孤思庵の仏像ブログ

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KNさんの 茨城の仏像拝観記 転載

「仏像愛好の集」の広報しました。、11/8(土)雨引観音 甲午年の御本尊特別大開帳】の募集は総勢4人の応募者で挙行されました。
 
 参加者の独りで、実行幹事的でありましたKNさんが仏像拝観記を寄せられました。転載して ご紹介します。
 
2014.11.8 茨城観仏記
小松寺 今回はSBさんの愛車で、総勢4人(SBさん、OTさん、MUさん、私KN)の日帰り観仏旅。池袋を730に出発して1時間50分で最初の目的地小松寺に到着する。駐車場脇の石段を上ると更に石段。こちらの石段は前傾していて降りる時怖そうだなと思う。境内に入ると右手に見事な枝垂れ桜がある。徳川光圀手植えの桜の実生と伝えられるとの事。
  事前に拝観のお願いの往復はがきを出していたが中々返信がなく電話したところ、開帳は毎年11日午前3時から5時だが法事がなければ拝観させて頂けるとの事で、11/5に再度電話を差し上げる約束をする。電話では人数と拝観予定時間を聞かれる。本堂にはすでに墨染めの衣姿のご住職が待っておられたが、お茶菓子を用意して下さったり、冷えるからとストーブまで付けていて下さって暖かいおもてなしを受けた。
始めにお焼香しお経をあげて頂く。その後ご住職が錦の布に包まれた蒔絵漆塗りの箱を持って来られたが、重文浮彫如意輪観音像(中唐~晩唐)はその中に安置されていた。仏様に息が掛かってはいけないとマスクをされ開けて下さる。私達もマスクかハンカチで口許を覆うよう言われる。
平重盛高野山を参拝した際授けられたという言い伝えのある浮彫如意輪観音像は8.4㎝×7.6㎝の方形の白檀一材造りで半肉彫りのようだった。サントリー美術館高野山名宝展に出展されている諸仏仏龕の仏像を思わせる精緻な彫りで素晴らしい。
拝観の依頼があっても断ることが多いとおっしゃっていたご住職には早速お礼状をお送りした。夕方投函後2円切手を貼り忘れた事に気付きOTさんに相談、翌日825の集荷前までポスト前で待機し、15分待ちで回収し貼ることが出来たという後日談付きで忘れられないお礼状になった。
 
(りょう)厳寺 (ごんじ) 境内で出入りの方とお話しされていたジャージ姿の方に、「お寺の方ですか?」と伺うがどうやらご住職のようだった。「予約していたKNです」と名乗ると待つようにおっしゃり、お寺のパンフレットを1部持って戻られた。4人いるのに何で1部なのかと思う。
鎌倉幕府の有力御家人であった宇都宮氏の一族、笠間時朝の造立による笠間六体仏の一つ、重文千手観音菩薩立像(鎌倉)が収蔵庫に安置されている。檜寄木造りで漆箔、玉眼嵌入。背面に建長4年(1252年)、笠間時朝によって造立された事が陰刻される。像に陰刻で銘文を記す事は、金属の仏像では多いが木彫では珍しいとの事。しかし収蔵庫入口からの拝観で背面は見ることが出来ない。
笠間時朝は京都三十三間堂の千手観音のうち2体を寄進している。鎌倉幕府御家人で唯一の寄進者との事。
 
弥勒教会 ネットでは電話番号がわからず、茨城県教育委員会文化財担当者に電話して調べて頂く。教えて頂いた番号に電話すると、自分は年を取ったので管理は止め、若い人に譲ったとおっしゃる。新しい管理の方の電話番号を伺うと、シルバーに行っているから5時過ぎに掛けるよう言われる。昨年修理し、集落の負担が多額だったので拝観料は一人千円だと申し訳なさそうにおっしゃる。「5人(最初5人の予定。腰痛のためYNさんが行けなくなり4人になった)だと5千円ですか?」と伺うと「3千円に負けて貰えばいい、一人なら千円だが5人いるなら3千円で」と頼むように言われる。OTさんに夕方電話するようお願いした。OTさんが新しい管理の方に電話したところ一人700円と言われたそう。「3500円を3000円に負けてとは言えなかった」との事。確かに私も言えない。
  SBさんは該当する地番がナビで見付からなかったため近い地番を入力したとの事だったが道に迷う。管理の方の自宅に電話し、奥さんに教わりながら引き返すと車で迎えに来て下さった。弥勒教会では既に二人の男性が待っていて下さり、三人もの方のお世話になってしまった。こちらでもまた高くて申し訳ないとおっしゃられ却って恐縮する。
  重文弥勒仏立像(鎌倉)もまた笠間時朝の造立による笠間六体仏の一つ。胸腹部と足枘から宝治元年(1247年)作の銘文の他、「時朝同身の弥勒」などの銘文が発見されたとの事。堂内奥には発見された銘文が籠字で写され展示されている。力強く衣文の彫りも素晴らしい仏像で、光背・台座とも造立時のものだと言う。
  笠間六体仏は他に岩谷寺の重文薬師如来立像が現存している。一般公開は毎年4/8のみで平常は団体以外は紹介が必要とあったので問い合わせしなかった。
 
雨引観音楽法寺 今年は甲午ご本尊特別大開帳で、前回御開帳は昭和9年というから80年振り(普段は隣の収蔵殿に安置され秘仏)になる。観音堂(本堂)入口の拝観受付に人がいなかったので拝観券購入は後回しにし先に拝観させて頂く。
重文観音菩薩立像(平安前)については、事前に神奈川仏教文化研究所のHPを読んでいたため、意外に迫力がないと予備知識があったがその通りだった。ただ、HP茨城県仏教彫刻研究者後藤道雄氏や長岡龍作氏の指摘を知り、チェックしながら拝観出来たのでわかり易く、面白く拝観出来た。
  護摩壇の掃除をしていた方に「まだ拝観料をお支払していないのですが」と言うと「後でいいですよ。3時から護摩を焚くので良かったらどうぞ」と言われる。拝観料は一人1000円で高いなと思っていたら、後から来る団体さんは一人500円だからと、何と四人で2000円におまけして下さる。拝観券は2枚しか上げられないが、記念品の腕輪風数珠とパンフレットは四人分下さると言う。茨城県民は親切でおまけ好き?と思った。
  護摩焚きにはお宮参りや七五三と思われる子供達がかなりいた。「一に安産 二に子育てよ、三に桜の楽法寺」と詠まれているとの事で地元の人達に厚く信仰されているお寺なのだと感じた。
 
  雨引観音は雨乞いの観音様でもあるが、午後から雨が降ると言う天気予報だったのに車の中にいる時パラついた程度で観仏する事が出来ありがたかった。
 
 
★【雨引観音 甲午年の御本尊特別大開帳】拝観ツアーの 参加者の独りで、実行幹事的でありましたKNさんが仏像拝観記を寄せられました。転載して ご紹介しました。