孤思庵の仏像ブログ

少し深くの 仏像愛好のブログ続けてます、オフ会に集ってます、貴方も如何?

【報告】 8/5仏像愛好の集いin東博

 2012年08月07日09:30
 

8/5の「仏像愛好の集いin東博」は暑い中にもかかわらず6人が集われました。趣味人のこの日記で前回より参加のA氏が所属の仏像同好会よりB氏とC女史を伴われた。

それに私の所属の仏像同好会よりD女史とE女史と私の総勢6名の集いでした。外の暑さにうって変わって博物館内は良く冷えてました。(美術品は温度、湿度管理が厳しく指定されており室温24℃、湿度55%程度に保つ必要がありますから、冷房の設定温度を数度上げるということがしにくい。)

先ず常連の強みで、秘密の資料2種を銘々がゲット。(来館者の5%も入手しないでしょう。他の来館者が手にしているのを見た事がありません。部数が少ないので博物館側でも積極的には配布アピールををしていないようです。一種の常連サービスの様な感じです。

ますは11号(彫刻)室通常展示の仏像13件(16躯)を1時間 展示キャプションをよく読んで各々で自由に観賞頂いた。その後に隣室の階段室にあるテーブルとスツールでミーティイング、45分ほど資料を基に各く展示品の見所を解説。

主な事は一見キャプションは陳列の作品のみの説明がなされている様に思いがちですが、その陳列品の年代の特徴に繋がる事を述べているので、同時にその陳列品の年代に事象・特徴として勉強できます。

今回は四天王1件4躯が12世紀(鎌倉末期)でありますが、その他12件は皆が平安時代です。その平安時代の中での変遷に留意していただきました。

平安時代前期(弘仁貞観期) 9世紀 を本格的木造仏のスタートと考えて榧材などに樹木の霊性を感じての一木造りの時代。

此処では詳しく述べるゆとりは無いので、極々簡単にします。量塊性、いかり肩、姿勢はそり気味、衣文は天平の捻塑のそれを髣髴さす。丸みのある鎬と、もう一つは翻波などに見る、鎬が立つ(襞が鋭い)、渦紋、などを説明しました。

平安中後期(藤原時代)10・11・12世紀の特徴として和様、貴族趣味、穏やかな丸み  そしてこの時代の定朝様の見極めとして、胸が薄い、結跏趺坐が薄い 背が反らない、首が前傾気味、などを説明

その後、展示室に戻り、各像前」にて、上記特色の出ている箇所を指摘しました。他の鑑賞者をおもんぱかり。今回は展示スペースで説明を極力避け、上記のような方法を取りました。良いみたいです。

お昼少し過ぎに移動して、昼食の場 に決めた平成館へ向かいました、途中平安時代のあまり知られてない瓦製仏像展示を案内したりしながら平成館講堂前の飲食コーナーへ、昼食と雑談的仏像談義、食事後は少し真面目に仏像談義、Aさんは前回から歴史にお詳しい、初回のBさんは仏像の知識に永いキャリアで、かなりお詳しい・・・此方の説明が滞りなく受け取っていただけ気持ちが良い。

午後の観賞は本観に戻り14室へ、そこは特別陳列『運慶周辺と康円の仏像』-運慶作と見られる真如苑大日如来と康円作の大日如来との作品を並列展示で比較観賞しました。

私は真如苑と光得寺の大日は何度も鑑賞したが初めての方もあったりで良かったのではないでしょうか。

そして「康円」(運慶の孫)の渡海文殊菩薩及び侍者など3件などの仏像が陳列。中でも渡海文殊は通常には無い至近の展示良かったです。その光背の迦陵頻伽が二つの内の片方が後補 を言いましたら、皆さん当てられました。審美眼お持ちに敬意です。此処にも重要文化財指定の仏像11躯が展示、東博ならではです。

そして2Fの「仏教の興隆―飛鳥・奈良」 と「仏教の美術―平安~室町」の両コーナーで4躯(内1躯は重文)の仏像観賞、BさんCさんのお二人はここまでで途中退席されました。

以前の展示場所に無かったので、終了と思ってましたが、日本では主に白鳳・天平時代 に限って製作された「押し出し仏」の工程説明コーナーも場所を移しただけでありましたので見学しました。

帰り際には仏像以外の分野の陳列もざっと見しながら退館しました。

東博を出て4名は 上野はアメ横、ガード下の居酒屋で、仏像・仏教談義、内容は別の日記に致します。だだ違うグループでやってきて此処での合流お互い新鮮なものがありました。

読書の勉強より、講演・講座の受講方が楽、しかし飲み食いしながらの勉強の方がもっと楽しいですよ・・・・・
そんな訳で昨夜も5時前から、またも9時までもやってしまいました。(Aさんご自宅まで此処から2時間所用というのに・・・)

談義内容は次回の日記にと言いましたが、予告の意味で少しだけ「勝常寺」の寺名の謂れについてのAさんの高説から火が付き、最澄VS一徳 、法相宗つながりで法然VS貞慶の話まで、Aさんは歴史にお強い、Dさんは仏教に強いで熱く盛り上がりました。内容は次の日記にさせて頂きます