孤思庵の仏像ブログ

少し深くの 仏像愛好のブログ続けてます、オフ会に集ってます、貴方も如何?

県立金沢文庫ボランティアOG 故Sさんに 追悼

神奈川県立金沢文庫に 孤思庵と一緒に行かれた方、その内の何人かには、ボランティアの女性のSさん をご紹介してましたよね!


もう何年か前の、何展だったかも 失念しましたが、 其処で展示の解説をされて居たボランティアのSさん の懇切で熱のこもった解説に 即、惚れ込みまして、 いろいろお話をさせて頂きました。それが最初で、覚えて頂いたも嬉しくて、、その後も折あるたびに、Sさんの解説の日を狙って 金沢文庫に行っては。名解説を拝聴してました。 やがて電話番号を交換しましたら、今度はSさんの方から、「今、良い展覧会をしているから いらっしゃい」と お誘いのお電話を頂いたり、 またある時には特別展の招待券を頂いて、無料で入場する事も在りなど、いろいろと お世話になりました。 県立金沢文庫 では 折々 講座・講演会をしてまして、その会場でも良くお会いしては、 お話をしてました。 ギャラリートークは何時も、よく勉強されて居て、とても良い解説でした、又、こちらからの浅学。雑学の薀蓄話にも、快く聞いて頂き、大きな方だと思いました。 お年は召されても、上品で美人、にもかかわらず、人柄ご親切であり、大ファンでした。


最近では、昨年秋の企画展「国宝でよみとく神仏のすがた」 や、冬に入っての特別展「忍性菩薩 関東興律750年」でも 解説をして頂きました。 その時に 金沢文庫のボランティア を勇退された事を知りました。 勇退は文庫のギャラリートークはなさらないで、知己には、ボランティアOG として 解説を続けられて居るとの事でした。


そして、ソメイヨシノの開花の日、はがきが届きました。 差出人の、S○○さんに 思い当たらぬまま読み進みました。


母 S ○子儀 去る三月十○日 病気のため七十○歳にて永眠致しました  子供三人孫七人に恵まれ個族を愛すると同時に常に他人様のためにと生きた母でした

地域のゴミ拾いを日課とし 点訳を四十年続行 国からなるべく治療費は貰わない還付金を持ってそのまま寄付に行くような人でした

県立金沢文庫での学びや解説のボランティアのことをいつも楽しそうに話し お客様とのふれ合いが生き甲斐のようでした

二〇一六年度特別展「忍性菩薩」を元気に楽しく終え 抗がん剤治療を勧められた時も生き切ったと延命処置は一切しませんでした

尚 故人の遺志により既に献体して居りまして葬儀の予定はございません また誠に勝手ながらご供物等の儀も故人の遺志により固くご辞退申し上げます

ここに謹んでご通知申し上げますとともに生前中長きにわたり賜わりましたご厚情に心より御礼申し上げます

                                                  敬具          




印刷では在りましたが、句読点の無い文章に 手書きのお手紙を感じました。母君を偲ばれる思いが伝わってきました。

ある時ご無沙汰が続き、心配していました。その後お目に掛かり、お子供三人、内 お一人は、お嬢様でしたか、アメリカでしたか外国のお住まいで、其処へ行っていたと お聞きしたことがありました。 その時、既に病気が発見されて居たので、お会いに行かれたのでしょうか? 

県立金沢文庫の企画展「国宝でよみとく神仏のすがた」 だったか、特別展「忍性菩薩 関東興律750年」の時でしたか、 今となっては最期お逢いと成りました。 その折に 県立金沢文庫のエントランスの 応接椅子でお話しました。病気のお話と延命処置はのぞまない とのお話を伺ったのですが・・・、その時はお元気のご様子で、鈍の私は、深く感じずで、その後うっかりに、ご無沙汰を続けてしましました。 今思えば さりげなくお別れを告げてくれていた様にも思えます。


御子息からのお手紙には 気丈な最期のご様子に・・・、もし、お電話していても、おそらく お目には掛かれなかっただろうと思います。

私とは、県立金沢文庫で 展示解説をして頂いたり、 仏像の話や、忍性菩薩さんのお話に 花を咲かすだけの、趣味の交友でしたのに、 この度、ご丁寧にご通知を頂き、 悲しくも、故人様の配慮、お心遣いには、嬉しさを感じました。 短い間でしたが、 良き方と懇意にして頂いたを 永く心に留め置きたいと存じます。  直ぐにお線香をお送りしたいと思ったのですが、凛とされていたSさんのご遺志に沿うべきと思い直しました。




本当に敬愛申し上げて居りました。ご冥福をお祈り申し上げます。


訃報の御子息の文章まで ブログに載せてと・・・、 御心配の向きもあるかと存じます。 御子息には母君の訃報をブログに掲載して良いかお伺いしました。

下段のご返事を頂きました。

ご返事が大変遅くなりまして申し訳ございません
金沢文庫での解説は生き甲斐として楽しんでいましたので ご支持いただいた事がブログという形で残ることは本人も幸せなのだと思います
掲載につきましては 姉も同意しております
お手紙をいただきましたことで母が本当に幸せな人生を全うしたのだと実感いたしました
ありがとうございました

との、ご返事を頂きましたので、此処ブログに掲載させて頂きました。

あと数日で四十九日がやってきます。 それまで、毎朝、仏壇に線香の時に、Sさんのご冥福をも唱えます。合掌  


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