孤思庵の仏像ブログ

少し深くの 仏像愛好のブログ続けてます、オフ会に集ってます、貴方も如何?

「仏像愛好の集いin東博」の鑑賞会

 毎月、第一土曜定例の 「仏像愛好の集in東博」は7日に行われました。

途中参加、早退有ですが、男性4名 女性6名 の10名のご参集をいただきました。ご参集ありがとうございました。


午前中の総合文化展11号室仏像鑑賞と 別途3名は、開催中の特別展「みちのくの仏像」に分かれての鑑賞会をしました。

みちのく仏像展に向かわれる別途3名には、隣室の階段室にて、同展図録を使い、簡単な見どころを紹介させていただきました。


本科の11号室の展示仏像は前回と同じですが、前回不参加の方には簡単な見どころを紹介しました。


1)吉祥天立像(當麻寺蔵)・・・・・此の光背は時代はあるも、他の像からの流用とキャプションにあります。その根拠を光背に光脚が付いていますので本来坐像用の光背と説明しました。(仲間のMさんから教えてもらいました)
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2)帝釈天立像(大田区蔵)・・・・・通常の宝髻でない丸い髷の異様に注目しました。それと鎧の上の大衣の意味として、高い位の護法神との説明をしました。
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 3)大黒天立像(文化庁蔵)・・・・・ではもとは青黒い身体に憤怒相のインド神だが、ここでは「大黒」と同音に読める「大国」で、ここでは大国主命が混淆した姿です。
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4)毘沙門天立像(東博蔵)・・・・・四天王が邪鬼を踏む意味を天王宮説明しました。 須弥山の”邪鬼(夜叉神)は、 四天王宮”の下の”夜叉宮”に控へ、四天王の命で仏界を防御する存在。

5)弁才天坐像(個人蔵)・・・・・いろいろある弁財天 これは宇賀神弁天。 宇賀神は日本で中世以降信仰された蛇神・龍神の化身神です。宇迦之御魂神(うかのみたま)に由来で、「ウカ」は穀物・食物の意味で、穀物の神です。比叡山の教学に取り入れられ、弁才天と習合、合体化して宇賀弁才天となりましたが、 出自が不明で、経典では穀霊神としての性格が見られないことなどから、宇賀神は、弁才天との神仏習合の中で造り出された神、との説もあるそうです。
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 6)薬師如来坐像東博蔵)・・・・・首は秀作ですが、その下は殆ど後補だそうです。これら木心乾漆像の木心はカヤは使われることが無く、ヒノキその他だそうです。(ゆえに、木心乾漆像は一木造りの祖にあらず、寄木造りの祖と思う…)の解説をしました。
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7)阿弥陀如来坐像及び両脇侍立像(西光院蔵)・・・・・これは来迎印の阿弥陀で [往生時に来迎の阿弥陀]です。

8)阿弥陀如来坐像(法隆寺蔵)・・・・・これは説法印の阿弥陀ですから 7)との意味合いの相違の[極楽の教主の阿弥陀]です。
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9)毘沙門天立像(道成寺蔵)・・・・・この像は骨格破綻が甚だしい。 この像はじめ護法着甲像の鎧…中国鎧を独特に日本ナイズ 獅噛(帯喰・肩喰)の意味を解説しました。
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10)広目天立像(勝常寺蔵)・・・・・ 「みちのく展」の双林寺の二天王像と同じように、甲冑の前立が天衣の後ろを通り、先端が天衣手前に跳ね上がる処理の様式が共通してます。(これもMさんより指摘されました。)
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11)不動明王立像(東博蔵)・・・・・玉眼に改造のため面部を作り替えています。
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12)十二神将立像(曹源寺蔵 )・・・・・護法神将は儀軌が自由ですので、これらの鑑賞としては、各神将の姿勢を読んで、敵の位置を想像するなどで楽しむが、お奨めです! 
十二神将のその十二の数は、薬師如来の十二誓願にちなむそうです。
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★ 尚、2)帝釈天、4)毘沙門天、12)十二神将の位の相違が、衣・邪気踏まえ・岩座などに意味づけされているの説明。大智度論などに依りますと、帝釈天は須弥山頂の忉利天(とうりてん)の主で、中腹の四天王宮の四天王は、帝釈天支配下、その下界に夜叉宮が位地して、そこに控える邪鬼(夜叉神)は、四天王の命で仏界を防御する存在。そして十二神将は(夜叉大将)とも呼ばれる様に邪鬼(夜叉神)の員だそうです。




 11室・みちのく仏展の後、簡単に東洋館でインドでの仏像の黎明遺作を見て、東洋館の仮設ラウンジで皆で昼食を採りました。

午後は台東区生涯教育センターに場所を移し「勉強会」ですが、その分の報告は次の日記とします。

◆参集の皆さん、是非に感想などのコメントお寄せください!



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