kanaiさんからの寄稿 Ⅱ 「11.5 都内観仏記」
kanさんからの寄稿 そのⅡです。 「11.5 都内観仏記」
2015.11.5 都内観仏記
2015年東京文化財ウィークでの性翁寺阿弥陀如来坐像公開日に合わせて、この日都内の仏像拝観を計画した。1day都営まるごと切符(700円)を購入する事にしたため、都営線沿線のお寺を何ヵ寺か廻る事にした。残念な事に事前に拝観のお許しを頂いていた、都営新宿線東大島駅が最寄り駅である江東区因速寺から、法事のためとの事で断りの電話があった。今回はJUさん、OTさん、NSさん、私KNの四人でのミニ観仏旅。
性翁寺(しょうおうじ) 西日暮里駅で日暮里舎人ライナーに乗車し扇大橋駅で下車する。日暮里舎人ライナーも都営まるごと切符で乗車できる。事前に地図を印刷したが、NSさんのスマホの案内と照らし合わせて迷うことなく到着することが出来た。
性翁寺には公開時間の9時前に到着。少し待って本堂に入れて頂けた。都指定有形文化財である阿弥陀如来坐像(平安末)は檜材寄木造りの穏やかなお顔立ちの像。衲衣の上に金泥が施されている。伝承では、行基が造った6躰の阿弥陀如来像の余った根元の木で造られたと言われているため、「木余り如来」「根元阿弥陀」と呼ばれている。
拝観者より人数が多いボランティアガイドさんからお茶とお菓子の接待を受けながら、足立姫伝説の絵解きをして頂いた。また、境内の足立姫の墓にも案内して頂いた。事前に準備して張り切っているボランティアガイドさん達なので仏像だけ拝観して帰るわけにはいかなかった。
金蔵寺には学研の「東京近郊仏像めぐり」を見て前々から伺いたいと思っていた。本尊阿弥陀如来立像(鎌倉)は区指定文化財だが、決して京都や奈良の仏像に引けを取らない素晴らしいお姿だった。踏割り蓮華の上にお立ちになり、左肩で袈裟を吊っている。吊った先の衣摺の表現など見飽きない。ご住職が、解体修理した際に期待していたのだが何も出て来なかったと仰っていた。重文にならないのが不思議なくらいの像だが、その辺りが理由かもしれない。
庭にシートを敷いて沢山座布団が干してあったが、昨日ご母堂の葬儀だったとの事。お忙しい時に申し訳なかったが、ご住職は終わったからいいんですと仰って下さった。廊下や棚などあちこちに可愛らしい動物の小物が置いてあった。あんなに沢山あったのにそれが何であるか、皆、覚えていないのがすごい。記憶を集めてみるとカエル、ウサギ、猫が候補に上がった。
源覚寺 都営まるごと切符を有効利用するため、因速寺の代わりにやはり「東京近郊仏像めぐり」に載っている都営三田線春日駅が最寄りの源覚寺に行くことにする。「こんにゃく閻魔」の伝説で有名なお寺。とは言え「こんにゃく閻魔」という名前は聞いた事があったが、伝説の由来も場所も知らなかった。ある老女が眼を病み、好物のこんにゃく断ちをして閻魔王に参ったところ、閻魔王が自分の右目を与えたというものだが、今でも沢山のこんにゃくが供えられていた。
区指定文化財の閻魔王坐像(鎌倉)は閻魔堂に安置されている。檜寄木造りで彩色が施され、玉眼が嵌入されている。伝説のように閻魔王の右目は黄色く濁っていた。子供が見たら怖いだろうと思わせる迫力ある像だった。
【kanさんからの寄稿 そのⅡです。 「11.5 都内観仏記」でした。】
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