孤思庵の仏像ブログ

少し深くの 仏像愛好のブログ続けてます、オフ会に集ってます、貴方も如何?

Takさんから のお便り「2月下旬の活動報告」

Takさんからのお便りを掲載します。

【以下 Takさんのお便り文です】

暫く東京を留守しました。昨日は228日(日)夕刻に帰宅しました。
今朝、孤思庵ブログ・日記を久しぶりに拝見しましたが、あいにく私には知見、学識が無く論議に加われません。眼を通してもあまり理解出来ませんでした。手許にも関係する資料や書籍など全く無く、ネット検索しても難しく、先哲の主張や賢兄の説明や学識に、ただただ敬服しています。
 
 
1. 興福寺からの最新情報です。
北円堂特別開扉:   423日(土)~ 5 8日(日)、
          1022日(土)~1113日(日)
南円堂特別開扉:  1017日(月)
五重塔・三重塔開扉: 826日(金)~1010日(月)「国宝特別公開2016
 
国宝館安置の阿修羅像ほか天平時代の諸尊を、平成29年(来年)315日から、仮金堂に遷坐予定。
(遷坐期間及び対象諸尊は未定だそうです。)
 
興福寺文化講座(H28年度分、奈良会場、新宿会場)は、3月中旬頃発表予定。

 
2220日(土)、東京・日比谷公会堂 司馬遼太郎没後20年「菜の花忌」シンポジウムに行きました。
  退場時に、菜の花を2把頂きました。第二部のシンポジウムについては、別途纏め予定です。
 
 
3221日(日)、日本橋奈良まほろば館」にて、大和地蔵十福・法話会「福智院について」講義。
  講師:福智院 阪井慈眼師 
  *師は、私が昨年夏と秋に2度お寺に伺った時に、ご夫婦で懇切丁寧に応対下さった方です。
当時いろいろお話しを伺ったことがあり、またご挨拶することとなりました。
「僧・玄昉」ほかについて、ご説明下さいました。        
 
 
4226日(金)~27日(土)
 ・京都・泉涌寺・「心照殿」寺宝展示 拝観
  泉涌寺学芸員の西谷氏と歓談し、寺院の寺宝修理、保存、研究調査などいろいろとお話しを伺う。
  昨年12月に伺った鎌倉・浄光明寺真言宗泉涌寺派寺院で、西谷氏は浄光明寺・大三輪住職と父親
(竜彦氏)とも親交あり。
  「泉涌寺展」(奈良博開催)、大三輪竜彦氏が企画・主任研究員として責任担当された。
  展示は、厨子入り観音菩薩半跏像、厨子入り大日如来坐像(ともに江戸時代)で、一目で感服しました。
金剛界曼荼羅図(江戸時代)、涅槃図(室町時代土佐国綱兄弟筆)、十二天像(江戸時代、左右隻2幅)、
真言八祖像(南北朝時代8幅)、北斗曼荼羅図(江戸時代・新善光寺蔵)、ほか工芸品、仏具、古文書
など。9:3012:00まで拝観・歓談時間のあいだじゅう、他に「心照殿」を訪ねてくる人がいなかった。
 
 
 ・奈良・東大寺ミュージアム・特別展示「旧眉間寺(みけんじ)本堂の仏像」展示、拝観
  現収蔵庫や勧進所・阿弥陀堂奥の脇檀安置の、阿弥陀如来坐像(平安時代後期)、薬師如来坐像、釈迦
如来坐像(ともに鎌倉時代)の3躯が横一列に展示。3躯が並ぶ姿は、眉間寺時代から約140年振りの
ことという。
  眉間寺は「佐保山」と号し、聖武天皇の勅願により開かれた律宗の寺院で、本堂、観音堂、塔があった
  と「大和名所図会」に紹介されているという。現在の奈良気象台近くで、聖武天皇陵近くの東大寺戒壇
  院末寺で、明治初年廃寺となる本堂安置の仏像が、今回の勧進阿弥陀堂修理の機会に展示となったと
いう。
中央の阿弥陀如来坐像は、約90センチ程の像高で、丸い顔部で伏し目がちな面影で柔和な雰囲気と浅い
彫りで衣文の数の少ない、定朝様と云える。不明確ながら玉眼の造作がされていることが分かった。
肉厚の薄い312枚の蓮弁が、全周に廻る蓮華台座と重厚な台座下部もしっかりした造りで、衣文が蓮
華の反りに合った形で台座に流れ、像の前処置も鮮やかな雰囲気だ。腹部から膝部の衣文には、松葉状の
枝分かれした彫りの変化をつけているのが、目立った。
学芸員の話しでは、江戸時代の同寺本堂安置の墨書銘文(台座?)があるという。他の2躯も同じほどの
大きさの坐像で、さすがに造像時期の違いからか、彫りの緻密さやシャープさ、膝部の肉厚などの量感、
胸部の立体感、肩の張りや衣文の明瞭さなどに、ハッキリとした像態を見比べることが出来た。釈迦如来
坐像は、よく眼を凝らして観ると玉眼であることが分かる。また、胸部の衣文が平行線に流れ、裳懸け
四方台座で、像に比して大きめな台座という感じだ。薬師如来坐像は、八角の裳懸け台座で、胸部では、
衣文が裏返り捲れた波型の処置が目立った。顔部が照明の影の部分に当たり、玉眼の確認が出来なかった。
3躯とも、像全体が金泥という感じで、一見したところ、目立った欠落や欠損などは感じられず、後補
なども不明であった。
展示場所は、梵天像などの先で、以前には国宝になった弥勒仏が展示されていた場所で、3躯横並びで、
拝観しやすかったが、残念ながら場内の照明が暗い感じで、像に影などが出来て、よく鑑賞出来ない面
も多かった。また、折角の像の展示ながら、説明板が小さく説明が少なく、説明不足の感じがした。
  
