孤思庵の仏像ブログ

少し深くの 仏像愛好のブログ続けてます、オフ会に集ってます、貴方も如何?

①「近江路の神と仏」展at三井記念美術館に三度目の鑑賞

 
三井記念美術館の「近江路の神と仏」名宝展に三度目の鑑賞に行って来ました。

眼力が不足か前にも良く観た積もりが行く度に発見が出て来る。


1-1金銅 誕生釈迦仏立像 奈良時代 善水寺
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手足と胴体の柔らかさの表現など、東大寺像に良く似ている。一鋳で無垢との事、では台座の蓮華座までと思いがちだが、良く観れば台座は後補、しかも木製だ。帰り花の複弁の中央がまるで茶色の貴石がはめ込まれている様にも見え、前回同行の仏友から、そんな質問がでた時に擦れて銅の下地が出て、また錆びたのかもと実に恥ずかしい事を言ってしまったが、どうやら金塗りの下地の漆の潤み色が表れているらしい。うっかり木製補作蓮華座を見逃していた。
改めて図録を見ると、台座部分は全形を載せずに部分で切れている。
そんな事で補作と理解しなければ為らない。


1-2金銅 観世音菩薩立像 奈良時代 報恩寺
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これが金銅仏の台座までの一鋳の形だ、1-1と比較で良く判る幸いの展示順だ。東博法隆寺館の四十八体仏の白鳳仏のそれに似ているが、観音との証拠に成る冠の阿弥陀の化仏の残欠は坐像であったと見受けられる。かろうじて観音との証拠が残った。
また、この時代にある二重瞼を鑑賞したい、瓔珞も四十八体仏のそれの丸い鏨とは違うようだが、その辺の知識は持ち合せないので何とも・・・


1-3金銅 薬師如来立像 奈良時代 聖衆来迎寺 (展示期間終了)
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古仏ながら、薬壺を持っている薬師如来だ、持物の薬壺を持つ最古クラスの像に思う。
反対の右手は下げて覆肩衣の端を握る。立像で衣を握る像は初めてだ、それでも解説に依れば、覆肩衣の端を握る像は我が国でも幾つかの作例が残っているらしい。まだまだ知らぬ事が多い。
琵琶湖から現れた像の謂れを持つ、謂れはともかく像内に造像段階の中型土がのこっているそうだ、何か映像でも添えて説明して欲しかった。
最澄が師より賜ったとの銘が刻まれているが、それは追刻のようで疑われるとの事、時折に追刻の話題も出るが、どの様な根拠で追刻とされるのかが知りたいものだ。
衣下部のYとUの字に見える衣文も珍しい見所だ。

【続く】

★再度11月16日に再観覧予定です。ご一緒しませんか?仏像趣味の私の兄貴分も同行予定です。