12月1日 仏像鑑賞会 報告 【その1】
Ninoさんが、レポートを纏めて メールしてくれました。 遅ればせながら ブログに 12月度の定例 議事録に代えてブログに掲載します。①
12月1日議事録①
- 腰のひねりが印象的:これはインドから伝わった手法=三屈法(三曲法)=トリバンガが採用されている。我が国仏像の三屈法は 中国の唐時代の仏像からの影響と思います。
「首・腰・膝」を交互に折り曲げ、動きのある美しさを際立たせる手法のこと。アジャンタの石窟の壁画でもっとも有名な「蓮華手菩薩像」などにも見られる。
日本に渡来。飛鳥時代の仏像だけは直立だが、その後奈良時代からはほとんどの仏像に採用されている。
三曲法(さんきょくほう)とは菩薩像などが首と腰をひねることにより、頭部、上半身、 下半身がそれぞれ異なった角度に表現されることをいいます。 インド美術のトリバンガに由来し、その作例は二世紀あるいはその以前からみられます。
- 鎌倉時代彫刻はリアリティを求めた。生身仏と呼ばれるリアリズム追及の技法の仏像。それにより、玉眼などが盛んに成った。
- リアリティ追究の一環として、足裏の法輪などの仏足紋の邪魔をしないように、枘の代わりに金属製の鉄芯などで蓮肉に設置してある作例が多い。(この像が該当するかどうかは不明、蓮肉と足裏の隙間が窺えるので、枘でない鉄心構造でないかと推測する。)
- 前の時代は瓔珞なども乾漆だったり、木調だったり、本体の一環として表現されてきた。鎌倉時代は金属を多用。主に銅板製の瓔珞を付ける。髪の毛にも垂髪などにも銅板が使われる。冠も木製から、金銅製に成ってきました。
- 踏み割り蓮華 足を一歩前へ進める表現。衆生のもとへ向かう。体も前傾し、脚を踏み出し重心の移動で蓮華が割れているのであって、この蓮華座は二つの蓮華なのではない。
- 髭が生えている。観音菩薩は男性。仏教では男性でなければ悟れない。女性が救われるためには一度生まれ変わって、男になって、それから。プロセスが余計に必要。変成男子(へんじょうなんし)
- 敷茄子とは? 華盤(けばん)とは? 反花(かえりばな)とは? 下の部分は框(かまち)。(ネットで検索した所、以下の写真が見つかりました。正しいかどうかはわかりませんが、ご参考まで)
- 蓮華坐の基本は上向きの 仰蓮ぎょうれん であるが、下向きの 反花かえりばな と組み合わせて二段としたものが多い。日本や中国では、時代とともに仰蓮と反花の間に 敷茄子しきなす を重ねたり、最下段部に 框かまち を付けるなど装飾性が増し、複雑化した。九重の蓮華座の花弁の様子は上から上向きの 仰蓮(上向きについた蓮弁,すなわち受花)、華盤(水平に開ききった花)、反花(下側へ反転するように開いた蓮弁)の順に重なっています。これは蓮の時間的 変容を現してます。 無常の教えでしょう。 その内の華盤が,尖っていて・・・、花弁かどうか気に成るところです。敷茄子は何の表現なのでしょうか?一般の花なら種子をつくる子房に思えますが、ハスの種子が出来るところは、その形状を蜂の巣に似るところの花托で、蓮華坐においては蓮肉と呼ばれる部位です、さすれば敷茄子は 単なるデザイン?
今回の勉強で、新知でしたのは、框です。框とは物の周辺部を形成する縁でして、蓮華坐に於いてはデザイン化された単なる縁部分としか理解なかったのですが、今回 ある論説に、 蓮華坐の框は 蓮華の下に在る蓮池の 水面を現していると聞きました。
なるほど・・・、です。
【続く】