょうと言いましたが・・・されどキャプションは意外と簡単で その作品の見所はあまり掴めませんでした。 音声ガイドを利用すべきだったかと反省です。 そんな意味で図録が有効とは思ったのですが、2500円と高価で手が出ませんでした。お仲間のTaさんは、仏伝の事、これまであまり詳しくない分野だったとの事で、図録購入されたようです。是非に読まれて、今度是非に面白かった処をご紹介して頂きたいと思います。

前回の同展下見の際は時間切れで、後半は見ずじまいでしたが、今回最後まで見て、そのボリュウムに驚きました。展示リストを見ますと91もの出品が在ります。

私の一番収穫は、展示No47 白文殊菩薩立像、(もしかしたら48 文殊菩薩立像かもしれません、) その頭部に如来形の化仏が在りました。頭部に如来化仏と云うと観音菩薩が思い出されます。私も少し前は頭部に如来形を掲章するは 即 観音と思って居ましたが、しばらく前に、先達より、頭部に如来形を掲章するは観音ばかりでないと教わりました。 この像も頭部に化仏は在りますが、それは阿閦如来(あしゅくにょらい)だと、キャプションに在りました。それで、その化仏坐像を注視しますと、確かに触地印をしています。 ここでは、頭部に如来化仏は観音ばかりでないとの実例が見られ、阿弥陀如来形の掲章でなければ観音菩薩と云えない実例には、有意義を感じました。
「観音以外の頭部に如来形化仏」 日本にも実例を見た記憶が在りましたが、定かに何処のとは思いだせませんでした。 ブロンズ丈六中尊の脇侍菩薩に 頭部に如来形を掲章する記憶が在ります。帰宅して蔵書美術書を繰り、確認しましたら、興福寺東金堂の日光月光両菩薩と判明しました。
何事にも例外が在ると云うよりは、正確に言えば、生半可の知識での断言は危ういという事でしょう。

興福寺東金堂の日光月光両菩薩  ( 画像左側は右脇侍の日光)

インドの仏展で古い仏教美術・南アジアと東南アジアの仏教の遺作と云う、馴染の薄い作品に、仏教はそうした昔にインドで起こったを再認出来ました。

そんな折、 只今放送中(4回分の2回まで放送済み)の100分de名著ブッダ 最期のことば』 2015年4月~をご紹介します。ネット検索で下記をご覧ください

www.nhk.or.jp/meicho/famousbook/42_buddha___/  
釈迦の仏教が手短に勉強できます。(放送済み分も在りますが、テキストも販売されています)
4回連続の3回目と途中ですが【再放送】
2015年4月22日(水)午前6:00~6:25/Eテレ(教育)
2015年4月22日(水)午後0:00~0:25/Eテレ(教育)
※放送時間は変更される場合があります



一方 日本に入ってきたのは大乗仏教です。その日本仏教の放送も始まりました。19日今朝は5時に起床して その第1回目を見ました。
上記キーワードでウェブ検索してみて下さい。

です。こちらは題名から解ります様に 日本仏教の歩みを連続6回の講義形式です。 初回での印象は、ここは時代は細かく言わずに、釈迦入滅から2500年、我が国の仏教は1500年前と云う言い方で、日本仏教史と云うより、日本仏教事柄を説明に主眼を置く様で、日本仏教のあゆみをなですが、そのもとの仏教の事を踏まえて、仏教と云哲学的宗教の内容的を、私好みに進めてくれていました。
そして、延べ的に全体を細かく語る事はせずに、仏教の重点項目を選択うまく教えてくれてます。

初回は三経義疏の三経経の概要と聖徳太子が如何に仏教に精通していたから始まり、続く南六宗までもと進みも早く、 南都六宗と解するよりその「宗」を「衆」的に理解された方が良いとは実に名言です。そして南都六宗それぞれの教学主体の内容を 実に手際よく解説されて居ました。


初回の再放送は今月25日とこれからです、興味の持てる方にはとお奨めします。

放送2015/4~2015/9
Eテレ第3日曜日午前5:00~6:00
再放送同週土曜日午後1:00~2:00







【急告】Msさんより  

顔アイコン
新指定重要文化財特別陳列ですが、以下の4/16のブログに書いたように岐阜長瀧寺の韋駄天・善財童子像は4/21~4/26のみの展示(~4/28は誤りでした)なので、5/2に鑑賞会を行うということは、この作品は実物鑑賞をあきらめるということですね。
まあ、気になる人は4/26までに個人的に行けばいいのですが。

