孤思庵の仏像ブログ

少し深くの 仏像愛好のブログ続けてます、オフ会に集ってます、貴方も如何?

Tak)2019年11月の活動報告

このところ台風や豪雨被害のことで日本国内の天変地異が気になっていましたが、その中で来年の「東京五輪」について問題が起こっているようです。数年前の招致時点JOCの招致プレゼンテーションでは確かに夏季の東京の酷暑について問題にせず、むしろ対策により心配するものではない、「8月の東京は温暖で、アスリートが最高の状態でパフォーマンスできる理想的な気候」などとアピールして無理して招致をしたものです。まあ自業自得と云うことでしょうか?開催まで1年を切ったこの時期になってまで、このように私が先の投稿で触れたように、五輪は強者の都合によりごり押しされるのです。ましてや東日本大震災の復興支援になど何も反映されないような大会開催では、何をかいわんやです。過去の開催例からも明らかな開催後に「負の遺産」しか残らない巨大イベントを開催することの無意味さ露呈したものと云えましょう。

私はもともと東京五輪招致・開催に否定的という立場でしたので、どのような結論が出ても驚きませんが、政治・商業マインドの五輪開催に反対する機運に繋がると良いのですが…。

私は東京五輪の開催期間についてスケジュールについても何ら把握していませんが、その期間については、既に以前の投稿でも記したように東京から地方への長期間の移住生活(東北、あるいは北海道など湯治や登山を含め)を検討しています。



緒方貞子女史訃報(92歳)、中満泉国連軍縮担当上級代表が悲痛:彼女の講義を幾
度か聴講して感銘したことを覚えています。ご冥福をお祈りします。

●女優・八千草薫訃報(88歳):私は映画を観たことが無いのにかなり以前から彼女のファンでした。以前に新幹線車内の隣席でお会いして降車時に「お仕事頑張ってください」と励ましの言葉をかけていただいたことが今でも忘れられない思い出になっています。また夫婦して登山によく行かれていたのを覚えています。ご冥福をお祈りします。

●福島「白水阿弥陀堂」が浸水被害に:今般の台風21号の大雨の影響が広範囲の地域にわたって被害を与えています。「福島民友ニュース」によると福島県いわき市内郷白水町にある福島県唯一の国宝建造物の白水阿弥陀堂」が浸水被害を受けたことが10月26日に、お堂を管理する「願成寺」への取材によって分かったたということです。お堂の基礎部分のしっくいが水を被ったという。周辺地域には台風19号の際に稼働していた排水ポンプがその後故障して排水が出来なくなっていたそうです。住職は浸水被害は深刻な状況ではないとしながらも、お堂を囲む池の水があふれ膝の高さまで水位が上昇したという。少しでも早い復
旧が望まれます。関東地域や南東北地域では、このような史跡や寺院仏閣などや文化財の浸水被害、土砂崩れによる破壊といったニュースがこれからも報告されるやもしれません。そうした事案については少しでも支援し早期の復旧を望みたいものです。





奈良まほろば館日本橋)講座開催の案内:

・11月3日(日)奈良の魅力を語るシンポジウム(外国人にも伝えたい本物の奈良)13:30~15:00 まほろば館8階 パネラー:西山厚・半蔵門ミュージアム館長、高橋政司・ORIGINAL Inc代表、アンドリュートーマス・映像作家、菊愛・舞妓
・11月17日(日)「出雲と大和」展の見かた①(巨大本殿 出雲大社
11:00~12:30 まほろば館2階 講師:松尾充晶・島根県古代文化センター専門研究員

・11月17日(日)「出雲と大和」展の見かた②(古代出雲の祭祀と青銅器)

14:00~15:30 まほろば館2階 講師:増田浩太・島根県立古代出雲歴史博物館専学芸員

・11月23日(土・祝)まほろばソムリエの深イイ奈良講座(會津八一が詠んだ奈良)
14:00~15:30 まほろば館2階 講師:池内力・奈良まほろばソムリエの会会員





東博文化財よ、永遠に」シンポジウムを聴講して来ました(10月19日):

展覧会案内:  https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1958

シンポジウムを聴講して来ました。過日往復はがきで2名聴講を申込みしており受講券が届きましたが、ご近所の方の都合がつかなくなり結局出掛けたのは私一人になりました。いつものように開場1時間前にシンポジウム会場の前のロビーのソファで軽い昼食を取りながら文庫本を読んで待っていました。既に行列の最前列には集いの会のM氏がかなりの量のコピー資料を持参し広げながら近くの聴講者の方と歓談する姿がありました。従来の講演会の時と同じように聴講者の行列が1列(20~30人くらい)出来たくらいの様子を見計らって行列に並ぶこととしました。しばらくで集いの会のKITさんにお会いしたので、並びなおしました。着席の場所は私のいつもの定位置の近く、通路際に取りました。

