孤思庵の仏像ブログ

少し深くの 仏像愛好のブログ続けてます、オフ会に集ってます、貴方も如何?

Takさん よりの 仏像無関係なお便りです。

仏像愛好の集メンバーのTakさんからお便りが届きました。 ブログに転載します。



暑い日が続きますが いかがお過ごしですか? 今日もまた仏像無関係なお便りです。
 
 
1.「ツバメの雛」
私は、最近出掛けた際には、決まって近所のツバメの巣に立ち寄ります。しばらく前から、雛の餌をねだる様子を見たり、親鳥が餌を咥えて雛の許に帰ってくる様子を、しばらく見学しています。毎年、この頃には、早朝の奈良で、東向き商店街交差点にある南都銀行の建物近くの商店軒下のツバメの巣の様子を気にかけていましたが、今年は伺っていないので、どうなったことでしょう。
 
近所の民家ガレージ軒下のツバメの巣です。この時期は、家主はツバメの親子の為にガレージのシャッターを一日中開放しているのでしょう。覗き込むと4羽の雛が確認出来ました。カメラを構えたら、先程までしきりに飛び廻っていた親鳥は、警戒して雛のところに餌を運んでこなくなりました。雛の大きな口を開けた姿が撮影出来ませんし、雛のさえずる声も聞くことが出来ません。親鳥は様子を見て、人気が無くなってからまた餌を運んできます。また雛のさえずりが賑やかになりました。通りの電信柱に停まって、心配そうに雛の様子を見ているのでしょう。雛の窮屈な巣の様子からは、もう巣立ちか、と思うのですが、何時頃に雛は巣立ちをするのでしょう。いつの日にか巣がもぬけの空になるのは分かっていますが、それはそれで寂しいですね。自宅前を飛び廻り、眼の前の電信柱や電線に停まっているツバメも、何処に巣があるのでしょう。

 
2.「没後40年 幻の画家 不染鉄」展 に行って来ました。
714日(金)午後に野暮用の帰りに、東京駅まで足を延ばし、奈良でお会いしたサンスクリット女史と親しいカフェのお友達から戴いた優待券を利用して、「不染鉄」という画家の、東京で初の回顧展とやらに行って来ました。東京駅が新装なってから出かけたのは、初めてで、駅舎内をいろいろと観て廻りました。北口ドーム内の改札口近くに、「東京ステーションギャラリー」という美術館の入り口があり、3階までEVで上がり、展示会場は32階と階を巡ってくるレイアウトです。前日に少し予習をして、予備知識を頭に入れて行きました。不染鉄は、明治24年生まれで、東京・小石川の「円光寺」住職の子として誕生し、名は哲爾、号は鉄二と称した日本画家です。浄土宗の学校で学んだ後、日本美術院研究生となります。写生旅行で訪れた伊豆大島式根島で、漁師になることを思い立ち、3年間、漁村で生活をします。その後、27歳で京都の絵画専門学校(現・京都市立芸術大学)に入り、本格的な日本絵画の勉強をして、首席で卒業します。在学中に「第一回帝展」に入選をするなど、画家として将来を嘱望されたが、卒業後は奈良で図画教師として、日常の身近な家屋や街並みなど風景を中心に描くこととなります。戦後も一般の画壇とは隔絶し、一人で飄々と好き勝手に作品を描き続けたそうです。昭和51年直腸がんで亡くなった後、21年前に、奈良市内の美術館で1回だけ回顧展が開かれたそうで、その後は画廊で数回、小規模な遺作展が開かれた模様です。もちろん東京では初めての大掛かりな回顧展だそうです。初期の作品は、山水画のような雰囲気の自然描写と、極細の筆を使った多くの農家や漁村の家屋のたたずまいが、地味な沈鬱なタッチの色彩で画面全体が覆われ、極端にそそり立った富士山の姿や、水墨画に真似たような峩々たる山岳地帯や富士山の大らかな描写が好対照で、それでいて竹林や紅葉に染まった樹々が、葉っぱの一枚一枚までが、克明に手を抜かずに描き込んであり、墨の一筆で描かれた家屋には、ほのぼのとした様子や、寒々とした空気が醸し出され、多くの作品に描かれた家屋には、屋内で生活する人々の姿が、見落としてしまうほどに小さく、それでいて一人として同じ姿でなく描かれています。部屋の障子に映る人の横向きのシルエットや、部屋で裸になって腹ばいになってくつろぐ姿、テーブルを挟んで二人で談笑する姿、風呂場の窓から裸で外を見ている姿、土間で作業をしている姿など、雰囲気で男女が分かる程度に簡略に描かれており、蒸気機関車と駅舎には、ちゃんと帽子をかぶった駅員や機関車の運転手や、客車には大勢の乗客がくつろいで乗っている姿や窓辺にもたれてくつろぐ姿など、あまりにも小さい描写なので、顔の目鼻などは描かれず、輪郭だけが極細の筆で描かれています。大きな画面に描かれている登場人物は数人がせいぜいで、一瞥しただけでは、人物は描かれていないも同然です。遠方の山岳地帯から中央の富士山、手前の漁港や灯台、波間に描かれる海底・海中の魚の群れなど、現実にはあり得ないものでも、さりげなく画構成に溶け込み、不自然さを感じないような、ジオラマを見ているようで、昔の田舎の様子がほのぼのと描かれています。奈良に移ってからの作品には、「薬師寺東塔」、「東大寺大仏殿」、「唐招提寺金堂」などが好んで描かれており、特に薬師寺東塔などは、その細部にわたる描写は、他の作品の描き方とは違った克明さが出ています。東塔の背後に大仏殿が樹海の先に浮かんでいるように描かれているのは、幻想的です。「落葉浄土」なる作品は、背後に墨で黒く塗りつぶしたような、小高い山並みが重く沈み、中央に寺院のお堂と右手にそそり立つ、銀杏の大きな幹がすっくと立ち、その姿は全身黄葉の葉を纏いひときわ輝かしく、そしてお堂内には本尊、脇侍、天部、明王像が横一文字に立ち並び、門前には仁王像が阿吽の形相で立ちはだかる姿と、土塀には六地蔵が並ぶ。全体に灰色と黄葉の黄色だけの画面に、すべて白地に細い墨線のみで、仏さまと明瞭に判る景色が描かれている。お堂横の庫裡には、親子と思われる大小の座して向かいあう二人が、気が付かない程に描かれている。これは昔の不染鉄と父親の姿を描いているとしか思えない。その後の作品は、時代の流れに自棄的な面が出ているのか、「廃船」などに描かれる重苦しい、戦後の喪失感と虚脱感が色濃く出ている作品もある。廃船の前方に描かれている家屋には、人が住んでいないかのような空気が漂うが、よく見ると数か所に小さく洗濯物が干してある情景も描かれ、画面内にはヤギらしき四足動物23頭がごく小さく、見過ごすほどに描かれているだけで、画面の中に人物は描かれていなくても、呼吸をしている人がいることを、観る人に知らせようとしています。また、海や漁港の自然の描写には、白い帆を張った木造の小さな漁船が数艘描かれているが、漁師が独りぼっちだったり、静かな活気のない漁の様子だったり、また必ずと言ってよいほどに、画面手前の海の描写には、海底や海中の様子が描かれて、魚やサメ、カニ、タコなど、俯瞰している画面構成からは、決して描かれない生物が克明に描かれており、波の表現の仕方も線描であったり、「若冲」風の墨の滲み、濃淡で描くなど、変化と工夫をしている作品ばかりです。妙味は、見えないはずのものも、見通して遠近をくっつけてしまう不染鉄の独自の世界観を垣間見ました。そして、初期の作品から、晩年の作品まで、画面の大小を問わず、淡い色調の画面の随所に、不染鉄の気負わない優しい、その画面の解説をするように、小さな細い文字で、読み取れないほどに、自分の言葉が書き加えられています。この文章を一つ一つ読んでいくことに、私は多くの時間を費やしてしまいました。でも穏やかな不染鉄の気持ちが、端的に表されているようで、、見落とさないように画面を辿って、文章を探しました。入館者のどれだけの人が、これほどに克明に拾い読みしたでしょうか?展示会場の最後に、知人や仲間などに書き送った各地からのはがきには、不染鉄の特徴のある画調、色調の絵が描かれているはがき全面に、ビッシリと文章が、読めないくらい小さい文字で書き込められており、はがきを受け取った相手は、よくぞ読んだものだと、感心させられてしまいました。縦横2メートル四方もの大判の作品から手札版まで、画面一杯の克明な精細な画構成に、細かい文字の構成は、よっぽどの根気と集中心が無ければ出来ないことなので、彼の精神力に脱帽しました。
因みに、展覧会は、「東京ステーションギャラリー」にて 71日(土)~827日(日) 10001800 月曜休館 入館料:900
不染鉄 作品 画像 https://spice.eplus.jp/articles/124377/images/288207/  この中に「落葉浄土」と「廃船」があります。
 
