孤思庵の仏像ブログ

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Takさんからの投稿8/24 台風20号にもめげず奈良行きで、情報入手。

Takさんからの投稿8/24  台風20号にもめげず奈良行きで、情報入手。
           

大型の台風19号、20号が四国、関西方面を直撃し、鳥取方面に抜けたこの数日、一番風雨が厳しいといわれた時期に数日間(22日~24日)にわたって奈良行きということになりました。それでも私の日頃の行ないが良かったのか、幸いにも昨日823日(木)の夜間から24日の早朝まではかなり激しい風雨が奈良市内も吹き荒れたようで、ホテルの窓にも雨音と風音が吹き付けていましたが、西側に進路がそれて行ったので、今朝・24日(金)は嘘のようにアッケラカンで、街中はゴミ箱や看板、自転車や紙くずや木枝などがそこかしこに散らかり、風雨の激しかった跡が残っていました。心配していた雨にも降られず傘もささずに済みました。新幹線も予定通りスムーズな運行状況で、あまり混雑もなく空いた車内でゆっくりと、今夜(24日)19時に帰宅しました。
 
鳥越俊行・奈良国立博物館保存修理指導室長からの情報(824日聴取)
氏は、奈良博の保存修理指導室長という役柄で、奈良博で最近新規導入の「X線CT装置」についての責任者として、活用情報などをご紹介いただいた。その中で聴取した情報。像高約2m程度の大型造形物・仏像の立ち姿のままでのCT装置による調査分析が出来るようになり、格段の文化財維持修復解析に活用が拡大したという。昨年機器導入前後でも以下の通りの状況。
 
12009年頃から昨年までの「興福寺八部衆・阿修羅像のXCT装置による像態精密調査分析」の当事者として、昨年の東京・奈良での調査報告会・シンポジウムの詳細分析結果報告を、まとめて出版する。当時の調査は既設の九州国立博物館の大型CT装置を使用した。
図書出版: 表題『阿沙羅像のひみつ』 朝日新聞出版・朝日選書(新書版の一回り大サイズ) 1,700円 825日発刊予定。
私が先生から明日発売の1冊をお借りして手に取って見たところ、カラー写真や図解、グラフなどが多く、ページ文字は詰め過ぎず平易に書かれており読みやすい印象。共同執筆者に、昨年シンポジウムでの矢野健一郎氏、山崎隆之氏も。明日(25日)に最寄りの書店(有隣堂)に出掛けて店頭販売されているか、確認したいと思います。 
昨年は関係者が共同で興福寺八部衆像」8体のCT調査を、奈良博設置直後のCT装置で調査実施した。合計3日間の調査作業で、阿修羅像重点に調査に半日強、その他7像に各々数時間調査を実施した。その結果も一部上記書籍に情報提供している。 
 
229年春の奈良博「快慶展」に合わせて、仏像その他を3年前から調査分析の検討・準備を進めてきた。その結果、H294月・奈良博導入のCT装置その他を利用して、「快慶展」の休館日や閉館後の時間を利用し、約1か月間で合計54件の出展品を対象に計画し、了解が得られた仏像の多くを調査分析した結果、3342点の仏像を調査分析を行なうことが出来た現在解析中で、詳細が判明した時点で順次、所蔵先への報告、学会・紀要(「鹿園雑集」ほか)への順次発表、展示会等の開催を検討、準備するとのこと。一時には発表が大変なので、時期を区切って数回に分割しての発表報告になるかもしれないそうです。
具体的には、奈良博研究紀要誌「鹿園雑集」の次回号(H313月~4月発行予定)に概要を掲載する予定
 
3.奈良博「鹿園雑集」第17号・18号合併号(H291月発行)に掲載の「奈良・法華寺文殊菩薩騎獅像」胎内CT画像調査記事掲載。及び今年5月に奈良博・仏像館で菩薩像と画像パネルを展示した。その後の仏像調査の追加報告を検討中。仏像頭部内には火焔宝珠形舎利容器、水晶製宝珠舎利容器他30点の収納品あり、胴体部には木製経筒、経巻、冊子状及び巻子状納入品他約150点の納入品あり。この点数調査は鳥越室長が画像を見ながら数量と品名チェックしたそうです。首掲誌には掲載が出来なかったCT画像の断面、拡大画像などの詳細を報告出来るようにまとめているそうで、現時点では発表予定は不明。でもしばらく前に奈良博・岩田茂樹先生に伺ったように、CT画像などの詳細を追加発表がありそうです。
 
寺島典人・大津市歴史博物館学芸員からの情報(822日聴取)
ご本人の言です。『昨日21日に京都方面のそれなりに名のある寺院で調査した結果、阿弥陀三尊像の中尊・阿弥陀如来像には足枘なし、かわりに鉄芯入り。脇侍菩薩像の足枘に「仏師行快」墨書銘あり。ほやほやの調査結果を近日中に発表したい。これまでにも立像で「足枘なし、かわりに鉄芯入り」の作例はありましたが、脇侍像に「行快」銘は予想外でした。』とのこと。
寺島先生には久し振りにお会いしました。ちょうど「大報恩寺展」間近いこの時期に朗報です。きちんと整理したうえで発表、あるいは展示公開も考えて欲しい。寺島先生に幾度かしつこく問いただしたものの、結局寺院名、場所、仏像詳細についてはお茶を濁されました。
 
今回の「奈良行き」では、奈良博・内藤栄学芸部長、藤岡穣・大阪大学教授、金子啓明・日本大学客員教授、には残念ながら直接お会いしてお話しを伺うことが出来ませんでした。「奈良行き」の様子は別途。
久しく皆様にはお会い出来ていませんので、次回の集いには必ず伺いたいと思いますので、よろしく。
 
2018824日 PM2200  Tak
 

Takさん、本文中の文字青色は 孤思庵 の独断で着色させて頂きました。 不都合の節はお申し出ください。