  また、修二会関係の二月堂本尊光背、練行衆日記、再建指図書、古文書、図絵など展示あり。
 
  奈良国立博物館・西新館 特別陳列「伊豆山神社の歴史と美術」展
  伊豆山神社の「銅造伊豆山権現像」の像表面を覆っていた錆を除去・安定化した修理を行なった機会に、   
同神社にまつわる文化財を展示。伊豆山神社伝来の銅製伊豆山権現立像、周慶作の男神、女神立像など
神像類の展示や「走湯山縁起」も初見。
 
 ・奈良国立博物館・東新館 特別陳列「お水取り」展
  東大寺二月堂修二会の時期に合わせた、毎年開催されている展示会。展示会場中央付近に、二月堂内陣
須弥壇を中心に、堂内が模造再現された手の込んだ造作がある。やはり狭い感じで、練行衆が10数人が
内陣で、五体投地まがいの所作や、韃靼を行なう場所とは思えなかった。「二月堂本尊光背拓本」、「覚
禅鈔」、「類秘抄」、「東大寺縁起」、「二月堂縁起」、「練行衆日記」、「二月堂修中過去帳」(青衣の女人)、
仏画や法具などに加えて、行事執行のための「紙衣」など多くの出展があり、「お水取り」の歴史的な
意味を知らしめる強い意気込みが窺える。残念ながら、「過去帳」の読み上げ音声が無く、期待外れの
点もあった。
 
 
5228日(日)「吉野大峯の魅力」シンポジウム 有楽町・朝日ホール
  山伏問答・法螺貝吹奏、吉野大峯についての講演2題、奇祭・蛙飛び神事、ひとり語り(朗読・松坂
慶子)、
パネルディスカッション(五條・金峯山寺官領、菅谷・橿原考古学研究所長、浦西・龍谷大学教授、
松坂慶子(女優)、田中・世界遺産事業委員会事務局長)の5名。
会場は、有楽町駅前のビル11階だが、駅周辺は「東京マラソン」の応援・見物などいつもの日曜日
以上の混雑だそうだ。
 
 
6.私の主な3月の予定(孤思庵関係以外も含む)です。
 
302日(水) 大学オープンカレッジ (13:00~ 目白)
305日(土) 孤思庵・集いの会 (10:00~ 東博
310日(木) 興福寺文化講座 (17:3020:00 「天平草創期の中金堂諸仏」・新宿) 
311日(金) 「恐竜展2016」 (国立科学博物館 38612
        「海運展」(国立科学博物館 31417
        「ボッティチェリ展」 (東京都美術館 11643
315日(火) 孤思庵・基礎勉強会 (10:00~ 東博
318日(金) 大学オープンカレッジ (10:40~ 目白)
319日(土) 「考古学からみた飛鳥・藤原京の時代」シンポジウム(13:00~ 神田・明治大学
321日(月) 東京アマデウス管弦楽団演奏会 (13:30~ ミューザ川崎シンフォニーホール
323日(水)~24日(木)
        「東寺・観智院展」(320525)、
「滋賀・石山寺・本尊如意輪観音開扉」(318124
329日(火)  東慶寺仏像展」 (鎌倉・東慶寺松が岡宝蔵 2/34/3


以上がTakさんのお便りです。