孤思庵の仏像ブログ

少し深くの 仏像愛好のブログ続けてます、オフ会に集ってます、貴方も如何?

③ 三月度 「仏像愛好の集in東博」(勉強会)報告

③ 三月度 「仏像愛好の集in東博」(勉強会)報告
 
 
 
クリックすると新しいウィンドウで開きます11号室(現状は別陳列)
 
 ③ 三月度 「仏像愛好の集in東博」(勉強会)報告
 前回1月の「仏像愛好の集in東博」時と今回の11室の陳列作品は変わってないので、これの前の日記に書きましたNo5の後の続きです。
 
No6.重文 十一面観音菩薩立像 1躯 平安時代・9世紀 奈良・秋篠寺蔵
No7.重文 聖観音菩薩立像 1躯 平安時代・9~10世紀 大阪・観心寺
No8. 重文 不動明王立像(木造,彩色) 1躯  像高165.2  平安時代・11世紀  C-1525
No.10重文 木造大日如来坐像(木造,彩色)像高93.9 平安時代 11世紀 重文 C-311
 
は1月7日の日記に書いてありますので重複を避けます。

そして午後からの平成館ラウンジでの勉強会は、
 勉強会々場 平成館ラウンジ 全景
 
 
運慶について長年研究の方が発表されました。仏像の美術史的考察で持ち込まれたしぃろうも論文発表的を含め、何十年の歴代運慶を中心に慶派仏師、同工房の研究資料的なものでした。
 何枚かレジメ的文章を参集者に配布がなされましたが全員分は行き渡りませんでした。私は後でコピーをもらえばと その場では遠慮してしまいました。ところが私の懇意の仲間も遠慮してしまい、コピーが入手ならずと成ってしまい、今これを書く段に成り、後悔仕切りです。
 耳から入ってきた説明だけで、おぼろげなのですが時系列的に数人の運慶研究者の研究事績の説明だった様です。中に私の知る研究者も半分ほど居ましたが、知らない名も多く、氏の勉強はかなりのレベルなのでしょう。
そして、高説の論旨は運慶作の認定の難しさで、運慶作の是非、中には二転三転もあるとのお話だったように思います。 間違てましたらお許を願います。

 私の運慶の勉強などは、経緯はそっちのけ、最新の定説を知るのがやっとで、運慶の本は誰のが解り易いか、面白いかで、一般向け3~4冊の読書がやっとで、これとこれが良いと思うと2冊ほどを推奨する程度です。
 
★それは①芸術新潮と②別冊太陽の特集です。単行本で無しに共に雑誌です。ですので読み易いかと思います。ネットで雑誌名の後に運慶とつけて検索してみてください。①は運慶にピンポイントです、②は時代背景など運慶の周辺も勉強できます。(こちらの方が少し難しい)★
 
まあ運慶の本数冊読んでますので、氏の高説のあらましは理解でたようでしたが、それをしていない参集者にとっては難しかったのではと思います。 ここでは高レベルより、多くが解るように咀嚼、選択して ご説明して頂くが良いかと存じます。
 
 次に 他の方と交代で、仏像の変遷の ご自分での研究を発表してもらいました、それは木彫如来坐像に絞って 時間的にその推移を仏像写真入りの大きな図にして、解説頂きました。
 坐像・立像と如来像・菩薩像とを混ぜないで、同じ形の如来坐像と括っていましたのは、比較が容易で納得です。私としては定朝以降は推して知れますが、定朝に至る過程が面白いと存じます。 何時の日にか、もっと時間を取って説明聞きたいです。内容で無く資料の形態なのですが 写真入りの一覧図ですと大きくなって コピーが取れません。番号での年表・系図的、のものと、此処の仏像写真資料の二本立てで資料構成が出来たらよいのかと思いました。如何でしょうか?
 
 別件で同氏は関西圏の一木造りはカヤよりもヒノキが多いと説明されました。 私などは、ここ十数年前に仏像用材の研究が進み、今まで、ヒノキと思われていた代理壇像などの一木造り仏が次々とカヤであったと塗り替えられてきたと認識してましたので、そのお話は目から鱗でした。 
 此方の配布資料も遠慮で貰いませんでしたので、今とても残念です。どなたか是非私にもコピー下さい。
 
ヒノキVSカヤの件は、群生するヒノキよりも単独で育つカヤの方が霊性面で、神木を意識の一木造りの仏像用材として相応しいとの理由付け。その観点に、大いに納得の私でしたので、ヒノキの一木造りの方が多いとの御説には驚きでした。そして非常に興味ですので、も一度 教えてほしいです。
 
今回は人数が多く、どうも説明が完全に行き届かない もどかしさを感じました。今後の座学の方法を検討したいものです。
その後、最後に私の方で、中止に成った先月の集は、涅槃会の日でしたので、それ用に準備してました 涅槃図の読み解きを、ごごで披露させて頂きました。

次の日記では、当方に寄せられました皆様のコメントの紹介と、今後の「仏像愛好の集in東博」の進め方の提言等を書かせて頂きます。
これからも、どうぞ忌憚ないご意見をお寄せ下さい。
 
 【次回日記④に続けます】