シンポジウムの内容については、新知見のことも多く大いに勉強になりましたが長くなるので省略します。

シンポジウム終了後は、ステージ下で奈良大学・今津節生教授と永青文庫・小松大秀館長にお会いし挨拶と歓談をしました。小松館長は学生時代の時や秋田の美術館長の時とは全くイメージが変わって風格のある姿にまたしてもゾッコン感銘を受け、名刺の氏名をジックリ見詰めてしまいました。東博の副館長勤務の時にもお会いしたことがあり、本当に久しぶりにお話しをすることになりました。

国立文化財機構文化財活用センター・公開シンポジウム2019開催の案内:

センターサイト:   https://cpcp.nich.go.jp/

シンポジウム案内:  
https://cpcp.nich.go.jp/modules/r_exhibition/index.php?controller=dtl
<https://cpcp.nich.go.jp/modules/r_exhibition/index.php?controller=dtl&id=11
> &id=11

11月23日(土・祝)12:30開場、13:00開会 東博・平成館大講堂 事前要申込
「複製がひらく文化財の未来」 パネラー:大河内智之・和歌山県立博物館主任学芸員、松嶋雅人・文化財活用センター課長、大杉栄嗣・大塚オーミ陶業社長、山口晃画家

*大河内学芸員は、今春の展覧会でも発表していた地域での文化財修復・保存活動の一環として、地元工業高校生徒との共同で3Dプリンターを活用する複製制作を進めており、今回の発表となった。また「観仏三昧」での仏像関係の公開情報や展覧会情報などの紹介WEBでお世話になっている、私がお会いした研究者として気さくな真面目な熱心な主宰者です。

東博の展覧会に同行しました:

先日、ご近所の同世代のご婦人と友人の2人からの誘いがあって、一緒に東博の展覧会「文化財よ、永遠に」に出掛けました。当初は19日のシンポジウム開催日にご一緒する予定でしたが、都合が悪くなり別の日程調整をしたものです。彼女等は初めての拝観、私は3回目の拝観となりました。過去には「運慶展」、「大報恩寺展」などの展覧会にお供して会場内でいろいろと案内を差し上げたことがあり、今回も同じよう
に少しでも拝観のお手伝いをするために同行しました。前夜になって今までのような口頭での説明だけでなく参考資料を持参して後日でも参考になるものを用意しようと思い付き、部屋の書棚を見回して目に留まった図書をとりあえずの資料としてページの一部をコピーして持参しました。

参考資料として、奈良国立博物館で2013年夏に開催の展覧会「みほとけのかたち仏像に会う」の図録と、今回の拝観にふさわしいものとして同じ奈良博で2010年に開催の「仏像修理100年」展覧会の図録の2冊を引っ張り出して、参考になるページを抜粋してコピーして行きました。

・「みほとけのかたち 仏像に会う」の図録からは、巻頭言「仏像に会う」(西山厚・当時学芸部長)、総論「聖なるもののかたちとしての仏像」(岩井共二・当時教
育室長)、そして各章に付属する「コラム」の各ページ(仏像の服装、仏像の姿勢と
動き、ブッダの身長、… ほとけの方位と色、彫と塑~彫るか盛るか、… 清凉寺
迦像と善光寺阿弥陀像、霊験観音など)が網羅的に簡単に説明しています。

・「仏像修理100年」の図録からは、特別寄稿「仏像の保存修理とその技術―思い出
と共に―」(西川杏太郎・当時美術院国宝修理所理事長)、「総説・仏像修理100年
―美術院の歴史とともにー」(鈴木善博・当時上席研究員)、修理記録の解説(興福
寺、東大寺平等院西大寺唐招提寺臼杵摩崖仏、法隆寺などの仏像17例の修理
前後の画像と修理図、構造模型など)が分かり易く編集されています。

思いがけずかなり多くのページ数になりましたが、一抱えを紙袋に詰めて持参し、彼
女等に会場の場所場所で該当するコピー紙を手渡したり、ベンチに腰掛けて解説論文
などを参考資料としてお渡ししました。この資料配布で私の説明しようとしたことの
多くは役立ったと思います。私の下手な説明よりも視覚からの勉強の方がより理解さ
れると思いました。今後の彼女からのお誘いには、この手法で対応出来るのではない
かと想いを新たにしました。ちなみに彼女等は私が渡した紙袋を受けて帰りにはかな
りの荷物になって困惑しているようでした。

奈良国立博物館では、博物館地階に仏像館と繋ぐ廊下の両側に仏像の歴史や技法など
を説明用の画像や説明パネルだけでなく実際に説明用摸刻なども展示して、仏像に特
化して啓蒙活動をしています。私もしばしばこの廊下で勉強させてもらっています。





●小説「仏師成朝と運慶―猜疑の果てに」、「八条院?子と運慶」を読み始めまし
た:





2019年10月30日  AM0:30 Tak