孤思庵の仏像ブログ

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【続】【続】 観仏像紀 鶴林寺 聖観音立像

2011年06月29日09:01
【続】【続】です 観仏像紀 鶴林寺 聖観音立像

以前に同題名の日記を2度 書かせて頂いてますが、また新事実発覚しましたので続編を書きます。

以前の日記に鶴林寺聖観音立像の法量(仏像の大きさ)は像高82.5センチメートルもあり、小金銅仏ではなく当時の金銅仏としてはかなり大きいほうではないか、それが中空で無しに無垢の像ですと!!さすれば重さは?金属の重さに無知な私ですが、人間一人より重いはず、100キロほどになるのでは??到底一人では運び出せないのでは・・・そんな重い像が・・・伝説にせよ、盗まれたとの逸話が残るとは!それよりも昭和18年に実際にあった窃盗事件を思うと、改めて日記の続きを書かずにはいられませんでした。

と書きました。その後ずっと色々な書物を探し、鶴林寺聖観音立像、それが中空か、そうで無しに無垢の像かを調べましたが、中空・無垢に言及する書物には、なかなかめぐり合えませんでした。

過日一緒に鶴林寺聖観音立像を拝観した仏像愛好仲間にも、その事を調べて欲しいと依頼しました。

そんな中、過日の東京国立博物館、ボランティアさんたちに説明していまし学芸員にも金銅仏展示の場で、「鶴林寺聖観音立像は、無垢の像と聞きましたが、本当ですか?」と聞きました、学芸員、答えて曰く「大きい像ですよね。さほどの大きさの像は、無垢のはずは無いです」と常識通りの回答が返ってきた。

そしてそんなことがあつた後日の或る日に品川図書館(品川区のメイン図書館)に調べに訪れまして、何冊も調べる内に、禁帯出のB5で5センチ厚の大型本に出会ました。編集・発行 奈良国立博物館 『観音菩薩』 昭和56年3月発行。その題名の大型本、そこには多くの観音像が掲載されてまして、案の定「鶴林寺聖観音立」も掲載されていました。

鶴林寺聖観音立像の解説の骨子は法隆寺・夢違観音のシンメトリー性に比して、腰を右に捻り、下半身が左地側に向く、天衣が右脇の外より左に渡り、それを左手で取る体勢は動きがある。以前より阿弥陀三尊の左脇侍像の推測も否定しきれない。
蝋型鋳造で組成は純銅に近いであろう、台座の返花いかが後補、また右手先や天衣の遊離部など部分的に後補が見られる。★【本体は殆んど丸吹きに近く、したがって像はすこぶる重い。】しかし、像容は軽快で、目鼻立ち、衣文も入りが浅く、軽妙な趣で統一され、特に裳の折返し部の襞皺などいかにも動きにとんだ変化を見せる自然な表現をする。上代の金銅仏中 特に注目に値する像である。との内容でした。

ここについに「本体は殆んど丸吹きに近く、したがって像はすこぶる重い。」の一節を見い出しました。

初めて、この像が無垢像と教えていただけたのは木原先生でした。私が今年の年度替りに通い始めた市民教養講座、正しくは船橋市社会教育団体登録 教養講座 「仏像の見方」 二和教室の講師 木原先生です。先生は凄い!

【次日記に続く】