孤思庵の仏像ブログ

少し深くの 仏像愛好のブログ続けてます、オフ会に集ってます、貴方も如何?

藝大 修復彫刻研究報告発表展 終了 【追記】

 
前回の日記「藝大 修復彫刻研究報告発表展 終了」に思い出したことがありましたので、追記をします。

岩手県天台寺の鉈彫りの聖観音立像 縮小摸刻
 
           【参考画像】 岩手県天台寺の 鉈彫り聖観音立像 オリジナル→
 
 
を同じ桂材で60%の縮小の摸刻をしてます。ここで鉈彫りが紹介されてました。鉈彫り仏像ファンには周知な事ですが、未完成での鑿痕でなしに完成後 にわざわ施されたとの説明に終わってましたが、中央の仏師作の仏像とは相違の山岳宗教の行者の造像で、神木、霊木を対象に彫られ、其の樹より仏を彫りだしたとの精神が在ることまで言って欲しかったです。てその霊性を損なわない為内繰りは なされません。

鉈彫り仏は霊木を彫るが主眼の為、彫刻的に良い材料を選べずで、洞や節などが存在しているものが多く、
たまたま、今回の摸刻桂材にも右脛部分に節目が出たのを 製作途中の写真で見ましたが、それは取り去られ、綺麗に埋木で修正されてました。本来の鉈彫り仏ではされない事と思います。

しかし摸刻と云う範疇では原像に近くが優先されたのでしょう。

しかしここでは内繰りの無い一木造りに干割れを事前に想定予期し、あえて裏面に人為的に楔を打ち込み作っておくことでした。建築の柱の背割りと同じ考え方です。鉈彫り仏を含むそうした一木造りにそうした技が施されていたとは知りませんでした。最近入手の欲しくて居た東博特別展「仏像 一木に込められた祈り」の図録を最近頂けましたので、それらを含め一木仏 勉強したいと思います。


摸刻に続く、修復の方では

千葉県 那古寺 阿弥陀如来坐像 修復
 ↑【パンフレットの表紙を飾る 千葉県 那古寺 阿弥陀如来坐像】
 
ここでは 釘穴鎹穴への釘打鎹打ちはそのまま打たずに補填新材を嵌め込み それに打ち込むなどを教わりました。

また、この像は元は彫刻であったを後に玉眼に改造されていたそうで、今回、彫眼に戻した修理もしたそうです。 以前に内刳 の無い像に玉眼の改造を観た事があり,頭部を割り剥いだり、面部の身を欠いて改造などを知ってましたが、このケースは寄木の玉眼改造で、それは像厚が薄いので、其の部分のみを剥ぎ取り その穴に外から新たな玉眼を嵌入してあったそうで、今回もその玉眼を外し、その穴のサイズで作った補作の彫眼を、取去られた穴にはめ込み、刻苧(こくそ)漆で修正したそうです。

これは寄木造りの玉眼への改造勉強に為りました。

 
 この発表展に行かれた同志は、是非に感想文を寄稿下さい。また3日の「仏像愛好の集」の際に感想をお述べください。

物言うは勉強に為りますぞ!