孤思庵の仏像ブログ

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Takさんから の寄稿.「信貴山縁起絵巻展」「若冲展」

以下、Takさんから の寄稿文です。

●私は417日(日)に奈良博にて「信貴山縁起絵巻展」とともに、「サンデートーク」(「空海の舎利信仰の源流を求めて」講師:内藤栄・奈良博学芸部長)を聴講して来ました。「舎利」についてご専門の研究領域と伺っていたので、講義終了後に、私から内藤学芸部長にお尋ねした事柄について、内藤学芸部長から、「説明すると1講座分の時間と史料が必要になる」とおっしゃられて、改めて「文献を郵送する」、という約束をされました。本日午後、内藤学芸部長の著作論文「重源の三角五輪塔と寧波阿育王塔」(「奈良・南都仏教の伝統と革新」・20106月出版・勉誠出版)のコピーを郵送して下さりました。これから読むこととします。ついては、これからいろいろ出掛けることも多く、うまく纏まらないかもしれません。57日(土)の例会の発表には間に合わないかもしれませんが、とりあえずは、講義記録だけでも発表することとします。
 
 
●私は、426日(火)早朝から上野・東京都美術館若冲展」を拝観した帰りに、二子玉川駅で下車し、「静嘉堂文庫美術館」に立ち寄りました。天気の良い日柄に恵まれ、駅から約20分間の住宅内の閑散とした緑濃い遊歩道は快適そのものでした。車も人も通らない、歩道というより庭園の中の小径と云った感じで、快適な道が続きます。初めての経験ではなく、今までにも23度は歩いた経路でしたが、改めて爽快感を感じました。バスに乗らなくてよかった!、とつくづく思いました。文庫敷地内は、深山幽谷然とした雑木林は心晴れ晴れで、緩やかな坂道をユックリ美術館に到着です。小さな美術館の警備員や受付の学芸員が可哀想なほどの、疎らな入館者でした。あまり広くない会場は仏画が多く、入口すぐの展示室で壁際の展示ケースや展示壁に囲まれ、仏画や経典、経筒などが並び、部屋の中央に目的の「重文・浄瑠璃寺伝来・十二神将像」のうち、修理終了した4躯がガラスケースに入って並んでいました。手前から「寅神像」、「卯神像」、「午神像」、「酉神像」で、向かいの説明パネルに、各像毎に修理内容など写真付きで説明があり、分かり易い展示です。各像毎に本当に真近かに、じっくり時間を掛けて全周から、見て廻りました。虎皮裙や、甲冑の文様、亀甲文様など彩色も幾分の残趾もあり、修複跡などの箇所も分かり、東博3躯を思い出しながら拝観して来ました。残念ながら今回の展示についての図録はないそうで、「美術館収蔵文化財図版」である「静嘉堂120選」という冊子に仏画、茶器、工芸品などとともに収録されており、所蔵の7躯が1葉ずつですが掲載されています(修理前の状況)。
ほかにも「重文・普賢菩薩像」(修理後初公開)、「百万塔・百万塔陀羅尼」(所蔵全品公開)、「文殊普賢菩薩像」(東福寺伝来、画家・若冲の称えた名品で、若冲作「釈迦三尊像」(都美・「若冲展」に出展中)の原画として知られる)、「春日曼荼羅図」(光背付きの長谷寺式十一面観音立像が精緻な筆致と彩色で描かれている)、「金銅観世音菩薩立像」(北魏・台座脚部に造仏由来の銘文、光背背面に二仏並坐像の線刻「国宝・窯変天目茶碗」、「重文・油滴天目茶碗」など、ゆっくりと拝観出来ました。430日(土)は、土曜日でもあり、山本勉先生の講演会ということで、こんな閑散とした風景は味わえないでしょう。
本当は、岩崎弥太郎、彌之助、小彌太の3代にわたる三菱財閥文化財遺産である、庭園や「静嘉堂文庫」建物までも拝見したかったのですが、次の機会に回すこととなりました。閉館までの3時間強の拝観でした。美術館のショップで、雑誌「東京人」(201512月号・「静嘉堂の至宝・美と知の世界観」特集)が販売され、山本勉先生の「浄瑠璃寺伝来の木造十二神将像と運慶」の論文も掲載されていました。
 
 以上 Takさんから の寄稿文です。