文化庁の3/13のプレスリリース(下記URL)の写真のように、韋駄天はとても彩色がよく残っている宋代の木彫像なので、是非皆さんにも見ていただきたいと思います。
http://www.bunka.go.jp/ima/press_release/pdf/2015031302.pdf
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★Msさん、新指定重要文化財特別陳列に行かれる日時をコメントにてお知らせください。 皆さんは振るってそれにご参集ください、集合は新指定重要文化財特別陳列会場で如何でしよう!

★上記を掲載されましたが、その後のコメント寄稿はまだないですが、昨日のグループ見学鑑賞の折にMさんは21日9:30に、新指定重要文化財特別陳列を見に行くと漏らされてました、(日時に違いが在れば至急コメントください)
それに都合の付かれる方は、当日お出かけに成りMさんの解説を聞かれたら如何でしょう・・・、岐阜長瀧寺の韋駄天・善財童子像鑑賞を望まれ 当日に都合付かれない方で他日と成る方は 先の通り 4/21~4/26のみの展示だそうですので留意ください。
尚、5/2の新指定重要文化財陳列鑑賞会は予定通りに行いたいと思います。

 失礼しました 、此処のMさんのコメントに在るように、19日 午前1時過ぎにMさんより、
さて、新指定重要文化財特別陳列ですが、とのEメール頂いておりました。 確認が遅れ済みませんでした。前回の日記のコメントを確認のみで、私信のEメール確認をネグって この日記を書いてしまいた。済みませんでした。

Mさんの掲載希望が他にも在ります。以下以下転載します。

以下掲載希望:
 インドの仏像展会場で、「頭上に阿弥陀の化仏をつけた観音菩薩以外に他の仏像を化仏としてつけた菩薩はあるのか」ということが話題になりましたが、奈良薬師寺講堂の薬師三尊か興福寺東金堂の薬師三尊の脇侍に化仏がついていたかもしれない、ということだったので家に帰ってから確認しました。
 
薬師寺講堂の薬師三尊は化仏のない通常の日光・月光、一方、興福寺東金堂の薬師三尊は両脇侍とも阿弥陀の化仏がついていました。岩波の奈良六大寺大観によると、東金堂の薬師三尊両脇侍は有名な仏頭とともに山田寺から奪取されたもので、両脇侍とも観音菩薩。(解説:慶応大学西川新次。両脇侍については仏頭とは別の像という説もあり。)そして、「薬師如来の脇侍を観音・勢至菩薩とする例は、覚禅抄によると、久米寺の本尊がそうだったと伝えているので、往古にはその例が多いとしている。しかし、本像のように両脇侍ともに観音菩薩とする例は、少なくともわが国にはない。」とのこと。
 
また、インドの仏像展に出ていたような「頭上に阿弥陀の化仏以外の仏像をつけた菩薩」は確認できませんでした
 
さて、新指定重要文化財特別陳列ですが、私は岐阜長瀧寺の韋駄天像を見るために初日の4/21(火)09:30東博へ行きます。12時頃までいるつもりです。

化仏の有無が問題で、興福寺東金堂脇侍に由来は周知と思いネグりましたが、懇切な補講を有難うございます。 当方の美術書の画像でも化仏がかなり大きく写っていますが、印相はっきり確認できません、一部の解説にこれを阿弥陀の化仏と断定しているも見ますが、阿弥陀と断定の根拠は何んなのでしょうか? 日本の脇侍菩薩の頭上化仏は阿弥陀以外に考える余地は残されて居ないのでしょうか? 他に、これが観音像として作られたと云う記録が在るのですか?
「覚禅抄によると、久米寺の本尊がそうだったと伝えているので、往古にはその例が多いとしている。しかし、本像のように両脇侍ともに観音菩薩とする例は、少なくともわが国にはない。」この内容でもって、この像が観音と(化仏が阿弥陀断定、出来るのでしうか?片方の頭上に水瓶が在るのなら、もう一方が観音との推論なら 納得なんですがね!