孤思庵の仏像ブログ

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薬師寺東京別院縁日での 涅槃会に関する法話

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涅槃会に関しての薬師寺山田法胤管主法話を拝聴しました。

今日2月15日(古くは陰暦)は釈尊が入滅された日で、多くの寺院では涅槃図を掲げ、『仏遺教経』を読誦するそうです。
 


12日の本尊薬師如来定例縁日伺いましたら、涅槃図が掛けられ、この度の薬師寺東塔の解体大修理時に、心柱の先端に埋め込まれた江戸時代の木箱 から舎利容器入りの御舎利が見つかったそうで、その御舎利も奉安されて居ました。
中の舎利は玄奘三蔵がインドから伝えた可能性があるという。1767年に書かれた「法相宗伝来肉舎利縁起」によると、玄奘三蔵はインドから赤い舎利を持ち帰り、著者の僧、基辧(きべん)に伝わったとの事で、その赤い舎利と思われるも木製で水晶板付の舎利容器の中に間近に見る事が出来ました。23日も薬師寺東京別院での写経会には奉安されているそうです、お問い合わせください。 

 
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創建時東塔の心礎には舎利を納める穴がなく、奈良時代の当初は西塔に舎利を納めたらしいです、その西塔は室町時代に焼失(昭和に再見再建)していて、片方の残っている東塔に舎利を収めたいとの願いから、明治期の修理の折にかに、心柱を加工して玄奘三蔵以来の由緒のある舎利が選ばれ納入されたのではないかとの推測が、舎利容器の収められていた木箱墨書などから為されているそうです。
  


その日の山田法胤管主法話は、その舎利を枕に、昨年来予告の唯識論から、本年のテーマは「仏伝物語」に変更に成りました。薬師寺東京別院ではすでに 唯識特別講義『唯識三十頌を説く』が松久保秀胤長老により続いていますので、遠慮して変更されたのでしょう、とても平易にユーモアで説かれる山田法胤管主唯識論も聞きたかったです。 
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まず今日の「仏伝物語」の法話は悉達多(釈尊)周囲の系図を資料に配り説明されました。

概要は知っていましたが詳しい話に知識が深まりました。

天竺は知ってましたが当時の中国の呼び名は震旦、そして我が国は《日の出る国の意から》異称に日域(じついき)ともあるそうです。

悉達多の時代(紀元前5~6世紀?)の印度は十六国時代で多くの国が乱立していたそうで、その東北部にコラーサ国が在り、その勢力下に小国のシャーキャ族のカピラヴァースト(カピラ城)はあったとの事です。カラーサ国の南にマガダ国が在り、そのマガダはカーストが緩い野蛮との意味の蔑称の様です。

そして配られた資料には悉達多の周辺の系図が在り、解説を受けました。以下自分なりに調べながらをアレンジ列挙してみます。


【父方・カピラ城系】

別成王:悉達多の5代前の先祖 

師子頬ししきょう王:悉達多の祖父

浄飯王(シュドーダナ):悉達多の父

羅睺羅らごら:悉達多と耶輸陀羅の子      

難陀:悉達多の異母兄弟(父浄飯、母波闍波提)・結婚式後、釈尊の後を追って出家仏弟子となる

白飯(王):悉達多の叔父・浄飯王の弟

斛飯こくぼん(王):悉達多の叔父・(五比丘)摩訶男まかなん、(十大弟子阿那律の父(五分律の説)

甘露飯(王):悉達多の叔父・(五比丘)摩訶男まかなん、(十大弟子阿那律の父(大智度論の説)

甘露味(女):須波仏陀の妃・耶輸陀羅の母


摩訶男まかなん:悉達多の従弟・(五比丘の一)・斛飯の子(五分律の説)・甘露飯の子(大智度論の説)・阿那律の兄

阿那律:悉達多の従弟・(十大弟子の一)



【母方・コーリ城系】

摩耶:悉達多の実母

波闍波提ハジャハダイハジャダイ:悉達多の養母・摩耶の妹・浄飯王の後妻・難陀の実母

須波仏陀:悉達多の妃 耶輸陀羅の母・耶輸陀羅の母・(最初の比丘尼

阿莵釈迦アヌシャカ:摩耶・波闍波提・須波仏陀の父

耶輸陀羅ヤショダラ:悉達多の妃・羅睺羅の母・須波仏陀の娘

建遮那:浄飯王等の母・師子頬の妃・提婆陀訶の娘

提婆陀訶:阿莵釈迦の父・浄飯王の母方の祖父

白飯:叔父(浄飯王の弟)



以上の系図は、『佛本行集経』賢劫王種品・第三などによると思われます。概要は知るものの此処まで詳しい話に勉強に為りました。

上記系図で、カピラ城とコーリ城との間には幾重もの姻戚関係が在るを知りました。



次回3月の12日の山田法胤 法相宗管長・薬師寺管主法話は 頂きました資料より、
釈迦八相・二大供養・頭北面右脇臥・四大佛蹟・衆聖点記の様です。

                                             以上