孤思庵の仏像ブログ

少し深くの 仏像愛好のブログ続けてます、オフ会に集ってます、貴方も如何?

③「仏像愛好の集いin東博」8月の報告 --天王立像・弁才天--

[コラム]
【岐阜大仏】:日本三大仏の一  
今年の春のある仏像拝観ツアーの中で拝観しました。これまでこの大仏様を存じませんでした。ビックリしました。
改めて 比較的安価に大きな像を作るには、このような乾漆像が有利と気付きました。
 岐阜大仏
 

[本題](②「仏像愛好の集いin東博」8月の報告からの続きです) 尚、キャプションの無い掲載映像は今回も文章の参考資料的に掲載しました。東博の陳列とは直接ン関係はございません。
 

【天王立像】木造、彩色 平安時代・12世紀 東博蔵 
 
当 東博蔵でありながら、木造、彩色 平安時代・12世紀 東博蔵 とだけで、それ以外はキャプションンが全く付けられていない、そこで、国立博物館の画像検索などのネット検索で調べるも当天王立像はヒットしない、他に重文の11世紀のC1855の重文、C326の9世紀・C327の11世紀などの作品などが出てくるんも、12世紀や展示リストの列品番号C1847はヒットしなかったです。画像もないので全く思い出せなくなってしまってます。今度からはノート代わりに必ず携帯のカメラで撮るようにしたく思いました。
 
名称が天王立像ですので、いろいろと渡り歩き、すでに来歴などがはっきりしないものを古美術商辺りから買い上げたものなのでしょう。天王立像で可能性の一番高いのは四天王像の何れかと思います。何尊であるかの手掛かりとして肉身部の色があります。四天王は仏法の四方の守護神、これを中国の四神(東の青竜・南の朱雀・西の白虎・北の玄武と合わせる事があります。それで四天王はお顔など肉身の色にて方位が分かり、何天なのかわかることがあります。
今件は色彩剥落で手がかりになりません。もう一つ、持物で尊が分かる場合もあります。四天王中で最も信仰を集める多聞天(独尊の場合は音写の毘沙門天)の持物は宝塔でして、またそれが残っていなくても塔を捧げる姿勢があれば多聞天と分かります。もう一つ 全ての広目天がそうでは無いのですが、逆は言えます。巻子(経巻ではないです)と筆を持っていたなら広目天と云って良いでしょう。
 
まっ 他にも十二神将の一つや、帝釈天や金剛神などの武装天でないとは言い切れませんので詮索はこの辺にします。
どういう訳か、この像のイメージが浮かんできません。言えば特徴のない像だったのかもしれません。そんな訳で感想も出ません、これから撮影OKの陳列は、ノート代わりに携帯電話のカメラで撮ってくるようにいたしましょう。
 
弁才天坐像】木造、彩色 鎌倉時代・13世紀 個人蔵 
 
ここの名称は弁才天となっていますが、弁財天とも書かれます。銭洗弁天のように蓄財関連の信仰の対象には「財」の字が用いられるようです。こちらのの「才」の字を当てるのは芸能・学問などの才能事をお願いするらしいです。配布資料「彫刻室(第11室)の陳列作品一覧」には、インド名はサラスバーティとありますが、私たちはサラスバーティーとしたいです。インドの言葉は男性名詞・女性名詞(中性名詞もあると聞きます)があり、女性名詞は最後の母音は伸ばす長母音と習いました。それで、諸尊のヒンドゥー名からその性別を判断するようにしています。弁天様は、まさしく女神ですからサラスバーティーと最後は伸ばしたいです。
 
サンスクリットサラスヴァティーとは水(湖)を持つものの意であり、水と豊穣の女神であるともされています。インドの最も古い聖典リグ・ヴェーダー』において、初めは聖なる川、サラスヴァティー川の化身でありましたが、流れる川が転じて、流れるもの全て(言葉・弁舌や知識、音楽など)の女神となったそうです。
 
我が国の弁才天像には、概ねこちらのように 8臂の像と、もう片方は2臂像とに大別されます。
8臂像は『金光明最勝王経』の「大弁才天女品」に説かれるものだそうで、弁才・知恵の神としての性格が多く説かれているそうですが、8本の手には、矢、弓、剣、鉾、斧、長杵、鉄輪、羂索を持まして、その全てが武器類であり、戦神であることを示しています。
 
一方、2臂像は弦楽器(我が国では琵琶)を抱え、奏する音楽神の形をとっています。
 
密教サイドでは「大日経」に、妙音天、美音天と呼ばれサラスヴァティーにより近いイメージで存在するそうです。胎蔵曼荼羅中には菩薩形の2臂像で描かれているそうです。それが後世、我が国で広く信仰された2臂像は菩薩形ではなく、天女形の像であります。
 
この陳列の8臂弁才天像には宇賀神(伏見稲荷の祭神でもある宇迦之御魂神 )という蛇体人面の神を頭上にのせています、場合によっては宇賀神の手前に鳥居を置くこともあります。弁天様の頭にお稲荷さん?何時か この混交をもっと詳しく知りたいものです。
 
弁才天に宇賀神どちらも神なのに天と神と尊称が異なります。既にご存知の方は多いと思いますが、天(テン)はインドの神で、神(ジン)は中国・朝鮮・我が国などの神を指します。
 
 
★続いて奥の部屋の大型仏像展示に移るところですが、次回の「仏像愛好の集in 東博」の日程を定例から外すことにしましたので、早めの広報が必要になりました。前回の報告は中断いたし後回しにいたします。
 
◆≪次回の「仏像愛好の集in 東博」は都合により9月1日(日曜日)に致します。 (次の日記にて詳細の広報を致します) ≫