孤思庵の仏像ブログ

少し深くの 仏像愛好のブログ続けてます、オフ会に集ってます、貴方も如何?

Takさん のお便り

「仏像愛好の集」メンバーのTakさん のお便りがメールで届きました。 ブログに転載します。

【以下 Takさんの文章です】
陽射しの強い日が続き、シャツの腕まくり姿で、外出です。今日は、有楽町の「石川
県ショップ」と、表参道の「福井県ショップ」へ行って来ました。福井県ショップ
は、今まで行ったことのないショップで、表参道駅からの道順を間違えて、方向音痴
が重なり、ウロウロしてしまいました。何か青山というと、私には場違いというか、
別世界のような気がしていました。よくぞ人々が集まるものだと感心するほどに、幾
つもの洒落たレストランやカフェが並ぶ中で、高級ブティックの店などは、店名は
錚々たるものなのでしょうが、閑散としていて、これで高い家賃や地代を払ってまで
儲かる商売が出来ていることに、感心しました。ショップは路地の奥まったところに
あるので、余計判り難かったです。「白山比?神社」「白山平泉寺」「白山1300イベ
ント」など、参考になる史料が無いか、聞きに行きましたが、案の定、石川県の
ショップと同じで観光案内しかありませんでした。ネットで検索する程度のことしか
判りませんでした。場違いのところに出掛け、徒労に終わった感じでした。それで
も、石川県ショップでは、「深田久弥・山の文化館」のパンフを入手し、必ず行くこ
とを決めました。またこれからは、しばらく眼を通さなかった「白洲正子」の著書を
引っ張り出してきて、気になるところに眼を通すことになりそうです。



今夜、久し振りに、何日かぶりで「弧思庵」ブログを見ました。

またまた「快慶展」ですが、奈良博の会場最初の部屋の奥まったところに、「清水寺
奥の院本尊・千手観音菩薩坐像」が単独で壁際に展示されています。しばらく前に内
厨子内の存在が評価された仏さまで、存在は知っていたのですが、拝顔するのはた
しか初めてのようで興味がありました。像そのものは70㎝程度で金泥塗り截金文様
の、派手な感じの42臂の千手観音菩薩像ですが、端正な面立ちの全体に綺麗な仏さま
で、快慶とは断定されていないようですが、同列に観られるものと思います。派手に
感じたのは、持物を持つ脇手の存在以上に、「三十三応現身」のついた大きな光背
と、三眼三面のお顔です。造りはやはり、キリリとした顔立ちの正面が整っており、
向かって左側面の菩薩面のお顔にも気を惹かれます。向かって右側面の忿怒顔は、
ちょっと忿怒形なのが崩れた感じです。3顔のお陰で顔だけでなくあわせて頭上面も
24面あり(何度数えても数が合わなかったが、一応にかなり下方を向いたお顔)合計
27面は、見慣れた十一面観音菩薩像とは違い、多面多臂の仏さまの複雑な感じが、く
どく行き過ぎている感じですが、一瞥で惚れこんでしまいました。清水寺の持つ寺宝
の奥深さを知ると共に、快慶の造仏活動における、信西を軸とした醍醐寺関連と後白
院政とのつながりにも、もっと眼を向けねばと気になったほどでした。背面が鑑賞
出来ない場所に展示されていたのが、残念でした。

また、「僧形八幡神画像」は、前半展示の神護寺所蔵品から「浄光明寺所蔵品」に代
わっていますが、「礼盤」上に載る姿が神護寺蔵とは違っており、元々は神護寺蔵の
画像を書き写したものと云われる「互いの御影」の伝えから来たもので、このような
画像が鎌倉の地に遺る歴史の面白さを感じます。因みに浄光明寺は、学生時代に前住
職から歴史の面白さを教えて頂いた縁の有るお寺ですので、余計関心深く観てしまい
ます。「東大寺・僧形八幡神像」については、2年前の岩田先生の論文(仏教芸術)
を読み返さねば、と思い出してしまいました。

そして、「鉄舟寺」、「静岡・新光明寺」については、以前関心を持ったことがあっ
たにも関わらず、そのままになっていたことに、残念な気持ちでした。新光明寺
は、今眼の前にすることが出来たことに驚きとともに、懐かしさを感じました。この
仏さまが大きな注目される展覧会に出品される程に、快慶と思しき捉え方がされてい
ることに、昔のあの安置場所の駅前ビジネスビルの事務所からは、場違いのような感
じで、本当かと首を傾げてしまいました。それでもすぐ近くに「京都・百万遍・知恩
寺」の阿弥陀如来立像が展示され、西方寺像とともに、同じような体躯と、左腕の外
側に掛ける衣の形状が同パターンで、その出来のよさが感じられますが、古文書や胎
内銘などが無く快慶作と断定出来ないものです。衣の処置は、山本勉先生の快慶確定
作例のパターン分類外になっています。



