孤思庵の仏像ブログ

少し深くの 仏像愛好のブログ続けてます、オフ会に集ってます、貴方も如何?

② 5/2は定例「仏像愛好の集in東博」でした。中宮寺像説明の補填

② 5/2は定例「仏像愛好の集in東博」でした。中宮寺像説明の補填

勉強会の最初はディスカッションを試みました。そこに発言は頂きましたが…、今後も重ねて、論議して行きたく思います。

孤思庵の発表は・美術通史 的 「①飛鳥時代 Ⅱ 広隆寺「宝冠弥勒」(国宝 彫刻の部第一号)と中宮寺菩薩半跏像(寺伝如意輪観音)の考察」と・ ②図像学的 「阿弥陀如来像の我が国における変遷」を予定しましたが、①だけで時間切れと成りました。

その内でも予想に反して双璧とは行かずに、中宮寺菩薩半跏像の方が、価値がありまして、広隆寺像は少なく、殆どが中宮寺像に成ってました。
この様に中宮寺像は飛鳥と白鳳時代の過渡期の作風と云うよりは、その時代に現れた傑作で、白鳳も後期の7世紀後半と見るが大勢で、白鳳期の成熟に、飛鳥の聖徳太子と、法隆寺金堂の釈迦三尊への敬意的な復古と見られる傑作、また飛鳥像に変わって、女性的なのは、太子への女性の信奉から…などと最近傾倒の、金子啓明氏の「仏像のかたちと心」に在る論を借用して述べさせて頂きました。

後で漏らしたことが二点 悔やまれました。一つは他に類を見ない眼の輪郭でした。この像では輪郭を線で描かずに、その直線的な目は切れ長で、眼球は刻まれずに上下瞼の高さに差を付けて輪郭を 盛り上げて作ってある事です。 これが実に朧げで、眉と鼻すじの明瞭な線と相まって、感じ入ります。


もう一つは、中宮寺像は半跏思惟で気付きにくいですが、正面から見ますと実にシンメトリー的で、法隆寺 救世観音や金堂釈迦坐像などで習った二等「二等辺三角形のフォルム」で上昇の意識の崇高性を表しています。そこには前述の飛鳥仏像への敬意と復古が見られるのです!


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大好きな、中宮寺菩薩半跏思惟像に付いて、大きな論点を漏らしましたが残念です。此処に捕捉いたします。
次回は残しました、阿弥陀如来を、一括りではなしに我が国における、其の各時代の阿弥陀執信仰の変遷をその印相の変化で考察してみたいと思います。

詳しくは孤思庵ブログ3月27日付けの①と②の 勉強会 「阿弥陀如来像の日本における変遷」 の配布資料草稿をご覧頂けなすと幸いです。