孤思庵の仏像ブログ

少し深くの 仏像愛好のブログ続けてます、オフ会に集ってます、貴方も如何?

飛天と雲中供養菩薩の相違

飛天と雲中供養菩薩とは同じでは無いと云ったために、日記にその事を書く羽目になりました。まだ分からないのですが考えながら書いてみます。
 
昨年の暮れに、サントリー美術館でやっていました「天上の舞 飛天の美」展の図録は求めてないのですが、おそらく区別の説明は無かったのでしょう。ですから同じと思う人が多いはずです。
勿論、多くの場所で混同されているでしょう。ですので同じと云っても差支えないのですが、図像学に興味の私としては 菩薩と飛天を含む天人とは 分けるべきと考えます。共に極楽浄土で阿弥陀如来に供養するという職務は同じですが、菩薩と天部とい、グループが相違します。よく位が違うと云われますが、ランクの違いと云うより役目の違いと言って来ましたが。楽器を持つ雲中供養如来と同じように楽器を持つ飛天、これでは役目の違いとの説明は苦しいですね。
 
考えますに、
まず飛天とは飛ぶ天人 これは自分の翼で飛もの、羽衣を活用して飛ぶもの 両方あるみたいですね。
そして天人の一種だと思います。天女と思う人もあるでしょうが飛天は女性に限らないようです。
天女が出ましたので、天人には男女が在るのです。これはまだ欲界に居る天人の場合です。
 
欲界に居る天人と云いましたがその欲界とは六道世界の事で、其の最上に位置しているのが天道なのです。天道も欲界の内なので、男女の別が在り、長い寿命とは云えそこは無常の世界ですから 五衰が在るのです。そして死も訪れ、六道の輪廻の内ですから、六道の何れかに生まれ変るのです。
 
そして如来に帰依する者は六道の輪廻から解脱して帰依した如来の浄土に往生が出来るのです。もはや浄土は無常の世界ではないので、寿命もなく、輪廻も無いのです。人道から托生した天人は男女の別が無くなっていますので其処には天女は居ません。そこでは如来の説法を聞き如来に成るための修行生活をするのです。
 
六道の天道のOBのもはや無常の変化から解き放たれた天人が浄土に居るわけです。 人道からの人間OBも居て、浄土の如来の説法を聞き、今度は自ら如来に成るための修行をするのです。
 
解き放たれた天人が浄土に居る天人なわけですして、その浄土の教主の如来為に供養するために、あるものは天蓋を持ち、ある者は散華をして、ある者は花輪をささげ、ある者は楽を奏するのです。そして飛びながらこれ等で供養する天人が浄土の飛天なのです。ですから浄土に居る天部の一種です。
 
一方 似た様に如来に供養するに菩薩もいるのです。ここに直接関係無いかもですが…来世 では如来となることが約束されている「一生補処の菩薩」の観音や勢至の様な仏に近い高名な菩薩もいれば、菩薩が修行して得られる菩薩五十二位の中のまだ初級クラスの菩薩もい居るはずですので、・・・中には楽器を奏する菩薩もいるのでしょう。
しかし、初級の菩薩と云えど、修行の進んだ方が菩薩ですから浄土に托生した住人の飛天達とは、積んだ修行が、その位が違うのでしょう。
 
でも仏教美術上では混同される傾向でもはや厳密な相違は崩れて来ているのでしょうが、 鳳凰堂の欄間壁面に掛けられる雲中供養菩薩と舟形光背に配された飛天とには違いが存在しています。
 
光背が供養菩薩には付いて居るのに舟形光背の飛天には在りません。丸く形どった物が頭部の周囲に在りますがそれは天衣=羽衣です。
 
ここ鳳凰堂のそれらは差が少ないのです。条帛を双方が着けって居ますが、、一般に飛天の方には条帛で無いもの多く、此処では共に雲に乗りますが…、一般的には来迎阿弥陀の二十五菩如くに薩眷属の菩薩は雲に乗り、飛天は泳ぐように自ら飛ぶものが多いです。
 
例外も多く御不満でしょうが、いずれにしても卑しくの菩薩たると天部の所属の飛天とは、私としては一緒にしたくないのです。
 
今度皆でこの件をディスカッションしてみます。結論が出ましたらまた日記に書かせてもらいます。
 
 
 
 
 
 
また鳳凰堂の雲中供養菩薩は菩薩名では無く北と南の何番と名付けられています。来阿弥陀迎聖衆の二十五菩薩にはそれぞれの菩薩名が在ります。雲中供養菩薩は当初から名無しだったのでしょうか? 
 
雲中供養菩薩五十二躯の内に僧形が五躯在ります。 皆地蔵なのでしょうか? 僧形文殊の例もあります興味です。そもそも地蔵の僧形は途中の中国で僧形にされたそうです、現に胎蔵生曼荼羅地蔵菩薩は宝髻に条帛の普通の菩薩形です。
 
極楽浄土に居る菩薩が気になります。浄土三部経に、特に阿弥陀経あたりに在りそうですが、読み調べは自分には到底無理です。源信の「往生要集」の読み下し分と訳文とを、友人がウェブに見つけて教えてくれましたので、今度読んでみようかと思ってます。
 
また浄土教に詳しい方はお教え願います。