過日10/20(毎月第3火曜日 定例) 「初級 仏像基礎の勉強会」の 報告
◆過日10月20日(火) 毎月第3火曜日 定例 「初級 仏像基礎の勉強会」しました。
【集合 10:00 東博 11号室前】 に女性Kさん、 Oさん、Oさん、Nさん 男性Tさん、孤思庵 が参集してくれました。
初心の方のみでなしに、ベテラン陣も アドバイザー役としてご参集くれました。
何でも結構です、参考に成るレクチャーをと、お願いしました。
(また今後も、メンバー以外の 一般の仏像愛好家さんのご参加も歓迎です。)
当日は、11号室に陳列の仏像を見乍らと 平成館飲食コーナーのテーブル席
にて 座学勉強しました。
≪図像学≫
①漢訳(意訳)と音写 仏像の名称には 意訳と音写がある。翻訳僧が意味を取って漢字に訳した名が意訳(漢訳)で、意味ではなしに、サンスクリットの発音に近い音の漢字を当てたのが音写です。
漢訳(意訳)の例
音写の例
【如来】シャーキャ(ムニ)→釈迦(牟尼) ・ アミター(ユス) → 阿弥陀 ・ ヴァイローチャナ→毘盧遮那 ・ アクショービヤ→阿閦(阿シュク);
【菩薩】マイトレーヤ → 弥勒 ・ マンジュシュリ → 文殊 【明王】クンダリ → 軍荼利 ・ ウチューサマ → 烏芻沙摩 【天部】バイシュラヴァナ → 毘沙門 ・ アスラ → 阿修羅 ・ マリーチ → 摩利支 ・ ヤマ → 閻魔 ・ ダーキニー → 枳尼 ・ カラヴィンカ → 迦陵頻伽 ・ カバンダ → 鳩槃荼
以上の様に挙げてみますと、私達は漢字文化圏の人ですので、なんとなく意味が分かる尊名は漢訳(意訳)の尊です。読んで観て意味が掴めないのが当て字的音写です。
代表的なのが阿弥陀如来で 阿弥陀の意味は分かりません これはサンスクリットのAmitaを音写したもので、 漢訳するると無量となります。「無量寿如来」聴いた事ありますよね、サンスクリットのアミターユス=阿弥陀如来の意訳(漢訳)名です。 同様に四天王の多聞天、してんおうの中では「多聞天」と呼ばれ、 独尊の時には毘沙門天と呼ばれるという解説をよく聞きますが、これはサンスクリットのバイシュラヴァナを音写すると毘沙門天となります。 全く同じ天(神)を音写で呼ぶか意訳で呼ぶかの違いだけなのです。 四天王の内のバイシュラヴァナを毘沙門天と読んでいる聖教文書は多く在る相です。
≪美術史≫
①尊格に寄る台座の相異・時代的変容
日本仏像事典(以下 事典と省略)の69~74頁参照、蓮華座の部分名称については71頁、
台座の時代的変容に付いては簡素なものから装飾的なものへの変化の傾向があります。
②着衣着丈の変遷
大よその裾丈の傾向、時代の推移に依り裾が下がって長く成って来る。その意味の検証として、作業着は短く袖口が狭い、高位の服装は大袖、裾が長いなどゆったり を検討しました。意味合いと云うより流行と解釈した方が良いでしょう。着衣総体としては、大陸の影響からの唐風、和様化。ま他新たな宗風と変遷している様です
当日は、勉強内容を 「日本仏像事典」真鍋 俊照(編)の文を読んで、 「カラー版 日本仏像史」水野 敬三郎 (著)の写真で検証しました。
★次回は仏像のサイズ等に付いて 勉強したいと思います、どなた様も仏像好きさんはお気軽に参集ください。
毎月第3火曜日 定例の「初級 仏像基礎の勉強会」次回は11月17日(火)です。 |