孤思庵の仏像ブログ

少し深くの 仏像愛好のブログ続けてます、オフ会に集ってます、貴方も如何?

② 三月度 「仏像愛好の集in東博」(獅子と狛犬)報告

当日の彫刻室 鑑賞は、神像に続いて、これまた一風変わって獅子・狛犬を次に鑑賞しました。

No2の奈良・薬師寺の鎮守八幡に安置されていたもので11世紀・木彫りの一対 獅子と狛犬


 
 
No3の広島・吉備津神社の(阿形)獅子は金箔押しで、今回来ていない(吽形)狛犬には銀箔が残るそうです。

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此処で獅子・狛犬について調べてみました。

古代オリエントのエジプトやメソポタミアでの神域を守るライオンの像がその源流、古代インドで、仏の両脇に守護獣としてライオンの像を置いたのが狛犬の起源とされる。

古代オリエント諸国では、聖なるもの、神や王位の守護神として、ライオンを用いる流行があり、スフィンクスもである。

今日も仏教関係で「獅子座」「獅子吼」などをみます。日本には、中国の唐の時代の獅子が、仏教とともに朝鮮半島を経て伝わったとされて いる。

狛犬の名称は日本人が異様な形の生き物を犬と 勘違いし、朝鮮から伝来したため、高麗犬と呼ばれるようになったとの説が在るそうです。

博物館のキャプションにも在りますように神社・寺院の狛犬と一般には云いますが、正しくは(ほとんどが一本の)角が在るのが狛犬、無いものが獅子だそうで、自身が数年前にそれを知った時は、ともに同じ獣での雄雌じゃなかったんだ!と驚きでしたのでここにも述べます。

一般的には、向かって右側に角がなく阿形(口を開いた)のが獅子で、左側には一本の角があり吽形(口を閉じた)の狛犬がいるようです。
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それから今回初めて知ったのですが、阿形・獅子のがたてがみは巻き髪で、吽形・狛犬が直毛の違いが在るものもあるそうです。また耳も獅子は垂れて狛犬は立っているそうです。クリックすると新しいウィンドウで開きます
 
 
 

高が門番的の狛犬と思いがちですが、ファンも多く研究されている人も意外と多そうです。何時もはスルーしてしまう獅子と狛犬ですが、今回は勉強に為りました。

狛犬・獅子の口の阿吽は仏教での呪文としてあった言葉で声を出して発音する最初の音と最後の音を意味するそうです。そこから、それぞれ宇宙の始まりと終わりを表す言葉とされ仁王像や狛犬・獅子に用いられるそうです。


東博訪問時に、表慶館の一対のライオン青銅像の前を通る時、どちらが雄で何方が雌かと質問すると・・・引っ掛かる人が居ます。
 

このライオン三越のライオン像と同じでロンドンのトラファルガー広場にある獅子像が由来かと誤解してましたが、表慶館のそれは、大熊氏広 明治43年作品だそうです。

三越像は両方とも口を開き気味ですが、表慶館のライオンは阿吽の口をしています。流石に日本製ですね。

最後に、上で述べました狛犬・獅子の相違は厳密でなく、近年の石工はそれらを知らずで、勝手に造形しているようです。