なお、「快慶展」に関連して、奈良博では3回にわたって「公開講座」が開催されま
した。1.4月22日(土)「快慶を生んだ社会と宗教」横内裕人氏、2.5月13日(土)
「快慶の生涯と「如法」の仏像」山口隆介氏、3.5月27日(土)「快慶作品に関する
2,3の問題」岩田茂樹氏 です。この3回の講座の会場配布資料が手許にあります。
図録などにも掲載されている内容が殆んどですが、まだ、よく眼を通していません
が、近いうちに纏めたいと考えています。

館内では、3人の男女にお会いしました。西大寺近辺にお住いの男性と女性と、京
都・錦小路近辺にお住いの男性で、地元に暮らしながらなかなか寺院仏閣を観て廻れ
ていないそうでしたが、さすがに地元の細かい路地裏の石造地蔵尊のことまで詳しく
説明してくれました。当方では関知しないような、名の無い路地裏の仏さまですが、
毎日のお参りを欠かさない信心深い方々でした。



「鎌倉国宝館」の「鎌倉の至宝・慶派のほとけ」展では、「教恩寺の阿弥陀三尊像」
を、じっくりと鑑賞して来ました。論文をコピーして行き、入館するまでその場しの
ぎの勉強をしましたが、たまたま中学生の学習会があり、大勢の生徒たちの一群に出
くわしてしまいました。その際に時間を掛けて廻っていた私に数人の女生徒が声を掛
けてきて、眼が人間のように光っているのは何故?手の形はどういうこと?など尋ね
られました。皆手に手に共通のメモ用紙を持っていて、観たこと知ったことを書き留
めて学校へ帰るそうです。私もしどろもどろに少しは話しをしましたが、他の生徒た
ちにも教えてあげるように伝えました。生徒たちが館内を去る時になって、引率の女
性教師から、自分たちでは説明出来なかったことを生徒たちにいろいろご教授ありが
とう、との丁寧な挨拶を戴きました。生徒たちから、すぐに先生に報告があったので
しょう。私としては、一人で観賞して廻るよりも話し相手がいたことで、気分的にも
楽な鑑賞となったので、こちらのほうがお礼を言いたいほどでした。その後、国宝館
館長さんとしばらく歓談して、国宝館を辞しました。現地へ行けば必ず何か非日常的
なことがあります。そして人との繋がり(おしゃべり)、それを楽しみに出かける今
日この頃です。



思いがけない野暮用が続き、予定していた寺院拝観が出来ずに、時間が過ぎてしまい
ました。「三浦半島不動尊霊場酉年大開帳」です。1ヵ月以上前にネットで知り、12
年に1度の盛儀と、「三浦薬師如来霊場」が33年に1度の御開帳とあって、両霊場の御
開帳が重なる縁は、132年に1度の稀有なことだそうで、せっかくの地元寺院の御開帳
を、時節柄もよく天候を気にせず、巡りやすい寺院を巡ってみようと考えていまし
た。京急久里浜駅まで行って、寺院参拝をしながら、横浜方面へ戻ってくるよう
に、サイトの一覧表を見ながら、大雑把な計画を組んでみました。長浜駅、YRP野比
駅など最寄駅から徒歩圏内や、久里浜駅からは京急バス利用での拝観など、2日間で
7ヶ寺巡りです。なかにはサイトに本堂内・本尊撮影「可」の表示がある寺院もいく
つかあり、この期間は事前拝観予約なし、と恰好な巡拝が出来ると目論んでいまし
た。しかし、日頃のおこないが良くなかったせいか、急な野暮用が舞い込んで来て、
5月28日までに巡拝が実行出来なくなりました。せっかくの計画は泡と消えてしまい
ました。先程ブログを見たら、弧思庵さんはじめ、いつものメンバーは車での巡拝を
行なったことが報告されていました。他にも出掛けられた方もいらっしゃると思いま
すので、今度お会いした際には、皆さんから様子を聞かせてください。



今朝は、新聞配達の学生から、「横浜開港158周年・没後20年・司馬遼太郎展・21世
紀“未来の街角”で」(6月2日・金~7月9日・日、横浜そごう美術館)の招待券をも
らいました。以前から6月2日(金)のオープン初日に出掛けることは、スケジュール
に組んであったので、ラッキーでした。特に昨年は、「菜の花忌」には、体調不良で
行きそびれ、大阪の「記念館」にも、立った1度しか足を運ばず仕舞いでしたから。
また、須田剋太画伯の味わいのある絵にも会えるでしょう。近場での展示会ですから
是非に行きたいと思っています。



6月3日(土)の「弧思庵」例会には、久方ぶりで出席するつもりです。弧思庵さんか
らのメッセージにもあったように、私からはGWでの旅行についてお話しが出来れば
よいと考えています。午後の最後の時間を充てて下されば、と思っています。

2017年5月29日 Tak


【以上 Takさんの文章です】


【コメント】
宜しく 個人勉強発表お願いします。勝手乍ら配給時間を45分間と決めさせて頂きました。対応を宜しくお願い致します。 尚、表題の変更が有ましたなら ご連絡ください。削除
2017/5/30(火) 午前 9:19[ 孤思庵 ]