 
3.映画「関ケ原
627日(火)に、横浜駅・横浜そごうで開催されていた「没後20年 司馬遼太郎展 21世紀“未来の街角”で」に行って来ました。司馬遼太郎の「梟の城」からほとんどすべての小説作品の自筆原稿用紙や時代背景にあわせた歴史資料、取材メモなど、大阪の記念館ではあまり拝見出来ないようなものまで、いろいろと展示されており、じっくりと拝見しました。会場に置かれていたパンフのひとつに、映画「関ケ原」のパンフがありました。当然、「関ケ原」の原作は司馬遼太郎で、パンフには、「司馬遼太郎原作、累計部数590万部超の“国民的ベストセラー”初の完全映画化!!」日本の未来を決した、わずか6時間の戦い。誰もが知る「関ケ原」の誰も知らない真実=監督・脚本:原田眞人氏。とありました。構想25年!日本映画史上、初めて「関ケ原の戦い」がスクリーンに!史上最大のスペクタクル・アクション、遂に登場!! とありました。個人的には、石田三成徳川家康徳川四天王小早川秀秋などの人物の捉え方、伊賀の忍びなど、多くの登場人物の描き方がどのように出来上がっているか、司馬史観の忠実な表現か?大胆な現代調創作か?悩んでしまいます。
826日(土)ロードショウ
 
 
4.「沖ノ島神宿る海の正倉院 写真展
知られざる島の姿と、国宝の数々を写真で展示。 島そのものがご神体である。福岡県宗像市にある世界文化遺産登録ほやほやの史跡。
719日(水)~81日(火) 日本橋高島屋8 階ホール 10301900 入場料:800
 
 
5.「祈りのかたち 仏教美術入門」
725日(火)~93日(日) 出光美術館 10001700 月曜休館 入場料:1,000
 
 
6.「北斎―富士を超えて―」
あべのハルカス美術館(大阪) 106日(金)~1119日(日)10001800(月、土、日、祝)、10002000(火~金)入場料:1,500
大英博物館国際共同プロジェクト
北斎―富士を超えて―」展 HP  https://www.aham.jp/exhibition/future/hokusai/
 
 
以上、3.6.については、時期未定ですが必ず足を運ぶ予定です。
 
2017716日 Tak
 
 以上、 仏像愛好の集メンバーのTakさんからの お便りでした。ブログに転載します。