孤思庵の仏像ブログ

少し深くの 仏像愛好のブログ続けてます、オフ会に集ってます、貴方も如何?

集いin東博 の予習 ② 【日光菩薩坐像】

※10月6日「仏像愛好の集いin東博」に際し プログラムその一番最初の11号室「東京国立博物館140周年特集陳列 館蔵仏像名品選 」の仏像の解説を東京国立博物館-トーハク-の公式サイトより転載します。
但し●付き文章の文責は孤思庵に在ります。

日本彫刻の大半を占める仏像は寺院にあるのが普通です。そのため国内で彫刻の展示が充実した博物館はきわめて限定されています。わずかな例外である奈良・京都の国立博物館、鎌倉国宝館などはおおむね寺院からの寄託品で展示を構成しています。一方、東京国立博物館は、寄託作品の数も少なくないですが、収蔵品の数と質の高さは比類なく、それらが展示に占める割合も低くありません。今回は140周年を記念して、当館所蔵の優品を特集し、収集の歴史を辿ることにします。その充実ぶりをご鑑賞ください。
 
 
重要文化財 日光菩薩坐像 京都高山寺旧蔵 奈良時代・8世紀
 
 
 
指定名称:乾漆造日光菩薩半跏像
1躯
木心乾漆造、漆箔
高56.1
奈良時代・8世紀
高山寺旧蔵
東京国立博物館
C-218
 
京芸大保管月光菩薩像とともに,もとは高山寺薬師如来像に随侍していた像です。この三尊はさらに古くは京都府亀岡市の金輪寺の像であったといいいます。奈良末期の作ですが,整った顔だちや自然な衣文表現など,その作風はこの時代の最も正統な作品群に連なります。
 
東京芸術大学保管月光(げっこう)菩薩像とともに、もとは京都・高山寺(こうざんじ)蔵薬師如来像と一具をなしていた。これらは京都府亀岡市・金輪寺(きんりんじ)の旧像と伝える。右方へ首を傾け、左脚を踏み下げる形姿から左脇侍(きょうじ)であったことがわかる。
木心乾漆(もくしんかんしつ)造の像で、その構造の概略はX線撮影によって明らかにされている。それによれば、木心は檜と思われ、頭・体の幹部は2材を前後に矧(は)ぎ、その中央部を空洞にする。背面材下部は左右に張り出して両腰脇の三角形の部分を造るとともに、前方にも張り出してここに前面材をのせ、さらに脚部の横木を矧ぐ。脚部材は底面からわずかに刳(く)りをほどこす。髻(もとどり)は別材製か。左腕は肩・肘(ひじ)・前膊(ぜんはく)半ばで矧ぐ(その先亡失)。右腕は肩・肘・手首で矧ぐ。左脚踏み下げ部分と足先とを矧ぐ。像底は板貼りとする。耳垂部(じすいぶ)・指は銅線に紐を巻いて心とする。全面に布貼りし、天衣(てんね)遊離部や台座にかかる裳(も)先は布を心としている。これに木屎漆(こくそうるし)を盛り上げ、目鼻だち、肉身の起伏、衣文を塑形する。頭髪を白土地群青彩(ぐんじょうさい)、他の像表面を漆箔とするが、現在の漆箔は後補で、その下に当初の漆地が見える。なお台座は後補である。やや形式化して充実感に欠けるのは否めないが、整った顔だちや自然な肉どり・衣文表現など、本像の作風は8世紀半ば頃の東大寺法華堂諸像に見るような東大寺造仏所のそれに連なるもので、その構造技法とともに奈良時代末期の特色が顕著である。

 
●何時もは「集いin東博」の前に必ずする下見が、今回は疾病の為出来ませんでした。為に独自のコメントが付けられません、済まん事です。実際に足尾は込んでいないので、ネット検索のトーハク・東京国立博物館のHPを転載でお茶を濁します。
 
その解説冒頭に「東京芸術大学保管月光(げっこう)菩薩像とともに、・・・」と在ります。ルビの(げっこう)は如何なものでしょうか?やはり月光は「がっこう」と読んだ方が良いように思います・重箱突付きはその辺にして、気になる「東京芸大保管月光菩薩像」をご覧頂きましょう。
 
東博の日光は典型的な天平末期の像様で天平仏としか感想が出てこなかったのですが。此方の月光菩薩
体の3分の一を失ってる。かなり印象が違ってしまうものです、しかし此方の方が美しいという観賞もあるようです。確か以前に芸大博物館で私自身も見てると思いますが・・・そのときは東博の日光像と一具の認識を持っていたか?定かでは在りません。、うつむき加減の表情に、空洞になった腹部と肘から先。そして目じりから先に伸びたひび割れまでもがこの像を構成する「美」として機能しています。との他の方の感相文に接して、「そして目じりから先に伸びたひび割れ」の一説に思い出しました。以前にし観ていました。一見目尻が長いのと見がちをクラックと説明した事を思い出しました。修理されずに痛々しいと見るか、そのままをかえって良しと見るか?皆さんは如何?前の他の方の感相文に「近くに居なが、逢えない二人、その寂しさの為か」を付け加えたいです。
 
ここまで紹介しましたので、中尊の写真も掲載しておきましょう\¯\ê\寤¹¤ë¤ȿ·¤·¤¤\¦\£\ó\ɥ¦¤dz«¤­¤ޤ¹
京都・高山寺蔵 薬師如来
 
本来一具の三尊が居場所がばらばらに成っているのが、お気の毒と我々も一具として拝観で出来ずで残念です。かえってネット観賞で三尊全てをご覧頂きました。