孤思庵の仏像ブログ

少し深くの 仏像愛好のブログ続けてます、オフ会に集ってます、貴方も如何?

東博運慶展の出品作品リストと美術史分科会での説明予定 (Mさん)

 
運慶展の作品リストが公表されたとの事で、Mさんから紹介のメールが届きました。 ブログに掲載します。
 
 
 

       東博運慶展の出品作品リストと美術史分科会での説明予定 」


東博運慶展の出品作品リストが公表されました(下記アドレス)。これを見て気づいたことなどを述べます。
 
まず、今まで発表されていた内容と比べて大きな変化はありません。今回初めて分かった作品として注目したいのは、蓮華王院(三十三間堂)本尊湛慶作千手観音坐像の光背化仏のうち3体が出ること、横須賀市満願寺観音・地蔵が出ることぐらいでしょうか。
展示替えについては長岳寺阿弥陀三尊が前期、瑞林寺地蔵と浄楽寺阿弥陀三尊が後期、東大寺重源上人が10/7~ということぐらいです。2回行けば全て見られます。
 
92日午前に予定している美術史分科会で配布・説明する資料もこの作品リスト公表により多少見直しをします。満願寺観音・地蔵、清水寺観音・ 勢至は重文指定時の解説コピーを配布資料に追加します。蓮華王院千手観音光背化仏は日本彫刻史基礎資料集成第8巻から説明用資料を作ります(この本しか詳細資料はありません)。興福寺中金堂四天王(康慶作南円堂像)と南円堂四天王(運慶作北円堂像?)の8体全てが出る!ので、これに関する資料(特に藤岡穣の国華、学叢論文や瀬谷貴之美術史論文など)を使い説明します。横須賀市曹源寺の十二神将は今回の出品リストにありませんが、光明院大威徳明王の注文者大弐局との関係があるので、予定通り説明資料に入れ、奥健夫のMUSEUM最新論文の紹介も兼ねて大弐局の生涯を説明します。東福寺多聞天については山本勉のMUSEUM論文(高野山八大童子との類似を指摘)を使って資料を作ります。雪蹊寺毘沙門天興福寺天燈鬼・龍燈鬼などは特に説明資料を作る予定はありませんが、基礎資料集成など関連資料は分科会に持参します。また、高野山八大童子に関する高橋沙矢佳の仏教芸術論文、瀧山寺三尊に関する松島健の美術史論文、運慶の娘如意に関する美術史萩野論文、運慶願経と「女大施主阿古丸」の解釈に関する日本歴史野村論文なども持参します。これらを読みたい方は当日にコピーを取ってください。特に運慶願経・女大施主阿古丸の野村論文はお勧めです。当日は時間がないので如意や阿古丸など運慶の家族に関する話は簡単に紹介する程度に留めます。
 
【以上 Mさんからの 投稿でした】