MU(Miu)さんからの投稿 お正月には近所の幾つかの小さなお寺を巡りました。
「仏像愛好の集」メンバーのMU(Miu)さんからの投稿です。
厳寒の候 皆様はいかがおすごしでしょうか。
私はお正月には近所の幾つかの小さなお寺を巡りました。どれでもご開帳されていないので、拝観より私が好きな蝋梅花の探しをしてました。昨年のこの季節に私は雪に被られた宝登山を登り、山頂の満開の蝋梅を見に行きました。この気品が高い、香りの良い名花はお寺にもよく栽培されます。
17日には都内の蓮華寺と大観音寺のご開帳の参拝に行ってきました。
この日は先ずはJR京浜東北線に乗り、蒲田駅で降りて歩いて10分くらい、蓮花寺に到着します。鎌倉時代創建の寺院で山門前での狭いスペースで丁寧に枯れ山水がつくられ、コンパクト、おしゃれな小さなお寺でした。
11時には法事ですのでこの前に拝観できます。拝観客は私一人ですので、ゆっくり至近で拝観ができました。
像高は90cmで小ぶり、丸顔、彫りあと鋭い複雑な衣紋や、少し重心を右に移しお姿の美しい観音様でした。光背がないと台座は明らかに後補のものです。
昼頃人形町の大観音寺に到着、170cm大きな鉄の観音様の頭部像のご拝観ができました。
皆様はすてにご拝観しましたでしょうね。せきどよしおさんの観仏記にとても詳しく書いてありますので私が書く余地がありません。替りに私が観音菩薩仏像の勉強についてまとめてみたいと思います。
真言系では聖観音菩薩、十一面観音菩薩、千手観音菩薩、如意輪観音菩薩、准胝観音菩薩、馬頭観音菩薩を六観音と称し六種の観音が六道に迷う衆生を救うという考えから生まれたもので、地獄道 - 聖観音、餓鬼道 - 千手観音、畜生道 - 馬頭観音、修羅道 - 十一面観音、人道 - 准胝観音、天道 - 如意輪観音という組み合わせになっています。真言系の六観音に天台系の不空羂索観音を加えて七観音になります。
『観音経』の観音三十三応現身に対して三十三観音と称します。
観音様の性別についてはいろいろな説があります。菩薩だから修行者で男性です。或いは口の周りに髭が描いているから男性だと聞いたことがあります。お釈迦様は元々インドの王子様で実在の人物で男性ですがしかし観音様は実在の人物でなくて想像の仏様ですので、仏像の像容が男性のように逞しいのであれば男性と想像し美しいのであれば女性と想像してよいと私は考えています。女性の像容の観音様の口の周りに描いている模様は髭でなくて人々を救いたいために絶えずにお経を唱えている動きを表現していると言われています。
日本や中国において大昔から広く信仰を集めている尊格です。日本では歴史的に源頼朝は観音信者とよく知られています。坂東三十三箇所は、頼朝の観音信仰と、源平の戦いで西国に赴いた武者たちが西国三十三箇所の霊場を観たことで、鎌倉時代初期に開設につながったといいます。
私は幼いころ、私が愛した祖母がお寺へ連れて観音菩薩を拝んた記憶がありました(祖母は信者か分かりませんがその時代の中国の人々は皆観音菩薩を崇拝してました)。中学時の学校は元々大きなお寺でした。食堂に大きな金ぴかな菩薩像がいらっしゃる憶えがありました。祖母からいただいたヒスイの観音様座像のペンダントトップは私とともにいろんな困難とピンチを乗り越えてきました。祖母か観音様か私を守ってくださった科学的根拠はありませんが確かに私が守られていると感じました。
マニアではありませんが私は少しずつ観音様の仏像やペンダントなどをコレクションをしてきました。何より嬉しいことは愛する子供は学会を参加した香港で純金の聖観音立像のペンダントトップを買ってもらってプレゼントをしてくれました。
私は数年前までにすっと仕事を掛け持ちして寝るのも惜しくて頑張ってきました。過労のせいか体調が崩されたきっかけて仕事を最低限にして趣味の仏像拝観ができるようになりました。仏像の全般は好きですがなんとなく観音様仏像の拝観は多いようです。
昨年中拝観した観音様のリスト:
長谷寺 十一面観音立像
道明寺 十一面観音菩薩立像
4月19日 京都醍瑚寺 如意輪観音坐像
4月30日 東京静嘉堂文庫 北魏 金銅観世音菩薩立像
6月18日 埼玉県安楽寺 吉見観音
7月10日 向源寺 十一面観音立像
赤後寺 千手観音立像 十一面観音立像
8月6日 東博11号室
千葉 小松寺 十一面観音
奈良 談山神社 白檀十一面観音
奈良 秋篠寺 十一面観音
奈良 當麻寺 十一面観音
奈良 小嶋寺 十一面観音
大阪 観心寺 十一面観音
9月 5日仙台 大観密寺 大観音
10月1日 東博 櫟野寺展
十一面観音坐像
10月16日奥日光 中禅寺 立木観音 龍頭滝の紅葉見とともに
11月15日宮島 大聖院 十一面観世音菩薩
12月18日鎌倉杉本寺十一面観音3体ご開帳
私が観音様に感動させられたのは、その美し像容だけでなくその深い慈悲のこころです。観音様は私の生涯のお手本です。自分がどうやって社会に貢献できるか常に考えなければなならいと思っています。母国にいた時に私は直接患者さんと接する仕事をしていました。恩師から’患者さんの名前をきちんと憶えて自ら声をかけて患者さんのこころが温まりますから’との教誨を実践し、患者さんを自分の身内のように愛護し、一緒に病邪と闘うことをしてました。これは私は一人間としてするべきことと観音様から学びました。いま、以前と違う仕事をしていますが間接でもいいですから自分が働きできるかぎり、精一杯で自分の知識で何方にもお役に立つことができれば私の幸せと思っ てお ります 。
私はこれからも観音巡礼を続けます。仏像の欠損か候補かそういうことは専門家に任せて、ただ全体が美しければそれでいい。白洲正子さんが言ってました。つぎ、どのような綺麗な観音様にお目にかかることができますかをいまからもわくわくしています。
どうぞよろしくお願いいたします。
MUより
http://pds.exblog.jp/pds/1/201603/20/20/e0345320_22153505.jpg 大田区文化財 蓮花寺 十一面観世音菩薩立像http://pds.exblog.jp/pds/1/201603/20/20/e0345320_22130595.jpg
(東京都指定有形文化財)大観音寺 鉄造菩薩頭部 と お前立